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ベネズエラを知るための60章 石橋 純(編著) - 明石書店
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ベネズエラを知るための60章 (ベネズエラヲシルタメノロクジッショウ)

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発行:明石書店
四六判
388ページ
並製
価格 2,400 円+税   2,640 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6127-7   COPY
ISBN 13
9784750361277   COPY
ISBN 10h
4-7503-6127-5   COPY
ISBN 10
4750361275   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年6月30日
書店発売日
登録日
2026年6月8日
最終更新日
2026年6月26日
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紹介

現代のベネズエラにおいては、政治紛争や米軍侵攻といった危機的な側面に関するテーマが多く取り上げられるが、それだけでは社会の動態や歴史の重み、人びとの暮らし、文化の活力は見えてこない。ベネズエラという国の多様性を、歴史・政治・経済・社会・文化の諸相から立体的に描き出した唯一無二の一冊!

目次

 はじめに

Ⅰ 恵みの大地――多様な自然と人びと

第1章 地形と気候――多彩な景観と資源が凝縮された恵みの大地
第2章 知られざる植物の魅力――メガダイバーシティの国
第3章 日本でも会える!? ユニークな動物たち――世界に誇れる生物多様性
第4章 人種・民族・移民――カフェ・コン・レチェの国の人びと
第5章 観光――恵みの大地への誘い
 【コラム1】謎の閃光“マラカイボの灯台”を追う

Ⅱ 歴史の歩み――エルドラドから産油国民主主義へ

第6章 征服と植民――先住民社会の受難
第7章 オリノコ川のエルドラド伝説――黄金への執着か、それとも土地領有のレトリックか
 【コラム2】ベネズエラの真珠は南米の最初の富だった
第8章 過疎の地から優良農業植民地へ――独立運動に至る社会の形成
第9章 アフロ系逃走/闘争者(シマロン)の反乱――隷属に抗う
第10章 独立革命――シモン・ボリバルの栄光と挫折
第11章 世界を駆け抜けた4人の啓蒙思想家――ミランダ、ロドリゲス、ベジョ、ボリバル
第12章 2つの国歌――「勇敢なる民に栄光あれ」と「平原の魂」
 【コラム3】『身だしなみのススメ』――ベネズエラの福澤諭吉が説くマナーと礼節の市民的修養
第13章 戦乱の19世紀――カウディージョの時代(1830~1908)
 【コラム4】最後のカウディージョ――フアン=ビセンテ・ゴメス
第14章 自由を求めて――石油国家の民主主義(1908~1958)
第15章 ベネズエラ型二大政党制の発展と限界――石油国家の民主主義(1958~1989)
 【コラム5】歩く民主主義とハリントン・ジャケット
第16章 プントフィホ体制の崩壊――空転する政治と国家(1989~1999)

Ⅲ 21世紀の政治――「革命」の理想と暗転

第17章 21世紀の国際関係――米国覇権への挑戦と石油外交の終焉
第18章 選挙から見るチャベス派時代の政治――参加民主主義の実験とカリスマ支配の矛盾
 【コラム6】ウゴ・チャベスの政治スタイル
第19章 マドゥロ政権の独裁と破局――制裁による経済破綻と体制延命の構造
第20章 ミシオンの理念と現実――チャベス派政権下の社会開発政策
第21章 医療をめぐる人びとの実践――健康と命をつなぐための創意工夫
第22章 教育の制度と現状――チャベス政権下の改革とその後
第23章 ガイアナとエセキボ係争地――金と石油をめぐる領有権問題

Ⅳ 石油国家の経済――豊かさとその代償

第24章 カカオ、コーヒー、そして石油へ――経済史Ⅰ
第25章 石油産業の幕開けと大噴出(エル・レベントン)――経済史Ⅱ
第26章 石油の呪縛――経済史Ⅲ
第27章 哀しき富裕国ベネズエラ――経済史Ⅳ
 【コラム7】バリオ――都市開発と民衆空間のせめぎあい
第28章 加速する放漫財政――制裁までの経済(2000~2016)
第29章 破綻からの復活に向けて――制裁下の経済(2017~2026)
第30章 会社経営――石油経済の影響を受けるマネジメント
第31章 暮らしを動かす交通システム――メトロ、バス、道路網から見るインフラの歴史と現在

