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限界を超える子どもたち アナット・バニエル(著) - 太郎次郎社エディタス
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限界を超える子どもたち 脳・身体・障害への新たなアプローチ
原書: Kids Beyond Limits : The Anat Baniel Method for Awakening the Brain and Transforming the Life of Your Child with Special Needs

四六判
縦193mm 横136mm 厚さ21mm
重さ 350g
256ページ
上製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-8118-0830-7
Cコード
C0077
一般 単行本 家事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年7月
書店発売日
登録日
2018年7月4日
最終更新日
2018年7月30日
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重版情報

2刷 出来予定日: 2019-02-04

紹介

身体を通じた脳への働きかけが、ハンディと限界を超えさせる──
驚くべき変化と可能性を伝える。

脳性まひ、自閉症スペクトラム、ADHD、診断のつかない発達の遅れなど、
スペシャル・ニーズの子どもとの
30年以上にわたる米国での取り組みと成果を紹介。
子どもの脳と身体・感覚とのかかわりに着目し、
「できること」を大きく広げていくためのアプローチを提案する。

動くこと、話すこと、考えることの発達に、
子ども自身の力を大きく引きだす
「9つの大事なこと」とは──?

「直すための訓練」という発想から転換し、
可能性に開かれた道をさししめす。

ノーマン・ドイジ(『脳はいかに治癒をもたらすか』著者、精神科医)
マイケル・マーゼニック(脳科学者)
ジル・ボルト・テイラー(『奇跡の脳』著者、脳科学者)らが推奨する、
「脳の可塑性」を利用して力をひきだす実践法、
アナット・バニエル・メソッド、初邦訳。

目次

本書によせて──マイケル・マーゼニック(脳神経学者)

はじめに

第Ⅰ部 新しいアプローチのために

ある女の子との出会い
  動けない赤ちゃん
  最初のレッスンでわかったこと──脳が身体を認識していない
  動きを与えることで脳が学習を開始する
  エリザベスが歩いた!
  できることに注目しつづけて──エリザベスのその後
  わが子の可能性、脳の可塑性
  既存の取り組みからの脱却
  親の力

〝直す〟ことから〝つながる〟ことへ
  子どもを「直す」ことはできるか
  子どもは、自分にできることはしている
  発達に欠かせないランダムな動き
  子どもは教えたことを学ぶのではなく、経験したことを学ぶ
  親にも子にも実りをもたらす方法への転換

驚くべき子どもの脳
  ランダムな動きが脳に栄養を与える
  最初の一歩──「違い」を受けとめる
  両脚がくっついて離れないカシー
  「ひとつ」と「もうひとつ」を発見したカシー
  カシーの脳で起きていたこと
  アヒルをつくる──分化と統合
  すべてが「ぼんやり」していたジュリアン
  まるで霧が晴れるように
  支援の視点を変える

第Ⅱ部 9つの大事なこと

1つめの大事なこと■動きに注意を向けること
  動きを獲得するとき、一歳児に何が起こっているか
  子どもは注意を向けることで学ぶ
  脳は「失敗のパターン」も再生してしまう
  足で立つための支援とは
  頭を打ちつける自閉症の男の子
  ライアンの目覚め
  「息子は生まれ変わった!」
  子どもが注意を向けているときの五つの特徴
  からだ・きもち・考えの「動き」
  科学が教えてくれること
 ★動きに注意を向けるためのヒントと方法

2つめの大事なこと■ゆっくり
  脳性まひの女の子、アリとの出会い
  こわばった筋肉へのスロータッチ
  人は体験ずみのパターンしか速くはできない
  スローダウンで「感じとる脳」に
  止まれないジョシュ──刺激を減らすことが有効な理由
  体当たりで「ゆっくり」を学ぶ
  「ぼくはバカじゃない!」
  ヒトは、その脳とともにゆっくり成長する
  終着点は未定にしておく
  科学が教えてくれること
 ★「ゆっくり」を実践するためのヒントと方法

3つめの大事なこと■バリエーション
  バリエーションは脳の成長をうながす
  バリエーションはどこにでも
  コルセットで固められた男の子
  初めて「動くこと」を知ったマイケル
  科学が教えてくれること
  ★バリエーションをつくるためのヒントと方法

