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音楽科教員として生きる 山﨑 正彦(著) - スタイルノート
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音楽科教員として生きる (オンガクカキョウイントシテイキル) 学校で音楽を学ぶ理由に答える授業づくり (ガッコウデオンガクヲマナブリユウニコタエルジュギョウヅクリ)

教育
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A5判
168ページ
並製
定価 2,400 円+税   2,640 円(税込)
ISBN
978-4-7998-0230-4   COPY
ISBN 13
9784799802304   COPY
ISBN 10h
4-7998-0230-5   COPY
ISBN 10
4799802305   COPY
出版者記号
7998   COPY
Cコード
C1037  
1:教養 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年9月26日
書店発売日
登録日
2026年8月27日
最終更新日
2026年8月27日
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紹介

「なぜ音楽を勉強するの?」――児童生徒からのこの問いに、あなたは毅然と答えられるでしょうか。
本書は、これから教壇に立つ学生や初任者の音楽科教員に向けて、学校教育に音楽科が存在する本質的な意味を、日々の実践に即して説き明かした一冊です。
音楽は多くの生徒にとって身近な「趣味」です。だからこそ好き嫌いで授業への態度が決まってしまいがちですが、授業はあくまで「学習」。好みに合わない曲であっても、確かな変容……学力をもたらさなければなりません。著者はまず、授業づくりで混同されやすい「学習内容(目的)」と「学習活動(手段)」を区別することの重要性を説きます。発声練習もパート練習も、それ自体が目的ではないのです。
教科書の楽曲は、そのままでは教材ではありません。教師が「この曲で何を教えるか」を定めた瞬間に、はじめて教材となる。〈共通事項〉を視点に自らの耳で音や音楽の特質を見抜く教材研究の方法を、『夏の思い出』を例に、学習内容の創出から学習活動、評価の設定まで具体的にたどります。
さらに、テストで測れる「見えやすい学力」に偏らず、豊かな情操や感受といった「見えづらい学力」をどう育てるか。鑑賞指導が「言葉探し」に陥ることを防ぐ〈キャッチコピーの生成〉という提案。学級担任、校務分掌、給食や清掃、音楽室の管理、部活動…… 音楽科教員として生きることの全体像も丁寧に描かれます。
そして「あとがきにかえて」で語られるのは、ICT・AI時代における音楽科の使命です。「AIと同じ土俵に立つつもりはない」。労力と時間をかけ、苦悩とささやかな達成感を行き来しながら音楽と向き合う――その実感の積み重ねこそが、音楽と共に生きる明るく豊かな人生を支えます。
教師としての誇りと情熱を呼び覚ます、実践的な羅針盤となる一冊です。

目次

はじめに 音楽科はなぜ必要か
 学校の授業に、どうして音楽があるのか

Ⅰ 学校卒業後の長い人生を生き抜く「心」に関わる音楽科
 1 音楽を好きにさせるためだけに音楽の授業があるわけではない
 2 数学と漢字
 3 音楽を趣味としているからこその難しさ
 4 学習としての音楽だという理解の必要
 5「 何かを学ぶために歌う」「 この曲を聴いて何かを学ぶ」 とは
 6 評価観点の変更を経て
 7 評価観点が変わった今だからこそ 先人の警告
 8 音や音楽からの実感による経験の大切さ
 9音楽科における「 豊かな情操を培う」 について
 10「 豊かな情操」 の実現のために確かめておきましょう

Ⅱ 学習としての音楽とするために
 1 大切な学習内容
 2 想定 「授業づくりに取り組む  教育実習生と指導教官との対話」
 3 学習内容と学習活動
 4「 この授業の学習内容は何か?」 に対する 答えとしての、その数・内容・ストーリー
 5 学習内容・学習活動・学力→評価の相互の整合性

Ⅲ 学習内容の創出と教材研究
 1 学習内容がなくとも授業が行えてしまう音楽科
 2 教材研究に際して やはり学習内容は不可欠
 3 教材研究に際して 〈共通事項〉 への着目の利点
 4 教材研究に際して 学習内容は音や音楽そのものから決めていくもの
 5 教材研究に際して  最初から教材はない
 6 教材研究 特に日本伝統音楽には注意が必要
 7 教材研究 その過程をまとめてみると

Ⅳ 指導の構成の方法『夏の思い出』を例に
 1「 楽しい」「 皆でひとつのものを創り上げて感動した」だけでは済まされない音楽科教育
 2 学習内容の創出は、 その音楽をより魅力的にするには? がスタート
 3 学習内容のない授業は授業とは呼べない
 4「 『 夏の思い出』 なら知っている」 が落とし穴
 5 学習内容を導き出す 創出する
 6 学習内容と学習指導要領の指導事項との整合性
 7 学習活動を決める(1)(学習内容「響きのある声で2部合唱をする」 を充足させるために)
 8 学習活動を決める(2)(学習内容「記号の意味を生かした表現との 違いを理解する」 を充足させるために)
 9 学習活動を決める(3)(学習内容「記号が歌詞に込められた情景や心情を強調して表すためのものであることに気づき、それらを歌唱で表現するための工夫の仕方を考える」を充足させるために)
 10 学習活動を決める(4)(学習内容「歌詞に込められた情景や心情を表現するために必要な表現方法を考え、それを表現することができる技能を身につける」を充足するために)
 11 学習活動は必然性に裏付けられるもの
 12 学習活動は「なぜ?」 「どうして?」 によって引き出されるもの
 13 評価についての考えを定める
 14 音楽科ならではの評価における留意点
 15 学習指導案に記す場合