Ⅴ 暮らしと生のダイナミズム――「混血」から多文化へ

第32章 マスメディア――その歩みと表現の自由
第33章 混血社会の人種主義――見えない差別の可視化
第34章 アフロ系子孫の現在――不可視化から民族創生へ
第35章 先住民族の現在――自然・文化・権利の交差点
第36章 女性の社会進出――その背景にメイドの存在
第37章 家族関係――海外移住者の増加で変化
 【コラム8】「粋が美学」のベネズエラ人気質
第38章 宗教――マリア・リオンサ信仰とホセ・グレゴリオの列聖
第39章 人生儀礼――祝う、見送る、つながる
第40章 年中行事と祝日――信仰とナショナリズムが織りなす1年のリズム

Ⅵ 食べ、飲み、味わう――主食・祭宴・嗜好品

第41章 主食から見る食卓と社会――アレパ、カサベ、コメ、小麦の物語
第42章 焼き肉と大鍋――開放的で豪快な祭宴料理
 【コラム9】クリスマス料理――3つの文化の混淆
第43章 酒の嗜みと乾杯の文化――ビール、ラム、ウイスキーと伝統の地酒
第44章 カカオの神髄――稀少なクリオージョ種と日本企業のとりくみ
第45章 知られざるコーヒー大国――その繁栄・衰退・新時代

Ⅶ 芸術表現とエンターテインメント――想像の地平と創造の系譜

第46章 クラシック音楽――作曲家たちの系譜
第47章 ピアノ音楽――19世紀から現代に至るまで
第48章 ギター音楽――アントニオ・ラウロとアリリオ・ディアスを中心に
第49章 伝統音楽――ホローポ、バルス、メレンゲ、ガイタ
第50章 ポピュラー音楽――コーヒールンバから2020年代の注目株まで
 【コラム10】音楽は誰のもの?――エル・システマとホワイトハンドコーラスの挑戦
第51章 現代美術――世界のキネテック・アートを牽引
第52章 先住民工芸――ハンモックとバスケタリーに見る熱帯の「用の美」
第53章 ビジャヌエバとビバスの建築的転回――自然環境と民衆をつなぐ都市空間
 【コラム11】白い象
第54章 文学――ラテンアメリカ文学に併走して
第55章 映画――ベネズエラ映画はマラカイボに始まる
第56章 テレノベラ――国民の想像力に深く根ざした長編テレビドラマ
第57章 ミス・ベネズエラ――美女の国の誇りと社会上昇の夢
第58章 野球――対米従属と国の誇りのはざまで
第59章 ボクシング――チャンピオンの系譜と日本ゆかりの選手たち
第60章 その他のスポーツ――バスケットボール、サッカー、オリンピック競技
 【コラム12】フィクションの中のベネズエラ

