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東アジアの社会的不利地域での居住貧困 全 泓奎(編著) - 明石書店
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東アジアの社会的不利地域での居住貧困 (ヒガシアジアノシャカイテキフリチイキデノキョジュウヒンコン) 日本・韓国・台湾におけるアクションリサーチ (ニホンカンコクタイワンニオケルアクションリサーチ)

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発行:明石書店
A5判
192ページ
上製
価格 4,000 円+税   4,400 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6155-0   COPY
ISBN 13
9784750361550   COPY
ISBN 10h
4-7503-6155-0   COPY
ISBN 10
4750361550   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年8月31日
書店発売日
登録日
2026年7月28日
最終更新日
2026年8月4日
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紹介

東アジアの各国・地域で、新たな貧困問題が拡大し、社会的排除への関心が高まっている。本書は日本・韓国・台湾の都市内の支援団体や当事者へのインタビュー調査等をもとに、社会的不利地域を対象とした居住支援のモデルを構築するための知見をまとめる。

目次

序章 東アジアにおける寄せ場型地域比較研究の意義と今後の課題
 1.はじめに
 2.研究の目的
 3.研究実施内容の概要

第1章 韓国における住宅困窮層に対する居住支援――ソウル市の支援住宅プログラム
 1.はじめに
 2.韓国における居住福祉施策
 3.ソウル市における支援住宅の概要
 4.タシソギ総合支援センターが運営する支援住宅
 5.支援住宅プログラムの課題と展望

第2章 ソウル市のチョッパン密集地域における居住者の生活実態――質問紙調査とライフヒストリー調査を通して
 1.はじめに
 2.チョッパン密集地域の概要
 3.行政と民間の支援
 4.質問紙調査による住民の実態とニーズ
 5.ライフヒストリー調査の概要
 6.おわりに

第3章 台湾における社会保障制度と民間団体が連携した社会福祉システム――元ホームレスへのインタビュー調査から
 1.はじめに
 2.協力を得た支援団体の概要
 3.調査対象者のライフヒストリーと支援
 4.まとめ

第4章 台北市における寄せ場型地域居住者の居住と生活
 1.はじめに
 2.調査対象者のライフヒストリーのまとめ
 3.おわりに――調査対象者のライフヒストリーから見た知見

第5章 台湾における社会的弱者支援の現状と課題――支援団体の聞き取り調査から
 1.セーフティネットから排除されやすい社会的弱者
 2.台湾の社会的弱者および支援体制の概況
 3.社会的弱者の変化――増加する若年路上生活者、保障されない移民
 4.支援団体の実践と制度的課題
 5.むすびにかえて――支援の連続性と官民協働の重要性

第6章 釜ヶ崎に暮らす人々の表現の場づくりとその特徴――ココルームの活動展開を事例に
 1.はじめに
 2.釜ヶ崎でのまちづくりにおけるアートへの期待
 3.釜ヶ崎でのココルームの活動展開
 4.居住支援とは異なるアプローチの特徴
 5.おわりに

第7章 山谷地域居住者のライフヒストリー調査と居住支援の在り方に関する考察
 1.はじめに
 2.一般社団法人結YUIの活動について
 3.ライフヒストリー調査
 4.考察
 5.おわりに――調査の限界と今後の研究の可能性

終章 研究の成果と今後の課題
 1.研究の成果
 2.本研究による知見及び今後の課題

 おわりに
 索引
 執筆者紹介

前書きなど

序章 東アジアにおける寄せ場型地域比較研究の意義と今後の課題[全泓奎]

 (…前略…)

2.研究の目的
 2000年代以降、東アジアの国や地域においては、新たな貧困問題の拡大に対し、「社会的排除」という概念への関心が高まっている。しかしそのほとんどは、個人や世帯への不利や剥奪等に偏っている傾向があるように思われる。一方、このような新たな貧困概念が、個人や世帯を介して地域へと影響する場合や、貧困地域にかかわる地域による負の影響も注目されるようになっている。これらの一連の関連性について、都市や地域における不利益の集中に焦点を当てたものが多い。とりわけ、社会的排除のダイナミックな特性において地域の役割が最も大きな関心を集め、なかでも都市における社会的排除にかんしては、特定の地域への剥奪の集中が問題として指摘されている。

 (…中略…)

 本研究では、東アジアの国や地域、とりわけ日本、韓国、台湾を比較対象として、各々の都市内の社会的不利地域を対象とした居住支援のモデルを構築するための調査研究を進めることにした。ここで言う「社会的不利地域(Socially Disadvantaged Areas)」とは、可視的に判断できる途上国などのようなスラムやスクォッター地域等もこれに該当するが、私たちの生活世界から考えると、不可視的な貧困、つまり物理的環境が劣悪な地域に加え社会的不利を被りがちな生活環境にある地域を示すことが多い。特定の地域が貧困や排除に陥りやすい負の地域効果による影響と、それに立ち向かうための地域再生のまちづくりの課題を比較検討し、社会的不利地域に対する「居住支援モデル」を提示することが本研究の目的である。
 具体的な調査対象地域は、東京の山谷地域、大阪のあいりん地域(通称釜ヶ崎)等のような寄せ場地域、そして国外の調査対象地域としては、これに類似した地域機能を持つ、韓国・ソウル市内のチョッパン地域、台湾・台北市内の萬華区内に立地する龍山寺界隈等、廉価宿所密集地域(これらを本研究では「寄せ場型地域」と言う)である。本研究ではこれらの地域に対する実地調査によって居住者の生活ニーズを同定し、行政施策や民間支援団体による支援実践の効果を総合的に分析することから、居住者の居住安定と生活向上、地域の安全・安心に資する「居住支援モデル」を提示することを本研究の主たる目的としている。

 (…後略…)

著者プロフィール

全 泓奎  (ジョン ホンギュ)  (編著

所属:大阪公立大学都市科学・防災研究センター・大学院現代システム科学研究科教授
専門分野:比較福祉政策論、社会的包摂論、アクションリサーチ論
主要著作:『東アジアのケアレジームの再編に向けて:ケアの担い手をめぐる国際研究』(明石書店、2026、編著)、『映画で読み解く東アジア:社会に広がる分断と格差』(明石書店、2023、編著)、『貧困と排除に立ち向かうアクションリサーチ:韓国・日本・台湾・香港の経験を研究につなぐ』(明石書店、2022)、『東アジア都市の社会開発:貧困・分断・排除に立ち向かう包摂型政策と実践』(明石書店、2022、共編著)、『分断都市から包摂都市へ:東アジアの福祉システム』(東信堂、2020、編著)、『包摂型社会:社会的排除アプローチとその実践』(法律文化社、2015)など。

上記内容は本書刊行時のものです。