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在日を生きる
信念と行動の軌跡
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年6月15日
- 書店発売日
- 2026年6月9日
- 登録日
- 2026年5月21日
- 最終更新日
- 2026年6月5日
紹介
本書は、在日韓国人としての個人史と、在日同胞社会における実践の歴史とを重ね合わせて記録した自伝的エッセイである。幼少期の家族の記憶から、大阪興銀・関西興銀における金融現場での経験、新韓銀行設立への関与、さらに在日韓国商工会議所の法人化に至るまで、在日社会を支えてきた経済と組織の現場を、当事者の視点から具体的に描き出す。
二つの文化のはざまに立つ経験を、いかに社会との関係へと結びつけてきたのか。その実践の軌跡を通して、「在日を生きる」という営みを、固定された属性ではなく、不断の選択と行動の積み重ねとして捉え直す視点を提示した一冊。
目次
はじめに
プロローグ
逆境を力に変えて――人生の中で見つけた自分の使命
関西興銀破綻――“現場の歴史”を守るという責務
現場に立ち続けるという選択 起業と社会活動――挑戦する日々
在日韓国商工会議所法人化――民団との軋轢を越えてグローバル化へ
韓日交流の原点――四天王寺ワッソと在日同胞文化の国際化
人生の師・李煕健会長
次世代の在日同胞へ
第1章 私の信念の原点――知行合一と良知
知行合一、良知とは
最初の知行合一
行動の中で鍛えられた信念
良知を裏切らない生き方を
第2章 私の歩み――ルーツとともに
ルーツは韓国全羅南道康津郡
故郷 康津の歴史
在日韓国人二世としての原点
柔道に熱中した学生時代――働き、学び、鍛えた青春
信用組合大阪興銀入社――社会人としての出発
第3章 民族金融機関・大阪興銀から関西興銀へ――同胞社会を支える金融の現場… …
信用組合大阪興銀の創立
大阪興銀の発展
新韓銀行設立経緯
新韓銀行設立を支えた大阪興銀の役割
関西興銀の誕生と終焉
関西興銀破綻の検証
第4章 起業と社会活動――挑戦する日々
遅咲きの起業と社会への恩返し
企業理念と目標――会社とは何のために存在するのか
起業家精神――「やればできる」は、覚悟の言葉
好きなこと・得意なことが成功の道――人生後半に見つけた確信
やり抜く力・グリット(Grit)――私を支えた見えない力
メセナ精神――事業の果てに残すもの
第5章 在日韓国商工会議所の会長就任――法人化に伴う民団との軋轢を越えてグローバル化へ
在日韓商半世紀の歩みと会長就任、そして法人化への決断
民団との軋轢を越えて
民団が占拠した当会議所事務所明け渡し訴訟の陳述書
会長所信――グローバル化を目指して
第6章 全羅南道道民会会長に就任――同胞社会と故郷をつなぐ
全羅南道道民会の設立経緯
全羅南道道民会第五代会長に就任
全羅道道民会二〇二〇年新年会挨拶
創立五十周年記念公演開催
第7章 韓日文化の原点――四天王寺ワッソと在日同胞文化の国際化
四天王寺ワッソとの出会い――民族の息づかいを感じた瞬間
四天王寺ワッソの創設と経緯
四天王寺ワッソ創立の趣旨
四天王寺ワッソの時代背景と歴史観
百済から漢字を日本にもたらした王仁博士と渡来系氏族の活躍
四天王寺ワッソの市民化と韓流文化
四天王寺ワッソ創立三十五周年開催
四天王寺ワッソ体験記――若者たちの視点
四天王寺ワッソに登場する渡来の偉人たち
第8章 社団法人在外韓人学会との関わり
学術との出会い――在外韓人学会との縁
在日同胞の実践を学問として位置づける
第9章 わが人生の師――李煕健会長を想う
出会い――人生を方向づけた一期一会
人として、そして導き手としての李熙健会長
原点としての大阪興銀――在日経済の礎
会長室という学びの舎
逝去――志は今も生きている
第10章 次世代の在日同胞へ
あとがき
参考文献
前書きなど
はじめに
在日を生きる――信念と行動の軌跡
この本は、私が歩んできた人生の記録であると同時に、「在日を生きるとはどういうことなのか」「人は何を拠りどころに行動すべきなのか」という問いに、私なりに向き合い続けてきた軌跡である。在日韓国人として生きるということは、単に国籍や出自の問題ではない。
それは、海を越えて生きることを選んだ先人の決断を引き受け、二つの文化の間に身を置きながら、社会の中で責任ある存在として立つことを意味している。
私はこの人生の中で、金融、経済団体、文化交流、事業の現場と、いくつもの異なる場所に身を置いてきた。その都度、立場も役割も変わったが、私の中に一貫して流れていたものがある。それは、何を拠りどころに判断し、どの瞬間に行動を選び取るのかという、自分自身への問いであった。目の前の現実にどう向き合うのか。
在日として生きることは、ときに選択の余地が限られる厳しさを伴う。
だからこそ私は、外から与えられた評価ではなく、自らの内にある確かな基準に照らして判断し、その結果を行動として示し、そこから生じる責任を引き受けることを大切にしてきた。
本書はそうした判断と行動、そして責任を引き受けてきた歩みを振り返る記録である。そしてその根底にある私の信念については、次章において、改めて言葉として整理し、率直に述べていきたい。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。