 ベネズエラをもっと知るためのブックガイド

前書きなど

はじめに

 21世紀のベネズエラは、ウゴ・チャベス大統領の急進改革と反米外交、後継のニコラス・マドゥロ政権下の混乱によって世界の耳目を集めてきた。今日、ベネズエラの名からまず想起されるのは、政治紛争、経済危機、人口流出、米国との対立、さらには米軍侵攻といった主題であろう。既刊の書籍のタイトルにも「混迷」「破綻」「崩壊」などの文字が踊っている。
 現代ベネズエラを語るうえでこれらの事象を避けては通れない。しかし、危機の側面だけに焦点を当てた情報や、それを強調するために切り取られたデータからは、社会の動態も、歴史の重みも、人びとの暮らしも、文化の活力も見えてこない。本書は、そのような「危機に特化した語り」とは一線を画し、ベネズエラという国の多様性を、歴史・政治・経済・社会・文化の諸相から立体的に描き出す試みである。
 これまでの文献の多くに、ベネズエラを「産油国」という単色で塗りつぶす傾向が見られた。だが、この国の姿は色とりどりである。石油時代に先立つ19世紀、ベネズエラは世界三大コーヒー輸出国の一角をなしていた。さらに植民地期の18世紀には、カカオ輸出でスペイン王室の国庫を支えた。輸出農業発展の背景には、それを切り拓く土着企業家たちの進取の気質と自律の精神があった。経済の発展とともに地域社会や都市文化が形成され、そこで培われた暮らしの作法、味覚、祝祭、社交、さらには自然や土地との関わり方は、今日なお社会に深く息づいている。本書の読者がベネズエラを少なくとも「石油、コーヒー、カカオの国」として捉え直し、そこに暮らす人びと――孤独を内に秘めながらも陽気に生き、用意周到より臨機応変をよしとし、格好よくありたいときにこそさりげなく振る舞う男女たち――に思いを馳せていただけるなら、編者の役目はひとまず果たされたと言えよう。

 (…中略…)

 本書は「Ⅰ 恵みの大地――多様な自然と人びと」「Ⅱ 歴史の歩み――エルドラドから産油国民主主義へ」「Ⅲ 21世紀の政治――「革命」の理想と暗転」「Ⅳ 石油国家の経済――豊かさとその代償」「Ⅴ 暮らしと生のダイナミズム――「混血」から多文化へ」「Ⅵ 食べ、飲み、味わう――主食・祭宴・嗜好品」「Ⅶ 芸術表現とエンターテインメント――想像の地平と創造の系譜」の7部構成となっている。Ⅲ部からⅤ部は、それぞれ通読することによって理解が深まるよう配慮した。とはいえ、どの項目から読んでもさしつかえない。相互参照を多数入れたので、それらの項目もお目当ての項目と併せてお読みいただきたい。食、音楽、美術、工芸、宗教、建築、スポーツ、ネイチャーといったトピックにも多くの紙数を割いた。人びとが何を食べ、どのような音楽に身を委ね、いかなる景観に思いを馳せ、何を祝福し、何に怒り、何に感動し、何を誇りとしてきたのか。そうした営みの束にこそ、社会の持続と変化が刻みこまれている。危機のなかにあってもしぶとく継承され、逆に活性化さえする生活世界の動きを伝えることも、本書の重要な役割と考える。

 (…後略…)

著者プロフィール

石橋 純  (イシバシ ジュン)  (編著

東京大学教養学部ラテンアメリカ研究コース教授。専門は文化人類学。東京外国語大学スペイン語学科卒業。ソニー株式会社マーケティング駐在員として1987~96年カラカス勤務。のちに学術研究に転身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(博士、学術)。ベネズエラ中央大学社会経済学部ポスドク研究センター研究員(2002年)。宇都宮大学勤務を経て現職。ベネズエラ都市下層地域をフィールドとし、民衆文化、人種主義、民族運動などを研究。主著『太鼓歌に耳をかせ』(松籟社、2006年)、『熱帯の祭りと宴』(柘植書房新社、2002年)、『中南米の音楽』(共著、東京堂出版、2010年)、『都市のリズム』(共著、鹿島出版会、2025年)ほか。短編映画「ハンモックの埋葬」で第22回LASA映画祭入選。

追記

【執筆者一覧】

青木利夫(あおき・としお)
広島大学大学院人間社会科学研究科教授。博士(社会学)。メキシコの教育史・子ども史研究。主著に『20世紀メキシコにおける農村教育の社会史――農村学校をめぐる国家と教師と共同体』(溪水社、2015年)、『生活世界に織り込まれた発達文化――人間形成の全体史への道』(共編著、東信堂、2015年)がある。