4つめの大事なこと■微かな力
  強い刺激は感覚を鈍らせる
  ボールのように硬く丸まってしまうリリー
  なまけものごっこ──過剰な力をぬいて
  「なまけものの国」の威力
  まずは、あなたから
  数字はなんのため?──ストレスと認知能力
  「微かな力」が直観と思考力を高める
  科学が教えてくれること
 ★微かな力を使いこなすためのヒントと方法

5つめの大事なこと■内なる熱狂
  喜びを深める力
  感激のやりとりが脳を呼び覚ます
  ジェイコブを進歩させたもの
  拍手はしないで
  「もう一度やって」と言わない
  心の内で喜びをかみしめる
  科学が教えてくれること
 ★心を熱くするためのヒントと方法

6つめの大事なこと■ゆるやかな目標設定
  可能性にひらかれた道
  ヒヒのたとえ──目標にしがみつくということ
  動くこと、喜ぶことを学んだアレクサ
  でも、いつになったら話すの?
  イエス、ノー、イエス!
  子どもにとっての成功体験とは
  ゆるやかな目標のもつ普遍性
  科学が教えてくれること
 ★目標をゆるやかに保つためのヒントと方法

7つめの大事なこと■学びのスイッチ
  読み書きが困難だったスコッティ
  スコッティの飛躍
  ひとりの人間としてみる
  子どもを丸ごとみる
  科学が教えてくれること
 ★学びのスイッチを入れるためのヒントと方法

8つめの大事なこと■想像すること、夢みること
  機械的に暗唱しつづけるアリィ
  きかんしゃトーマスはどこ行った?
  想像力のリアリティ
  あなたの子どもに潜む天才
  「この子は天才だ」
  空想が脳にもたらすマジック
  科学が教えてくれること
 ★想像力をはばたかせるためのヒントと方法

9つめの大事なこと■気づき
  赤ちゃんは観察している
  「気づき」は行為だ
  科学が教えてくれること
  私、そうしてた?──母ジュリアの「気づき」
  自分のなかの観察者を目覚めさせる
  「気づき」は波及する
 ★気づきを増やすためのヒントと方法


おわりに──限界を超えて

よくある質問と答え

訳者あとがき

前書きなど

本書によせて

マイケル・マーゼニック(脳神経学者)


 この本は、子どもを愛し支援しているすべての人への贈り物です。
 本書を手にとり、著者のメッセージを受けとってください。
 アナット・バニエルのアプローチは、特別な支援を必要とする子どもたちとの豊かな実践から生まれました。彼女は子どもたちの脳が変わっていくことができるのをくり返しみてきました。子どもたちは人生に目覚め、能力を獲得し、力強く生き方を変えていきました。
 私たちの脳には「可塑性」があります。一生を通じて脳は変化しつづけます。

 ここに登場する子どもたちは、困難を抱えながらも、家族の愛情と支援者の熱意に支えられ、「脳の可塑性」を最大限に活用しています。
 アナットの説明は明晰です。彼女は、脳が変化をするという人間が生まれながらにもつ素晴らしい力が、奇跡の材料となりうることを教えてくれます。

 私は長年、「再構築する脳」の力を子どもや大人に役立てる方法を解明したいと、科学の分野で取り組んできました。
 数十年の研究を経て、私たち科学者は神経科学の観点から脳の可塑性を支配する「法則」を明らかにしました。そして、よりよい変化をもたらすためには脳をどのように働かせるのがよいかがわかってきました。
 驚くべきことに、同じ時期、アナット・バニエルはまったく異なる方法で、ほぼ同じ法則を導きだしました。彼女はそこに留まらず、この法則を実践的なわかりやすい言葉で説明し、親をはじめ、子どもに関わる人たちの取り組みに役立つようにしています。

 アナットがこの道に進んだきっかけは、すぐれた先見者だったイスラエルのモーシェ・フェルデンクライスに師事したことでした。彼女はフェルデンクライスの教えをベースに特別な支援を必要とする大勢の子どもたちと関わり、注意深く観察を行ない、どのように子どもとつながり、その子の力になることができるかを明確にしてきました。
「希望のない子ども」を助けるというアナットの評判を聞き、いろいろな子どもがやってきました。彼女はあらゆる症状の子どもと関わることになり、その経験から二つの重大な事実を発見しました。

