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カンボジアの仏教とクメール文化の復興
戦乱を越え、心を取り戻した人々の記録
原書: The Revival of Cambodian Buddhism and Khmer Culture (Khmer edition: Shanti and I)
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年10月31日
- 書店発売日
- 2026年11月5日
- 登録日
- 2026年10月15日
- 最終更新日
- 2026年10月19日
紹介
ポル・ポト政権下の虐殺と文化破壊を生き延びた著者が、シャンティ国際ボランティア会(SVA)や日本の仏教界とともに、仏教研究所の再建や南伝大蔵経の復刻などに尽くした歩みを綴る。失われた文化や歴史を取り戻し、人びとの心と平和の再生へとつなげた記録。
目次
出版にあたって
序章 再出発
故郷への帰還
孤児たちのために働く
プノンペンに向かう
プノンペンに到着
教育大臣を訪問
旧家を訪ねる
帰路につく
クメール正月を迎える
弟との再会
再出発に向けて
第1章 新たなる使命
自ら歩き出す
チャンス到来
日本人ボランティアとの出会い
シャンティ国際ボランティア会(SVA)の成り立ち
SVAの文化復興協力
SVAのカンボジアでの活動
仏教研究所への協力
南伝大蔵経の復刻も?
大きな可能性の芽生え
第2章 南伝大蔵経(トリピタカ)の復刻
大蔵経の復刻に向けて
カンボジアにおける南伝大蔵経の意義
ポル・ポト(クメール・ルージュ)政権下での仏教破壊と復興
始動開始
困難な原本経典の収集とオーストラリアからの吉報
復刻救援委員会が再訪
南伝大蔵経110巻の復刻へ
日本出港、プノンペン入港
シハヌーク国王を迎えて奉納式
奉納式の開幕
今川大使と無着師がご登壇
シハヌーク国王からのお言葉
式典後の寄贈計画
第3章 仏教研究所の再建と新館建設
起動し始めた仏教研究所
仏教研究所の再建に向けて
日本の宗教者が関心
ポル・ポト時代以前の仏教研究所
私たちの決意
建設計画に向けて準備
シハヌーク国王に書簡を提出
建設用地の選定
首相からの書簡で建設用地が確定
建設許可の手続きと設計
契約締結と起工式
建築のデザイン
日本へ公式訪問
初めての日本
筑波大学を訪問
東京へ移動
国会図書館などを見学
庭野日敬会長と面会
支援者の方々との面談
日本からタイ・バンコクへ
旅を振り返って
職務を再開、忙殺の日々
困難な建設許可書の取得
建設許可の決定と着工
政情不安と工事の停滞
新庁舎の引き渡しと落慶式
ウナロム寺院からの移転
手束さんの帰国
再び日本へ
第二期工事の着工へ
第二期工事が無事終了
要人を迎えて落慶式
第4章 新たなミレニアム(千年紀)を迎えて
新世紀の始まり
世界大戦の惨禍への覚醒
仏教教育支援の最初の事業
イントラ・ニエン寺院図書館落成式
フン・セン首相が出席
全国でセミナーを開催
古いカンボジアと新しいカンボジア
伝統仏教を破壊したポル・ポト派
旧ポル・ポト支配地域での配付
困難を極めた訪問調整
無着師ご一行バッタンバン到着
パイリンへの旅路
旧ポル・ポト派の拠点パイリン市に到着
パイリンでの奉納式
パイリンを出発
バッタンバンから次の目的地へ
サエセン橋の由来
バンテアイ・ミエンチェイでの奉納式
従弟に助けられる
旧ポル・ポト派最後の拠点アンロンヴェンへ
一難去ってまた一難
今回最後の式典を前に
アンロンヴェン寺院への奉納
式典が終わって
プノンペン経由で祇園精舎の寺へ
とき大姉の思い
大蔵経寄贈の旅の報告
誕生日を祝ってもらう
『仏陀の生涯』出版事業と協力の誓い
第5章 アンコール・ワットに鳴り響く平和の太鼓
仏教と平和
アンコール・ワットで“アジア子ども文化祭”?
アンコール・ワットでの開催が決定
参加メンバーがカンボジア入り
いよいよプログラムがスタート
文化祭の本番に挑む
一同、余韻に浸る
終章 樹木が木陰をつくる時
寺院に木を植える
南部州の寺院で木を植える
八木澤所長のあとも植林は続く
木を植えて、「共に生き、共に学ぶ」
解説 カンボジアの仏教復興[手束耕治]
監修者・訳者あとがき[秦辰也]
年表
著者/監修者・訳者/解説者紹介
前書きなど
出版にあたって
本書は、2011年に発行されたクメール語版『シャンティと私』を筆者が英訳し、それを和訳・監修していただき出版されたものです。
オリジナルのクメール語版は、カンボジアの首都プノンペンで活動する公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)カンボジア事務所の開設20周年を記念して、無償配布されたものでした。しかし、海外に在住するSVA関係者の多くはクメール語を読むことができず、日本の方々から和訳を求める声が寄せられました。さらに、この本の内容は、日本の一つのNGOによる国際協力の域を超え、カンボジアに関心のある方々に、クメールの歴史や文化の復興のことを広く知っていただきたいとの思いが数多く寄せられることにもつながりました。
こうした声に応えるかたちで、私と長年カンボジアで同僚として活動した手束耕治さんと秦辰也さんがSVAと協力し、日本において一般書として出版されるに至りました。(…)
2011年初頭、私は自らの歩みを記録すべく、本書を書き始めました。それは、私がクメール人の大量虐殺という生死の境を越えた1979年から、55歳で政府から退職を命じられた1998年までの道のり、そして、カンボジア宗教省・仏教研究所と当時のSVAとの協力事業の調整役としての経験など、仏教とともに歩んだ数々の出来事を、記憶の限り辿ったものです。
以来、私は同年末まで、カンボジア社会における仏教の役割強化を目的とするプロジェクトにおいて、文化・伝統顧問としての任を授かり、この聖なる活動に微力ながら尽力してきました。本書が、仏法の光明とともに、多くの方々の心に安らぎと希望をもたらす一助になれば、これに勝る喜びはありません。
本書に記した出来事の多くは、私の日々の記録や、私の家の蔵書にある資料や書籍から抜粋したものであり、一部は私の記憶の中に今なお残っているものです。しかし、長い歳月が過ぎ去ったため、記録が残っているとはいえ、その出来事を詳細かつ完全に思い出すことは叶いませんでした。さらに、執筆に割ける時間も限られており、私自身の健康状態の不調も重なって、満足のいく仕上がりにならなかったかもしれません。私の記述は物語というより報告のような形式になっており、読者の皆さまにとっては十分な内容とは言い切れないところもあるでしょう。(…)
(…中略…)
最後に、本書を、カンボジアと日本という二国間における、あらゆる分野における友情と協力の絆をより強めるために、謹んで捧げます。
願わくは、カンボジアに、そしてこの世界全体に、平和が永遠に満ち満ちていきますように――仏・法・僧の三宝の加護とともに祈念申し上げます。
上記内容は本書刊行時のものです。