荒井芳廣(あらい・よしひろ)
大妻女子大学名誉教授。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会学博士。文化人類学専攻。ハイチ、ブラジル、ペルー、ベネズエラの民衆文化と宗教を研究。1987年のベネズエラ調査では、マリア・リオンサ信仰の聖地ソルテ山でフィールドワークを実施。主著に『ハイチ文化論考』(小林出版、2000年)、主な訳書に『ホベルト・ブーレ・マルクスの庭にて』(ジャック・レナール著、春風社、2019年)ほか。

石橋純(いしばし・じゅん)※編著者紹介を参照。

エステル・マルカーノ(Esther Marcano)
文化事業プロデューサー。ルイ・パスツール大学(フランス)生命科学部ならびにアンドレス・ベジョ・カトリック大学(ベネズエラ)社会コミュニケーション学部卒業。2006年までビゴット財団音楽制作統括。楽団「バサージョス・デル・ソル」を率いて2004年に来日。ベネズエラ国際音楽見本市総合プロデューサー(2016、17年)。カラカス・シンクロニカ、セシリア・トッドらの音源と公演を制作。現在、アートギャラリーD'Museoマネージャー。

大津若果(おおつ・みずか)
東京大学ラテンアメリカ研究コース非常勤講師。博士(工学、東京大学)。世界の建築史とラテンアメリカ美術・文化に関する研究。文化庁芸術家派遣在外研修員としてメキシコで研修し、一人一人の作家に表れる世界観と社会の関係性に関心をもつ。主な著作に『隈研吾という身体――自らを語る』(NTT出版、2018年)、『世界の名作住宅をたずねる ルイス・バラガンの家』(共著、新潮社、2009年)。

加茂靖(かも・やすし)
京都大学経済学部を卒業後ソニー株式会社に勤務。1999年から2001年までベネズエラ現地法人代表としてカラカス駐在。その後、パナマ、ブラジルの各現地法人ならびにラテンアメリカ統括法人の代表を歴任。

川又幸恵(かわまた・ゆきえ)
国立民族学博物館外来研究員・同志社大学嘱託講師。博士(文学、総合研究大学院大学)。ベネズエラ中央大学大学院修了(女性学修士)。在ベネズエラ日本国大使館「草の根・人間の安全保障無償資金協力」委嘱員を務めた。専門は文化人類学、ジェンダー研究。2008~2013年までベネズエラ在住。現地NGOでの勤務を機に、都市下層社会の女性の生活や母子保健に興味を持ち、研究テーマとする。

漢那朝子(かんな・ともこ)
女子美術短期大学卒業。ベネズエラ人彫刻家との結婚を機に1973年から83年まで現地在住。帰国後、広告代理店勤務を経て2017年よりフリーライター。著書に『ミ・ファミリア――悲しいのに笑い、泣きながら踊ったベネズエラの日々』(諏訪書房、2010年)、『ベネズエラへふたたび――あぁ、愛すべきミ・ファミリアよ』(同、2013年)、『南米レストランの料理人』(ボーダーインク、2021年)、『南米力と沖縄愛』(同、2025年)。

コロンえりか(ころん・えりか)
ソプラノ歌手。カラカス生まれ。英国王立音楽院声楽科修士課程修了。ホワイトハンドコーラスNIPPON芸術監督。音楽を通じた社会的インクルージョンの活動により、ゼロ・プロジェクト賞(オーストリア)、バンク・ミケルセン記念賞(デンマーク)を受賞。国内外で演奏活動を行うほか、テレビ番組の監修、音楽祭の企画にも携わる。主な録音に『BRIDGE』(KING RECORD)。

下山静香(しもやま・しずか)
ピアニスト、執筆家。文化庁派遣芸術家在外研修員(99,スペイン)。東京大学ラテンアメリカ研究コースならびに桐朋学園大学非常勤講師。日本スペインピアノ音楽学会会長。単著に『まるごと1冊 スペイン音楽の本』(アルテスパブリッシング、2023年)、『裸足のピアニスト』(ヤマハミュージックエンタテインメント、2017年)、訳書に『サンティアゴ巡礼の歴史』(原書房、2012年)ほか。ピアノライブシリーズ「ラテンアメリカに魅せられて」、CD「中南米ピアノ名曲シリーズ」、楽譜の解説校訂などを通して、イベロアメリカ音楽の紹介・啓発を続けている。

