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動物学者の戦争 坂野 徹(著) - 青弓社
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動物学者の戦争 (ドウブツガクシャノセンソウ) 海辺の畸人・阿部襄とその時代 (ウミベノキジン アベノボルトソノジダイ)

歴史・地理
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発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
重さ 259g
216ページ
並製
定価 3,400 円+税   3,740 円(税込)
ISBN
978-4-7872-2110-0   COPY
ISBN 13
9784787221100   COPY
ISBN 10h
4-7872-2110-8   COPY
ISBN 10
4787221108   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2026年7月29日
書店発売日
登録日
2026年6月5日
最終更新日
2026年7月24日
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紹介

20世紀初頭に山形県に生まれ、仙台の東北帝国大学に学んだ動物学者・阿部襄。青森県浅虫の臨海実験所、日本統治下の南洋パラオ諸島、さらには帝国日本の傀儡国家・満州国の吉林へと活動の場を広げながら、海洋動物の研究に従事した。敗戦後は故郷に戻り、山形大学で教壇に立つかたわら、晩年まで平和運動に力を注いだ。

阿部は、貝類やナマズ、サンゴなどの研究を進める一方、満洲では軍の要請を受けて森林での動物調査にも関わった。また、動物文学に深く魅せられ、少年少女向けの科学読み物を数多く執筆するなど、研究者の枠にとどまらない多彩な知的活動を展開した。その独特の言動はしばしば畸人とも評されたが、同時に多くの人々から人格者として敬愛を集めた。

自然への飽くなき関心と文学への深い希求を胸に、帝国日本の膨張と崩壊という現実に、彼はいかに向き合ったのか。科学と文学、帝国と戦後、研究と社会運動――。そのはざまを生きた異色の動物学者・阿部襄。その知られざる生涯を通して、日本の知識人の可能性と葛藤を臨場感あふれる筆致で描き出す。

目次

プロローグ――ある忘れられた動物学者について

第1章 山寺から――原点
 阿部一族
 山寺と曾祖母と宝蔵寺
 詩と動物学

第2章 仙台から浅虫へ――海洋動物学者の誕生
 東北帝国大学生物学科
 畑井新喜司
 浅虫臨海実験所と動物心理学
 貝の村
 地震ナマズとウミニナ

第3章 パラオへ――人生最良の日々
 パラオ熱帯生物研究所の誕生
 パラオとコロールの町
 岩山湾と研究所建設
 動くサンゴ
 マングローブの貝
 「カナカ」とともに

第4章 吉林へ――満洲国の動物学者
 浅虫から満洲へ
 師道高校博物学教授
 高伯蒼事件
 勤労奉仕とレーダー
 動物学研究
 長白山総合学術調査団
 完達嶺野生動物調査
 動物文学者の誕生

第5章 吉林から山寺へ――満洲国の崩壊
 敗戦
 投獄
 吉林の動乱
 引き揚げ
 留用者たち

第6章 山寺から――生態学・文学・ユネスコ運動
 帰郷
 山形農林専門学校の創設
 動物文学から科学読み物作家へ
 教え子たち
 庄内のナチュラリスト
 人間は自然のなかの一つの生命である
 ユネスコ子ども学校と「五族協和」の夢
 晩年

エピローグ――早すぎた動物行動学者/遅れてきた人格主義者

参考文献
あとがき

著者プロフィール

坂野 徹  (サカノ トオル)  (

1961年、東京都生まれ。日本大学経済学部教授。専攻は科学史、フィールドワーク史。著書に『縄文人と弥生人――「日本人の起源」論争』(中央公論新社)、『〈島〉の科学者――パラオ熱帯生物研究所と帝国日本の南洋研究』(勁草書房)、『フィールドワークの戦後史――宮本常一と九学会連合』(吉川弘文館)、『帝国日本と人類学者――一八八四―一九五二年』、編著に『帝国を調べる――植民地フィールドワークの科学史』、共編著に『帝国日本の科学思想史』(いずれも勁草書房)、『帝国の視角/死角――〈昭和期〉日本の知とメディア』(青弓社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。