書店員向け情報 HELP
原発事故!
事故が起きて何が変わったか、変わらなかったか
- 初版年月日
- 2018年9月
- 書店発売日
- 2018年9月25日
- 登録日
- 2018年8月10日
- 最終更新日
- 2018年10月11日
紹介
「はんげんぱつ新聞」編集長&原子力資料情報室共同代表として原発問題を追究してきた50年間の結晶です! 原発が生まれた1950年代から、すぐに事故は起きていました。しかし、それからずーっと、事故から得られたはずの教訓は生かされることなく、福島原発事故が起きたのです。代表的な35件の原発事故をくわしく解説。
目次
1986年 アメリカ セコイア燃料六フッ化ウラン放出事故
5 事故に終わりなし
1986年 旧ソ連 チェルノブイリ原発4号出力暴走【国際事故評価レベル7】
1986年 アメリカ サリー原発2号給水配管破断
1987年 日本 敦賀原発1号出力異常
1988年 アメリカ ラサール原発2号出力発振
6 事故が「原発銀座」の怒りを呼ぶ
1989年 日本 福島第二原発3号再循環ポンプ部品破損
1991年 日本 美浜原発2号蒸気発生器伝熱管破断【国際事故評価レベル2】
1992年 日本 福島第二原発4号原子炉内に針金
日本 福島第一原発2号でECCS作動
7 今に続く事故隠しの「どうねん体質」
1995年 日本 高速増殖原型炉「もんじゅ」ナトリウム漏洩・火災【国際事故評価レベル1】
1997年 日本 東海再処理工場アスファルト固化体火災・爆発【国際事故評価レベル3】
8 福島原発事故は、事故が予言していた
1999年 日本 志賀原発1号臨界事故【国際事故評価レベル2】
1999年 日本 敦賀原発2号で1次冷却水漏れ
1999年 日本 JCO核燃料工場臨界事故【国際事故評価レベル4】
1999年 フランス ルブレイエ原発高波被災【国際事故評価レベル2】
9 事故の軽視が新たな事故を準備する
2002年 日本 東京電力ひび割れ隠し
2002年 日本 美浜原発3号機一次冷却水漏れ
2004年 日本 美浜原発3号機2次系配管破断【国際事故評価レベル1】
2006年 日本 浜岡原発5号機・志賀原発2号機タービン大破損
10 防げなかった原発震災
2007年 日本 柏崎刈羽原発地震被害
2008年 アメリカ ドレスデン原発3号機制御棒誤引き抜き
2011年 日本 福島第一原発1~4号炉心溶融・水素爆発【国際事故評価レベル7】
索引
事項・施設名・人名組織名索引
前書きなど
まえがき
『原子力・核・放射線事故の世界史』(2015年)、『日本の原子力時代史』(2017年)と本書を合わせて三部作の趣きとなったが、当初から意図したものではない。ひたすら多くの事故例を並べた『原子力・核・放射線事故の世界史』の後で、思いがけず43年間の原子力ウオッチングの記録を『日本の原子力時代史』としてまとめさせてもらった。両者をつなぐものがつくれないかと考えたのが本書である。典型的な文系人間だから、事故を理系の論理で説くことはできない。文系のほうにひきつけるといっても、事故に社会的な意味を与えるだけの能力はない。事故にからんだ話題を備忘録よろしくひろってみたら、こんな本になった。
書けるかどうか、資料を漁ることから始めた。国会図書館はもとより、福島や茨城、福井の図書館にも足を運んだ。いや、それより原子力資料情報室の手持ちの資料や『はんげんぱつ新聞』に載った記事こそが、素材の宝庫だった。それらを読み返すのは、実に楽しい作業だった。しかし、なかなか書き出すところまでいかない。
そしていざ書き始めてみると、面白いものを見つけたと思った資料を読者もそう受け取ってくれるか、どんどん自信がなくなってくる。そんな気持ちを何とかごまかしながら、ともかくも書き上げた。あとは読者の審判を待つばかりである。なお、執筆について下記の点にご留意いただければさいわいである。
上記内容は本書刊行時のものです。