滝本明佳(たきもと・はるか)
東京大学農学部獣医学専修卒業。盛岡市動物公園ZOOMO獣医師。幼少期から思春期の1993~98年、2002~06年の計9年間をベネズエラの首都カラカスで過ごす。その時に出会った自然や野生動物に感動し、それを守りたくて獣医師になる。現職で動物やその生息地の魅力を伝え、一緒に守っていきたいと思ってくれる人が増えるよう奮闘中。

ダニエル・ヘリンジャー(Daniel Hellinger)
米国ウェブスター大学国際関係論名誉教授。主著にComparative Politics of Latin America: Democracy at Last?(2013)、Venezuela: Tarnished Democracy(1991)、Global Security Watch: Venezuela(2012)、Venezuelan Politics in the Chávez Era(2001)、Bolivarian Democracy in Venezuela(2011)、Conspiracies and Conspiracy Theories in the Age of Trump(2018)。フルブライト・フェローとしてバルパライソ・カトリック大学およびマドリード自治大学で研究。オックスフォード大学上級研究員、ベネズエラ中央大学および上海財経大学客員教授を歴任。

ネストル・ビロリア(Néstor Viloria)
ギタリスト、作曲家、ベネズエラ音楽研究家。ベネズエラ国立高等音楽院(IUDEM)卒業。コペンハーゲン・ギター・フェスティバル出演をはじめ欧州および中南米各地で公演。主要音源としてリーダー・アルバム《Guitarpeando con Guitarpa Dúo》(2018)のほかIlan Chester《Tesoros de la música venezolana》(2010、ラテン・グラミー賞受賞作)に参加。主な著作に、ベネズエラ・ギター奏法を体系化した初の教則本 La guitarra en los ritmos de la música venezolana(2025)がある。

野口茂(のぐち・しげる)
天理大学教授。ラテンアメリカ近現代史専攻。教皇庁立アンドレス・ベジョ・カトリック大学(UCAB)修士課程修了。1991年から94年までカラカス在住。主な業績に「「人の移動」から読み解くベネズエラ現代史」『混迷するベネズエラ』(明石書店、2021年)、「南米ベネズエラから読む『ドン・キホーテ』――トゥリオ・フェブレス・コルデロ『アメリカのドン・キホーテ』を中心に」(『スペイン学』第19号、2017年)。

野沢真吾(のざわ・しんご)
ベネズエラ中央大学附属植物園実験研究所リサーチャー(基礎・自然・応用科学)。ベネズエラ生まれ。シモン・ボリバル大学にて生物学学士、ベネズエラ中央大学にて理学博士(植物学)を取得。専門はイネ科植物の分類学、植物相(フローラ)研究、およびサバンナの植物社会学。現在はイネ科分類学の専門家として、同大学国立標本館(VEN)のキュレーターや学術誌『Acta Botanica Venezuelica』の編集長も務める。主要な業績に『ベネズエラ維管束植物新目録』の共同編纂、ギアナ高地の気候変動と植物相に関する国際共同研究があるほか、ギアナ地方およびベネズエラ北部においての新種記載がある。

早岡英介(はやおか・えいすけ)
和洋女子大学AIライフデザイン学部教授。元科学番組ディレクター。ベネズエラではギアナ高地の撮影、アンデス山脈におけるメガネグマ取材を行う。マラカイボ湖で発生する謎の閃光「マラカイボの灯台」をテーマにNHKのドキュメンタリー番組を制作した。2009年以降は北海道大学、羽衣国際大学で教育・研究に従事。

ベアトリス・ベルムデス=ロテ(Beatriz Bermúdez Rothe)
人類学者。ベネズエラ出身。作家、映像作家、独立研究者、社会運動家。ベネズエラ中央大学卒業(人類学専攻)。国内外の大学で教鞭を執り、立教大学(2021年)などで講演。主な著作にNaju no quiere dormir solo(『ナフはひとり寝がいや』)ほか映像作品も多数。現在は、先住民文化に取材した児童文学の創作に取り組むとともに、インターカルチュラリティ・読書・アートを結ぶ複合イベントを推進している。