Ⅴ 音楽科は学校教育に欠かせない教科
 1 見えやすい学力にとどまっていてはいけない
 2 音楽科における見えやすい学力
 3 見えやすい学力 鑑賞指導では
 4 見えやすい学力 技能面
 5 見えづらい学力を見過ごすことはできない
 6 音楽科の授業において注意を要する現在の学校の取り組み
 7 見えづらい学力 「感受」 だけでは学力の確認はできない
 8 見えづらい学力 でもそれは確かに学力であり、それが音楽学力として重要
 9 鑑賞の学習の最終局面での〈 キャッチコピーの生成〉(提案です)
 10 中学卒業後の人生の質に関わる音楽科の学び
 11 豊かな情操を培う

Ⅵ 教師として生きること
 1 学級担任として 生徒との関わり
 2 学級担任として 保護者との関わり
 3 進路指導
 4 特別活動
 5 総合的な学習の時間
 6 特別の教科である道徳
 7 校務分掌
 8 給食
 9 清掃
 10 音楽室の管理  鍵 備品 消耗品 環境
 11 部活動

まとめにかえて
 小学校第一学年 頭声的発声への移行の流れ
 音楽科指導案 鑑賞事例

あとがきにかえて

版元から一言

「どうして音楽を勉強するの?」
音楽科の先生であれば、一度は生徒からこう問われた経験があるのではないでしょうか。そのとき、言葉を濁さずに答えられたでしょうか。著者は、この問いにこそ音楽科教育の根幹があると考えます。教師が毅然と答えられないままでは、生徒が音楽の授業に意味を見出せるはずがない。そして答えは言葉だけでなく、日々の授業そのものを通して実感させるものだ。本書は、その一点を貫いて書かれた一冊です。
著者の視線は徹底して「現場」にあります。音楽は多くの生徒にとって身近な趣味です。だからこそ好き嫌いで授業への態度が決まってしまう。しかし授業は学習であり、好みに合わない曲であっても「この曲を聴いて何かを学ぶ」という確かな変容がなければならない。この当たり前でありながら見過ごされがちな前提から、本書は説き起こします。
とりわけ多くの先生方に向けられているのが、「学習内容」と「学習活動」の区別を論じた第Ⅱ章です。発声練習もパート練習も、それ自体は目的ではなく手段にすぎません。音楽科は、明確な学習内容がなくとも、生徒が好きな曲を楽しそうに歌っていれば授業が成立したように見えてしまう教科です。だからこそ、この区別を曖昧にしたままでは授業は成り立たない。著者の指摘は、経験を積んだ先生にとっても足元を照らすものになるはずです。
第Ⅳ章では、誰もが知る『夏の思い出』を題材に、学習内容の創出から学習活動の設計、評価の考え方までを一続きのプロセスとして示します。「知っているつもり」こそが落とし穴だという戒めとともに、「なぜこの曲には記号がたくさん付いているのだろう?」という必然性のある発問がいかに生徒の表現を変えるかが、具体的に描かれています。指導案づくりに悩む方には、そのまま手引きとなる章です。
また第Ⅴ章の、鑑賞の最終局面に〈キャッチコピーの生成〉を置くという提案は、言語活動が「言葉探し」に終始して音楽そのものから遠ざかってしまう現状への、実践的な回答でもあります。第Ⅵ章では、単独配置となることの多い音楽科教員が、学級担任や校務分掌、合唱コンクールの運営、部活動とどう向き合うかまで、具体的に語られます。
そして本書を締めくくる「あとがきにかえて」。ICTやAIが急速に広がる今、人間が音楽を習得する過程には、労力と時間、苦労と苦悩、そしてささやかな達成感を行き来する「時間と実感」がある。やがてその音楽は、その人の人生の記録映像のBGMとなっていく。この一節に、音楽科教育に携わる意味のすべてが凝縮されているのかもしれません。
授業づくりに悩む方、教職を志す学生の方、そして音楽科の存在意義をあらためて確かめたいすべての方へ。実践の書であると同時に、教師としての誇りを呼び覚ます書となるでしょう。

著者プロフィール

山﨑 正彦  (ヤマザキ マサヒコ)  (著)

長野県生まれ。中学校、高等学校、小学校の教員を経てから武蔵野音楽大学大学院音楽研究科に入学し音楽教育学を専攻。修了後、武蔵野音楽大学音楽総合学科 音楽教育コースにおいて後進の指導にあたっている。現在、武蔵野音楽大学(音楽総合学科)教授、東邦音楽大学(教職実践専攻)非常勤講師。主な研究領域は教員養成と音楽鑑賞指導。これまでに小学1年生から大学生までのすべての学年での教育経験があり、現在、幼児教育現場における指導アドバイザーも行っている。音楽鑑賞指導に関しては、2006年より全国各地で指導方法などについての講演を行ってきている。著書に『金賞よりも大切なこと』『見つけよう・音楽の聴き方聴かせ方』『吹奏楽の神様 屋比久勲を見つめて』『音楽鑑賞指導入門』(共にスタイルノート)、共著に『音楽鑑賞の指導法“再発見”』(音楽鑑賞振興財団)、『 中学校 新学習指導要領 音楽の授業づくり』(明治図書)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。