 一つめの発見は、特別な支援が必要な子どもの能力を制限しているものは、子どもを発達させてくれるものと同じ、脳の可塑性の原理だということです。

 二つめの発見はさらに重要なもので、「希望のない子ども」のケースのほとんどは、じつはそうではない(希望がないわけではない)ということです。アナットは脳の可塑性の原理を「9つの大事なこと」として、みごとに説明します。

 この本は、私が「脳の可塑性革命」と呼んでいることの、実践的でわかりやすい解説書になっています。
 私たちの脳は変化しつづけます。新しいことを習得するたびに脳は回路をつなぎなおし、再構築されて、専門的な処理ができるようになるのです。この素晴らしい脳の力を生活にとりいれるには、どうすればよいのでしょうか。どうすれば、これを子どもの成長に役立てることができるのでしょうか。
 反応することにさえ苦労し、動くことや理解することに困難があり、自分の意思で自分の世界を動かすことができない子どもは、とりわけ脳の可塑性をおおいに利用することでどんどん成長し、能力を向上させていくことができます。
 アナットが本書で美しく描写するように子どもたちと本当につながることができれば、そして、そこに適切なガイダンスがあれば、ほぼすべての子どもが目に見えるかたちで継続的に、ときに驚くほどの成長をとげることができるでしょう。

 子どもが成長の軌道に乗るまでは、困難がともなうことでしょう。もっとよく働く、もっと力強い脳にしていくためには、いま、子どもがいるところから始めましょう。いまの脳の状態から始めましょう。
 それぞれの子どもに必要なアプローチがあります。みなさんの熱心な取り組みも欠かせません。
 本書が示す原理は、一人ひとりに応じた取り組みを実現するための新しい視点を与え、子どもの力強い歩みを手助けできるようにしてくれるものです。

 毎日の脳の神経回路の小さな変化が、一年たつころには大きな歩みとなり、子ども時代を通じてとても大きな発達をもたらすということを忘れないでください。
 本書には素晴らしい実例がたくさん登場します。そこでは、神経の新しい回路が生まれることで、子どもにまったく新しい一連の可能性が開ける様子が描かれています。アナット・バニエルは、脳の働きを支配する原理をどのように実践に生かし、子どもを成長の軌道に乗せることができるかを説明します。
 この成長の道に踏みだせば、小さな歩みの一歩一歩が、子どもにとっても、あなたにとっても、心躍るものとなることでしょう。

 本書のアドバイスをしっかりとりいれてみることを心からお勧めします。
 そうすれば、子どもの真の力になるためにはどうすればよいかが、はっきりとわかるはずです。

(カリフォルニア大学サンフランシスコ校名誉教授、米国科学アカデミー・米国医学アカデミー会員)

著者プロフィール

アナット・バニエル  (アナット バニエル)  (

米国在住。科学者の父と芸術家の母のもと、イスラエルで育つ。大学では統計学を専攻。人間の脳への関心から、身体運動の意識化を探究したM. フェルデンクライス博士(1904~1984)に師事。脳性まひをはじめとするスペシャル・ニーズの子どもたちとの30年以上にわたる取り組みを通じて、脳の可塑性を利用して本人の能力をひきだす手法(アナット・バニエル・メソッド)を編みだす。動き、感じ、考えるひとりの人間として子どもを総体的にとらえるそのアプローチは、自閉症スペクトラム、脳性まひ、ADHD、腕神経叢損傷、傾頸などさまざまな症状をもつ子どもたちへの取り組みを可能にさせた。臨床心理士であり舞踏家でもある。カリフォルニア州マリン郡のアナット・バニエル・メソッド・センターには、世界中からレッスンを希望する親子が集まる。www.anatbanielmethod.com

伊藤 夏子  (イトウ ナツコ)  (

1972年生まれ。国際基督教大学卒業。学習塾講師、報道番組制作を経てドキュメンタリー番組リサーチャー。15年にわたり英語文献の調査・翻訳に携わる。2016年8月~17年12月、重症心身障害者施設にて非常勤指導員。

瀬戸 典子  (セト ノリコ)  (

1960年生まれ。東京女子大学文理学部卒業。企業勤務を経て学習塾経営。翻訳家として音楽・科学・歴史・ビジネス分野での翻訳多数。英語や小論文指導に加え、特別支援のレッスン、能力開発に取り組んでいる。

上記内容は本書刊行時のものです。