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焼き肉を食べる前に。 中川 洋典(聞き手・絵) - 解放出版社
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焼き肉を食べる前に。 (ヤキニクヲタベルマエニ) 絵本作家がお肉の職人たちを訪ねた (エホンサッカガオニクノショクニンタチヲタズネタ)

児童図書
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発行:解放出版社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ10mm
重さ 235g
127ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-7592-5036-7   COPY
ISBN 13
9784759250367   COPY
ISBN 10h
4-7592-5036-0   COPY
ISBN 10
4759250360   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C8095  
8:児童 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年12月
書店発売日
登録日
2016年2月2日
最終更新日
2019年1月29日
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書評掲載情報

2016-05-08 東京新聞/中日新聞
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重版情報

4刷 出来予定日: 2023-12-20
3刷 出来予定日: 2019-01-30
2刷 出来予定日: 2016-06-15
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紹介

屠場で働く人の気持ちを知っていますか? 生きた動物の肉体が職人たちの手で食べ物になっていく。「普通の仕事」、職人たちは言った。お肉の職人たちを訪ね、丁寧にインタビューしていった絵本作家。その感性で捉え綴り描かれた世界は、職人たちの仕事への思い喜び悩みを丹念に伝える。

目次

もくじ
プロローグ

第1章  普通の仕事。
    生きていくためにやっている、どこにでもある仕事。〈貝塚 北出新司さん〉

第2章  一番ひどかったのは、力の入れ方をまちがって、
    ナイフで自分のはらを刺してしまったときです。〈南港市場 Kさん〉

第3章  毎日、なにか改良を加えていきたいんですよ。
    かたい頑固な頭じゃなくて、新しいものを取り入れるやわらかい頭でね。〈南港市場 村上悟朗さん〉

第4章  今でもこの職業は、世間に堂々と発表できる、
    そういう種類の仕事ではないという気持ちが、私にはあります。〈南港市場 河合一夫さん〉

第5章  自分たちの仕事は、牛や豚を捌いて食肉や皮にして、
    世の中の人に手渡すことなんです。〈南港市場 Tさん〉

第6章  お肉は食べるけれど、それがどうやってでき上がってくるかを
    知らない人がほとんどなんですよ。〈芝浦と場 Mさん〉

第7章  私らの仕事は、特別にほめられることでもなく、けなされることでもない。
    普通の仕事なんだから。〈芝浦と場 栃木裕さん〉

第8章  殺すということだけにこだわってしまうから、
    そこで仕事をするすべての人が傷ついてしまうんだよ。〈横浜市場 鈴木正敏さん〉

第9章  店のお客さんにお肉がおいしかったと言ってもらったら、
    その牛の顔が浮かびますもん。〈貝塚 北出昭さん〉

エピローグ

前書きなど

2003年に絵本の仕事で、食肉市場へ取材に行った。
 食肉市場というのは、生産者(食肉用の動物を飼い育てている人)から持ち込まれた牛や豚を、屠畜して枝肉・皮・内蔵などに分けて、衛生検査を受け、せりで取引され出荷されるまでの役割をになっている。

中略

 私の目の前で、大量の血を流して横たわっていたのが牛なら、私の胃袋の中に収まったのも牛である。
 あの巨大な生き物の牛と、ステーキの牛肉とが、とても同じとは思えなかった。なぜだろう。
 その答えを求めて作ったのが、『きみの家にも牛がいる』(文:小森香折 解放出版社刊)という絵本だった。その中でこう書かれている。「肉ははじめから『ある』ものじゃない。いろいろな人の手をかりて『つくられる』ものなんだ」と。
 生きた牛が、なんの手も加えられずに牛肉になって、スーパーで売られて、私たちの食卓にならんでいるわけではない。
 私たちが普段の生活で当たり前に食べているお肉は、もともとは生きた動物の肉体であって、精肉業という職についた人の手によって、食べ物になっている。
 そのことが食肉市場ほどよくわかる場所はないと思う。

 この本は、食肉業についている人たちのインタビュー集である。彼らに仕事についての思いを語ってもらった。この職についている人が、公に仕事の内容を語ることは、残念ながら多くはないし、メディアもそうは取りあげない。世間もなかなか理解しようとしない。それどころか、誤解したイメージを、いつまでも捨てようとしないのが本当のところだ。
 彼らの仕事がなければ、私たちは牛肉も豚肉も食べることができない。私たちは毎日、いろんな場所でお世話になっているのに。
 インタビューの中で何人もの職人さんが、屠畜という職業に対する思いや喜び、悩みを包み隠さずに話してくれた。
 その内なる気持ちが、今晩、お肉を食べる前に、少しでも伝わってほしいと思う。

版元から一言

仕事をする人の気持ちを伝えたい一冊として、読者対象を小学校高学年からと想定してつくりましたが、
ヤングアダルトや一般にも読んでいただけるものになったと思います。
フルカラーの絵をふんだんに使い、目にも楽しくわかりやすい内容です。
子どもの本として言えば、絵本『いただきまーす』で食を切り口に入り口に立ち、
絵本『きみの家にも牛がいる』で仕事としての屠畜を知り、
『焼肉を食べる前に。』で働く人の思いを知ってほしい、食肉3部作の締めくくりです。
知らない世界を知る喜び、シンプルに読書の喜びが得られる一冊でもあると思います。

著者プロフィール

中川 洋典  (ナカガワ ヒロノリ)  (聞き手・絵

1961年京都府舞鶴市生まれ。大阪府在住。
子どものころから絵を描くのが大好きな“えかきむし”で(一度はサラリーマンになったものの)
そのまま大きくなって絵本作家に。好物は魚・肉・野菜・米、もちろんお肉!お酒は苦手。
フルマラソンランナーとして、レースの最後尾で活躍中。絵本も読んでね。

主な作品
絵本
『だから走るんだ』(あかね書房)、『おこのみやき』『きみの家にも牛がいる』『太鼓』『かわと小物』『くつ』(解放出版社)、
『ピオポのバスりょこう』(岩崎書店)、『えかきむしのきもち』『きいてるかいオルタ』(童心社)、
『そらからかいじゅうがふってきた』『デデとひこうき』(文研出版)

挿絵
『おいべっさん』(解放出版社)、『すすめ! ドクきのこ団』(文研出版)など

追記

2016.5.6 中日新聞・東京新聞 「読む人 記者の1冊」掲載
『肉牛ジャーナル』2016年6月号 新刊紹介
『臨床獣医』2016年6月号 BOOKコーナーで紹介
「図書新聞」3265号(2016年7月30日) こどもの本棚で紹介

上記内容は本書刊行時のものです。