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柴崎友香の世界
つながるものとつながらないもの
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2026年5月27日
- 書店発売日
- 2026年5月27日
- 登録日
- 2026年4月6日
- 最終更新日
- 2026年5月22日
紹介
柴崎友香の作品に魅了された文学社会学者が読み解く、物語の広がり、記憶や空間の交差、つながるものとつながらないもの。
『きょうのできごと』『寝ても覚めても』『わたしがいなかった街で』『千の扉』の4作品を取り上げ、人物や物語を精緻に読解する。また、作品に描かれた土地を実際に歩き、空間的な視点からテクストの情景を私たちの目の前に浮上させる。
私とあなた、昨日と今日、日常と戦場、現在と過去――。柴崎作品が偶発的なつながりから日常に潜む危うさや生きることの不安定さを描き、私たちに謎や問いをそっと提示する、その巧みな手つきや魅力を明らかにする。
柴崎が描く物語世界で様々なつながりは日常的な振る舞いのなかで生まれ、ときには偶発的に持続し、またときにはあっけなく消失する。そのつながりのもろさのはざまで懸命に生きる私たちの「生」のありようを浮き彫りにする文学評論。
目次
序 章 時空間をめぐる小説
第1章 親密と内密の隙間に差し込む光――『きょうのできごと』の時空間
1 二つのつながり
2 一日の出来事
3 親密と内密の間
4 それぞれの時間、「今日」というつながり
5 移動する人
6 差し込む光
第2章 顔と反復――『寝ても覚めても』における「磁場」の構成と遷移
1 異形の恋愛小説?
2 出来事の推移
3 写真、あるいは時間
4 反復(repetition)と再現(representation)
5 時間の叙述形式
6 物語の「磁場」とその変容、それを生き抜く力
第3章 知覚の瞬き――『寝ても覚めても』における光の点滅と世界の現れ
1 叙景の手触り
2 孤立した叙景
3 光の現れ
4 ガラス越しに世界に触れる
5 アーケードの上の猫、あるいは世界
6 知覚の瞬き
第4章 テレビ・戦争・住宅地――『わたしがいなかった街で』における「日常」の形
1 「普通」で「異様」な日常の小説
2 「わたしがいなかった街」の「戦争」
3 無縁の記憶
4 日常と戦争
5 物語の回復とは別の形で
6 わたしがいない街で
第5章 記憶の場所としての団地――『千の扉』とその輻輳的時空間
1 移り住んだ場所の過去に触れる
2 作品の概要
3 「団地」という場所――その時空間配置
4 千歳の物語
5 「私」がいなかった街で
6 「ノスタルジア」とは別の形で
第6章 歴史の地層、痕跡の露出、生活の履歴――『千の扉』とともに戸山ハイツを歩く
1 戸山ハイツとその周辺
2 歴史の地層、痕跡の露出
3 「教会」「トンネル」「山」――線型的時間とは別の形で
4 「団地」の生活の履歴
5 「植物」「煙草」「万国旗」、そして「喫茶店」――団地の生活時間とその空間的表出
6 日常生活空間のヘテロトピア化――『千の扉』と団地の時空間
7 想起されざる記憶に触れる
終 章 この離接的な世界で
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。
