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いのちの選別はどうして起こるのか
ER緊急救命室から見たアメリカ
原書: The Emergency: A year of healing and heartbreak in a Chicago
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2024年1月25日
- 登録日
- 2023年11月8日
- 最終更新日
- 2024年3月25日
書評掲載情報
2024-04-20 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
《 シカゴ大学の緊急救命医が告発する[人種差別×医療格差 ]の実態 》
「差別と貧困」が医療ケアに爪を立てる日常に挑み続けた、あるシカゴER医師の葛藤と前進、そして憤懣と挑戦に満ちた熱きドキュメント。
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〈 格差が分断する、医療という名の戦場 〉
通院するカネがなくて病状を悪化させた者、銃撃事件に巻き込まれた者、麻薬中毒者……。
救命救急室に担ぎ込まれるのは、社会構造と医療保険制度から取りこぼされた貧困層の黒人ばかり。
──アメリカ型資本主義の価値観は医療システムの中に勝者と敗者を生み続け、“敗者のいのち” は常に軽んじられてしまう。
社会で正義がおこなわれないかぎり、医療もまた、正当に人を救えるものにはなりえない。
これは、私たち日本人にとっても対岸の火事ではない。
目次
■序文……タナハシ・コーツ
■1………2020年2月
■2………2020年3月
■3………ジャネットへの手紙
■4………2019年11月(パンデミックの前)
■5………ニコールへの手紙
■6………2020年5月
■7………ロバートへの手紙
■8………2020年7月4日
■9………ダニアへの手紙
■10………2020年8月
■11………リチャードへの手紙
■12………2020年9月
■13………フェイヴァースさんへの手紙
■14………2020年11月
■15………母への手紙
■謝辞
■訳者あとがき
前書きなど
〈序文寄稿〉タナハシ・コーツ(2016年タイム誌『世界で最も影響力のある100人』選出)
「本書は、パンデミックさなかのERの1年を描いているのみならず、複雑な医療システム全体、そしてそれを捻じ曲げる分配の不平等について果敢に検証する。思い出してほしいのは、新型コロナウイルスの流行が始まったばかりの頃、ウイルスには〝肌の色は無関係〞と言われていたことだ。たぶん、本物の危機にあっては、人間誰もが共有する弱さを克服するため、誰もが立場を超えて力を合わせることになる、そう信じたかったのだろう。
しかし、それから3年が経過した今、黒人とラテン系の人々はこのパンデミックのあいだに平均寿命が3年も短くなった。これは白人の3倍に当たる。あの時点で予想してしかるべきだったのだ。そして今こそ、利口になるべきだ」
上記内容は本書刊行時のものです。