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青い瞳 岩松了(著) - ポット出版
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青い瞳

発行:ポット出版
四六判
縦195mm 横135mm 厚さ17mm
重さ 334g
216ページ
上製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7808-0222-1
Cコード
C0093
一般 単行本 日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年11月
書店発売日
登録日
2015年9月25日
最終更新日
2018年1月19日
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紹介

演出家・映画監督・俳優として活躍する岩松了が、
シアターコクーン・オンレパートリー2015のために書き下ろした最新戯曲。

戦場から帰ってきた兵士ツトムと彼を迎える父、妹、そして母。
戦場に行くまでの自分と、そして家族との遠い隔たりを抱えつつ、母の思いに応えようとするツトム。

ツトム──戦場で、塹壕に身を潜めている時、夜営のテントが息苦しくなって外に出て風を感じている時、ふと、あの時のおまえの青い瞳を思い出した……。悲しいでもない、嬉しいでもない……。どこかでその瞳に見られているような気がしていた……。

ミチル──戦争が終わった……。だから私たちには平和が訪れるはずよ。そうでしょう?

カオル──「母親が我が子をかわいいと言うかぎりこの世から戦争はなくなりませんよ。」あなたはそう言ったのよ。

「平和」の中に「戦争」はないのか。
岩松了が戦争の意味を静かに問う。

帰還兵ツトムを演じるのは、中村獅童。
妹役に前田敦子、妹の恋人役に上田竜也、ツトムの子供時代に信頼を寄せていた年上の男に勝村政信。
そして父役が岩松了、母役を伊藤蘭が演じる。

目次

◉目次
プロローグ
1 ブランコ
2 路地
3 アトリエ
4 道路
5 家庭・客間
6 その道
7 アトリエ
8 空き地
9 家庭
10 ブランコ
11 路地
12 家庭
13 空き地
14 父と母
15 ブランコ
16 何もない空間へ

上演記録
あとがき
プロフィール

前書きなど

この『青い瞳』を書いている時、知り合いの役者が出演している舞台を観に行った。終演後に楽屋を訪ねたら、いきなり「岩松さん! タバコやめたんですって!?」と言われた。「ああ、聞いてる?」「びっくりしましたよ」そう言いながら知り合いはタバコに火をつけた。私はタバコをやめるに至った経緯を話した。話しながら、観たばかりの芝居の感想をそっちのけであることに気づいた。そしてふと訪ねていきなりの「岩松さん! タバコやめたんですって!?」は、この知り合いの思い遣りではないかと思った。
終演後に楽屋を訪ねた人に「どうだった? 今日の芝居」と聞くことの、まあその、思い遣りの無さを、知り合いも常々感じているのだろう、そう思ったのだ。その裏には何があるのか。一番に聞きたいのがそれであって、観た者、観せた者、の関係で言えばそれが一番の問題になるはずであるのに、それをあえて避けることが《思い遣り》だなんて!
そしてふと、こんなことを思う。この楽屋を訪ねた時の知り合いの役者と私との会話、その時間を演劇にしたらどうなんだろう? 終わったばかりの芝居の話はほとんどせず、タバコの話から始まって、じゃあまた、とわかれてゆくまでの二人。
おそらくは、何だったの今の、という時間になるのではあるまいか。けれども確実に二人の間には潜行するドラマがあった。《思い遣り》である。それがすべてを操っていたのだ。その喜劇性。二人は、この時間をどんな風にもっていった方がいいのか、自ら選んでいるように見えながら実は操られていたのだ。ただ、ほどこしはあるだろう、この時間がある芝居の終演後であって、二人は出演していた役者と、観たばかりの観客であるとわからせるためのほどこしは。…………………〈後略〉………………………
「あとがき」より

著者プロフィール

岩松了  (イワマツ リョウ)  (

劇作家、演出家、俳優。1952年長崎県生まれ。
自由劇場、東京乾電池を経て「竹中直人の会」、「タ・マニネ公演」等、様々なプロデュース公演で活動する。
1989年『蒲団と達磨』で岸田國士戯曲賞、1994年『こわれゆく男』、『鳩を飼う姉妹』で紀伊國屋演劇賞個人賞、1998年『テレビ・デイズ』で読売文学賞、映画『東京日和』で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。主な著書に『溜息に似た言葉』、『シダの群れ』、『食卓で会いましょう』、『シブヤから遠く離れて』、『ジュリエット通り』(ポット出版)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。