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てんかんの人間学的探求
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2026年9月7日
- 書店発売日
- 2026年9月7日
- 登録日
- 2026年7月21日
- 最終更新日
- 2026年9月2日
紹介
目に見える発作や痙攣として身体に表出する医学的・生物学的現象という枠組みでは捉えきれない、より精神的・内面的なレベルでの「人間にとってのてんかん」という側面を、文学者や芸術家たちの伝記的事実を交えた豊富な実例をもとに浮き彫りにする。
目次
まえがき――「てんかんの人間学的探求」について 富田三樹生
第1章 てんかんの人間学的探求
1 その歴史の素描
2 現代とてんかん――てんかんとは何か
第2章 てんかん発作と自己組織性
1 てんかん発作の構造的展開
2 「情動てんかん」について
3 「反射てんかん」について
4 「興奮がより強い興奮を呼ぶ」――情動の正のフィードバック作用
5 「自己組織性」とその精神疾患の病因論的意味
第3章 てんかんと解離の内的連関について
1 ヒステロエピレプシーから「偽発作」へ
2 ヒステリー(解離)とてんかんの症状の類同性について――両者の外的連関から
第4章 てんかんの病蹟学(1)――上田秋成・南方熊楠・黒澤明のてんかんと創造性
1 上田秋成
2 南方熊楠
3 黒澤明
第5章 てんかんの病蹟学(2)――フローベール・ドストエフスキー・ゴッホのてんかんと創造性
1 ギュスターヴ・フローベール
2 フィンセント・ファン・ゴッホ
3 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
第6章 てんかん・解離結合群について
1 てんかんの具体像
2 解離について
3 解離の始原を追って――イム・「憑依わずらい」・ヒステリー
4 解離とてんかんの本質的同一性
5 三大精神病論の要点
終 章 「三大精神失調」の理念型形成――精神失調は人間的苦悩の極北的姿である
1 三大精神失調論の基礎づけ――三大幻想論とエディプス論
2 てんかん論の位置づけ――対幻想世界への固執
あとがき 屋宜盛秀
版元から一言
激しい発作や痙攣をともなう病理「てんかん」。太古から存在するこの病は、あるときは「神聖病」や「狐つき」などの超自然的な現象として崇拝され、あるときはその視覚的な恐ろしさから蔑視・差別されてもきた。古代には呪術や憑依として、初期・中期の医学の観点からは女性特有のヒステリーとして、そして近代医学では脳の電気的異常として――てんかんに対する認識は歴史上さまざまな形態をとってきた。
本書では、こうしたてんかんの診断史を丁寧に整理することから出発し、臨床的な知見もふまえながらより「人間学的」な検証をおこなっていく。そのときに着目するのが、上田秋成、南方熊楠、黒澤明、フローベール、ゴッホ、ドストエフスキーという、てんかんを患っていたとされる文学者・芸術家の伝記的事実の数々だ。
目に見える発作や痙攣として表出する医学的・生物学的現象という枠組みでは捉えきれない、より精神的・内面的なレベルでの「人間にとってのてんかん」という側面を、豊富な実例をもとに浮き彫りにする。てんかんを人類の文明史に位置づけ直し、その根源を人間学的に探求する稀有な試み。
上記内容は本書刊行時のものです。
