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〈声なき声〉のジャーナリズム
マイノリティの意見をいかに掬い上げるか
- 初版年月日
- 2024年5月10日
- 書店発売日
- 2024年5月8日
- 登録日
- 2024年4月12日
- 最終更新日
- 2025年12月20日
書評掲載情報
| 2024-12-28 |
朝日新聞
朝刊 評者: 藤田結子(東京大学准教授・社会学) |
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紹介
SNS時代のジャーナリズム論
誰もが情報を発信し、フェイクニュースが氾濫するこの時代に、
ジャーナリストは「真正性」をいかに担保し、
マイノリティの声を掬い上げ、活性化させるべきなのか。
本書は、現代のデジタル化するメディア環境において、言説がより個別に、より自然に、より親密になり、「真正性」(本物らしさ)を追い求めるなかで、ジャーナリズムをどのように再定義すべきかを論ずるものである。
『真相深入り!虎ノ門ニュース』や『ハートネットTV』、『クィア・アイ』といったTV番組の言説構造の分析から、情報の送り手と受け手の関係性を編み直し、ジャーナリズムが〈声なき声〉をいかに掬い上げ、活性化すべきかの方途を探る。
そして、ジャーナリズムの担い手が送り手と受け手の垣根を超え、等身大の自分自身として語り、自分たちの居場所としてのメディアについて考える。
そうした社会のかたちのイメージを描き出し、もっと幅広い文化的実践をジャーナリズムとして再評価していく。
目次
序論 「声なき声」をどのように活性化すべきか
1 本書の論点――不可視化された「声なき声」をどのように活性化するのか
2 本書のアプローチ――生存戦略としての「真正性」
3 本書の構成
第1章 「声なき声」の活性化、「真正性」の政治
1 ジャーナリズムの役割を問い直す
2 民主主義の課題としての「声なき声」
3 「真正性」という価値の浸潤
4 「真正性」を媒介とする「声なき声」の連帯へ
第2章 「声なき声」と娯楽化する政治――『虎ノ門ニュース』における「読解の肩代わり」
1 反動的な実践に潜む「声なき声」を考える
2 「ネット右翼」が社会において占める位置
3 『虎ノ門ニュース』の批判的言説分析
4 日常生活から切断される「政治」
第3章 公共サービスメディアの葛藤――『ハートネットTV』におけるメッセージ性と「真正性」の調停
1 「声なき声」の活性化の拠点としての公共サービスメディア
2 福祉番組と公共性
3 相反するメッセージ性と「真正性」
4 公共サービスメディアの葛藤――普遍と個別、規範と「真正性」の架橋に向けて
第4章 ポピュラー・ジャーナリズムとしてのリアリティTV?――『クィア・アイ』における「裏側の物語」と連帯の政治
1 テレビ的なものと真正性
2 『クィア・アイ』にみる連帯の兆し
3 「裏側の物語」を通じた対話と「声なき声」の活性化
4 テレビ的なものの透明性、ジャーナリストの有名性
第5章 ジャーナリズムの境界線を引き直す――対話の場を紡ぐための役割
1 ジャーナリストの専門職的役割の変化?
2 「送り手-受け手」の相互主体を再検討する
3 「真正性」の政治における自己演技――ジャーナリストの直面するジレンマ
4 対話の場の共創としてのジャーナリズム
第6章 「真正性」の政治を内側から攪乱する――オルタナティヴなメディア環境はどのように可能か
1 メディアに潜む権力を読み解く
2 メディアにおける新自由主義的な権力構造
3 対話のための居場所をどのように蘇らせるか
4 メディア=場所を政治的問題にしていくこと
補論 対話のためのメディア・デザインに向けた試論――メディア・ワークショップの設計と批判的考察から
1 対話のためのメディア環境をDIYする――批判と創造の往還に向けて
2 メディアを用いたワークショップの意義
3 設計の背景――どのように呼びかけ、どのような場を作るのか
4 メディア・ワークショップの実施と省察――デジタル・ネイティヴの対話感覚の考察
5 「声なき声」の活性化の実践のネットワーク化に向けて
結論 今後のメディア・ジャーナリズム研究に向けて
上記内容は本書刊行時のものです。