松浦健太郎(まつうら・けんたろう)
ベネインベストメント代表取締役社長。青山学院大学卒業後、日本貿易振興機構(ジェトロ)入構。ジェトロ・カラカス事務所長(2012~17年)として、現地の政治・経済・制度動向の調査に従事。2017年より現職。ベネズエラ市場に関する知見を日本企業に提供し、貿易・投資活動を支援している。

松尾俊輔(まつお・しゅんすけ)
明治大学法学部専任講師。南米近現代史、スポーツ史。主な著作にOlimpismo: The Olympic Movement in the Making of Latin America and the Caribbean(分担執筆、The University of Arkansas Press、2020年)、『スポーツの世界史』(分担執筆、一色出版、2018年)など。

ミゲル・ティンカー=サラス(Miguel Tinker Salas)
米国ポモナ・カレッジ歴史学科名誉教授。専門はベネズエラおよびメキシコを中心とする近現代ラテンアメリカ史。ベネズエラ東部モナガス州の石油町カリピトに生まれ育つ。主著にThe Enduring Legacy: Oil, Culture and Society in Venezuela(Duke University Press, 2009)、Venezuela: What Everyone Needs to Know(Oxford University Press, 2015)。

柳原孝敦(やなぎはら・たかあつ)
東京大学教授。著書に『ラテンアメリカ主義のレトリック』(エディマン/新宿書房、2007年)、『テクストとしての都市 メキシコDF』(東京外国語大学出版会、2019年)、『映画に学ぶスペイン語』(教育評論社、2021年)など。訳書にカルペンティエール『春の祭典』(国書刊行会、2001年)、バスケス『物が落ちる音』(松籟社、2016年)、バルガス=リョサ『沈黙をあなたに』(集英社、2025年)など。2002~2003年、ロムロ・ガジェゴス・ラテンアメリカ研究センター研究員としてカラカスに滞在。

山田篤美(やまだ・あつみ)
歴史研究者。博士(文学、大阪大学)。専門は真珠史・宝石史、ベネズエラ史、グローバルヒストリー。主な著作に『黄金郷(エルドラド)伝説――スペインとイギリスの探険帝国主義』(中央公論新社、2008年)、『真珠と大航海時代――「海の宝石」の産業とグローバル市場』(山川出版社、2022年)、『真珠の世界史――富と野望の五千年』(中央公論新社、2013年)。第36回大同生命地域研究特別賞受賞。1998~2001年ベネズエラ(プエルトオルダス)在住。

山田操(やまだ・みさお)
久留米大学医学部卒業。泌尿器科勤務医を経て、生命保険会社に勤務。退職後は、世界のビッグファイトの観戦をライフワークとしてほぼ隔月で英米中心に試合観戦に出かけている。長年『ボクシングマガジン』ほか専門誌に執筆。海外のボクシング事情を紹介するプライベートニュースレターを年数回発行している。ホルヘ・リナレスらベネズエラ出身のボクサーとの親交も厚い。

〈写真〉
牧野翔(まきの・しょう)
音楽家。専門はベネズエラとボリビア音楽。東京大学精密工学専攻修士課程および東京藝術大学音楽学専攻修士課程を修了。コマツ社員として北中南米諸国で勤務後、フリー。2010年以来、継続的にベネズエラに渡航。マラカス演奏をエルネスト・ラジャとマヌエル・ランヘルに、ケーナ演奏をトニート・ナランホに師事。主著「隠れた音楽大国 ベネズエラの音楽」伊藤嘉章・岡本郁生(監修)『ゼロから分かる!ラテン音楽入門』(世界文化社、2025年)。写真家として音楽と祭の現場を撮り続けている。

上記内容は本書刊行時のものです。