版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
新自由主義の時代の在日コリアン 鄭康烈(著) - 青弓社
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
ト・日     書店
子どもの文化     書店(直)
直接取引:あり
返品の考え方: 返品は常時フリーです。了解者名が必要な場合は「矢野」と記入してください

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

新自由主義の時代の在日コリアン (シンジユウシュギノジダイノザイニチコリアン) オールドカマー移民の分極化と交差性 (オールドカマーイミンノブンキョクカトコウサセイ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ18mm
重さ 368g
280ページ
並製
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-7872-3531-2   COPY
ISBN 13
9784787235312   COPY
ISBN 10h
4-7872-3531-1   COPY
ISBN 10
4787235311   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年12月28日
書店発売日
登録日
2023年11月2日
最終更新日
2024年4月27日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

現代の在日コリアンがエリート層やアンダークラスへと分極化している実態と、その格差が生じさせる葛藤をフィールドワークから明らかにする。交差性の視角から、移民としての背景をもつエスニック集団が直面する複雑化した社会的不平等の実相を照射する。

目次

まえがき

序 章 移民をとりまく社会的不平等をどのように捉えるか
 1 問題の所在
 2 本書のねらい
 3 本書の構成

第1章 在日コリアンをとりまく社会的不平等をめぐる二つの問い
 1 先行研究
 2 現代の在日コリアンをめぐる二つの問い
 3 分析の視角と枠組み
 4 研究方法と調査概要

第1部 「移民」としての現代の在日コリアンを捉える

第2章 在日コリアンという移民集団
 1 移住の背景と集団形成
 2 シティズンシップ
 3 エスニック・コミュニティ
 4 文化とアイデンティティ
 5 在日コリアンと交差性

第3章 日本の新自由主義の歴史的展開とその帰結
 1 新自由主義とはなにか
 2 日本での新自由主義の展開
 3 新自由主義の帰結

第2部 在日コリアンの分極化メカニズム

第4章 「新たなエリート層」としての在日コリアンにみる経済的同化――階級・ジェンダー的優位による「上昇同化」の達成
 1 在日コリアンの経済的同化
 2 ブリッジ人材化する在日コリアン
 3 経済的同化のメカニズム
 4 交差性による新たなカテゴリーの創出

第5章 在日コリアンのアンダークラス化――抑圧の交差による選択肢の「反復的・重層的剝奪」
 1 不安定就労層としての在日コリアン
 2 職業選択肢の画定と制約
 3 複数の被抑圧カテゴリーを背負う在日コリアン
 4 アンダークラス化のメカニズム

第3部 エスニックな社会的不平等是正の深部を探る

第6章 朝鮮学校コミュニティでの階級的分断軸の顕在化――移民の「能動的」適応と新自由主義によるエスニックな結合の侵蝕
 1 在日コリアンのエスニック・コミュニティと民族経済
 2 民族経済化の現代的実相
 3 経済的同化の流れと新たな適応戦略
 4 エスニック・コミュニティ内部の変化

第7章 次世代への就職キャリア支援の意図せざる帰結――「新たなエリート層」による新自由主義社会への適応技法の伝承
 1 在日コリアンと就職差別
 2 在日プロジェクトの実践
 3 届かないエンパワーメントの試み――イベント参加者の声から

終 章 移民をとりまく社会的不平等を問い直す
 1 本研究の課題
 2 本研究で得られた知見
 3 本研究の意義
 4 新自由主義の時代の在日コリアン
 5 社会的不平等の是正に向けて
 6 本研究の限界と残された課題

補 論 曖昧化する境界――一九七〇年代以降の日本企業への在日コリアンの「包摂」
 1 日本企業の門戸はどのように開かれたのか
 2 就職差別反対の諸運動とマイノリティ労働力の送り込み
 3 日本企業の国際化と在日コリアンの発見

付録1◉調査対象者の特徴
付録2◉インタビュー調査で用いた質問紙

あとがき

版元から一言

自己責任や競争を推し進める新自由主義の時代にあって、在日コリアンはどのように自身の人生を選択し、この社会に「適応」しようとしているのか。また、在日コリアン内部での格差は、どのように生起しているのだろうか。

在日コリアン社会へのフィールドワークを通じて得たライフコースに関する語りの分析から、現代の在日コリアンがエリート層、あるいはアンダークラスへと分極化していくプロセスを丹念に描き出す。それと同時に、拡大した格差が在日コリアンのコミュニティ内部に葛藤を生じさせる事態にも迫る。

新自由主義の原理で満たされた現代を生きる在日コリアンの経験を、人種やエスニシティ、ジェンダー、階級などの複数の要因の絡み合いを想定する「交差性」の視角から読み解き、移民としての背景をもつエスニック集団が直面する複雑化し細分化した社会的不平等の実相を浮き彫りにする。

著者プロフィール

鄭康烈  (チョンカンリョル)  (

一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員PD。専攻は国際社会学、移民研究。共著に『越境する平和学――アジアにおける共生と和解』(法律文化社)、共訳書に『図表でみる移民統合――OECD/EUインディケータ(2018年版)』(明石書店)、論文に「在日コリアンの就学遍歴とヘイトスピーチへの態度形成――朝鮮学校における差別対抗的なアイデンティティ」(「アジア太平洋研究」第47号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。