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国際共修ルーブリック
多様な学びを可視化する
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年5月8日
- 書店発売日
- 2026年5月28日
- 登録日
- 2026年5月1日
- 最終更新日
- 2026年5月22日
紹介
広がりつつある異文化間での対話と協働を通じた国際共修を取り入れた授業。その学修成果の可視化と質保証の枠組みを提示するために国際共修研究チームが開発したルーブリックを紹介。その構成と活用方法の理解と具体的事例によって教育実践への示唆を与える。
目次
はじめに 国際共修の学びとその可視化[末松和子]
第1部 国際共修の学修成果とその評価
第1章 国際共修と学修成果[末松和子]
1.国際共修発展の経緯
2.国際共修の定義
3.国際共修に期待される効能
4.教育手法としての国際共修
5.異文化間能力の評価枠組み
6.まとめ――国際共修の学修成果に着目して
コラム1 国際高等教育における学生の学習成果の重要性[Darla K. Deardorff/中野遼子(訳)]
第2章 国際共修・協働学習の効果検証方法――既存の評価ツールを活用する[水松巳奈]
1.学びの検証
2.国際教育分野における評価ツール――IDIとBEVIを中心に
3.効果検証の事例
4.国際共修の効果検証――意義と課題
5.まとめ――効果検証の今後
第3章 国際共修・協働学習の効果検証――授業前・後の比較を通して [新見有紀子・平井達也]
1.学習成果の評価
2.概念的枠組み
3.質問紙開発のプロセス
4.質問紙調査の結果と考察
5.まとめ――国際共修の効果検証における留意点
第4章 国際共修・協働学習の効果検証――習得した力に関する自由記述分析[米澤由香子・黒田千晴・仙石祐]
1.はじめに
2.方法
3.分析結果
4.まとめ――結果の考察と今後の課題
第2部 国際共修ルーブリックの開発と活用
第5章 ルーブリックと発展の系譜[秋庭裕子]
1.ルーブリックとは?
2.国際共修・多文化協働学習におけるルーブリック――世界の動向
3.国際共修・多文化協働学習におけるルーブリック――日本の状況
4.まとめ――日本版ルーブリックの必要性
コラム2 ルーブリックの現状を把握する――異文化コンピテンシーとその先へ[Darla K. Deardorff/中野遼子(訳)]
第6章 ルーブリックと「学習のための評価」[北出慶子]
1.国際共修における評価の意義
2.「学びのための評価」の種類・方法
3.国際共修における「学びのための評価」事例
4.まとめ――「学びのための評価」とルーブリック開発・使用における留意点
第7章 国際共修ルーブリック――開発のプロセス[末松和子・湊洵菜]
1.国際共修ルーブリック開発の背景
2.開発のプロセス
3.まとめ
第8章 国際共修ルーブリック――概要と活用方法[末松和子・小嶋緑]
1.ルーブリックの全体像
2.コンピテンシー項目
3.事例の提示と多言語対応
4.各大項目における下位コンピテンシー
5.国際共修ルーブリック活用のススメ
6.まとめ――国際共修ルーブリックの今後に向けて
第3部 国際共修ルーブリックの応用――多様な教育実践への展開
第9章 国際共修授業の先行研究で示唆されたルーブリックの必要性――ルーブリックの活用事例[髙松美能]
1.国際共修授業に関わる先行研究の実情
2.ルーブリックの活用事例
3.ルーブリックを活用する意義と効果
第10章 ルーブリックの活用方法――授業実践[渡部留美]
1.ルーブリックを用いた授業実践
2.ルーブリックを用いた授業実践例1
3.ルーブリックを用いた授業実践例2
4.授業実践におけるルーブリック活用の意義と留意点
第11章 ルーブリックの活用方法――課外学習活動[村田晶子]
1.課外学習活動とルーブリック
2.汎用ルーブリック活用の流れと留意点
3.本章の目的と分析するデータ
4.活用事例の分析
5.自己評価結果の概要
6.省察を深めるための追加活動――ルーブリックと質的省察の組み合わせ
7.参加者にとってのルーブリックの意義
8.おわりに――ルーブリックを超えるために
第12章 ルーブリックの応用例――短期研修プログラム[新見有紀子]
1.ルーブリックによる学習促進機能
2.短期研修プログラムと外国人学生
3.短期研修プログラム「TUJP」におけるルーブリックの活用
4.考察――短期研修プログラムにおけるルーブリック活用の意義と留意点
5.おわりに
第13章 ルーブリックの活用方法――地域連携型・高大連携型国際共修[湊洵菜]
1.市民協働者の学び
2.高大連携型国際共修の成果検証におけるルーブリック活用
3.おわりに――市民協働者に対するルーブリックの活用の意義と留意点
コラム3 異文化間学習評価の日本の教育現場への適用[Darla K. Deardorff/中野遼子(訳)]
資料 国際共修ルーブリックの全体像
前書きなど
はじめに 国際共修の学びとその可視化[末松和子]
(…前略…)
本書では、規模や設置形態の異なる大学から結集した国際共修研究チームが、これらの問いに対する解を多角的な視点で議論する。言語・文化背景の異なる学習者による学び合い、国際共修の質保証のあり方を考察し、チームが数年間をかけて開発した「国際共修ルーブリック」を紹介する。
第1部の第1章では国際共修の定義を示し、教育実践の発展の経緯と政策的な位置づけを整理した上で、多文化的学びがもたらす教育効果と、その検証による質保証の重要性を議論する。第2章では国際共修の価値を示すための効果検証に焦点を当て、国内外の高等教育現場で用いられる検証動向を概観し、IDI(Intercultural Development Inventory)等の評価指標の活用が学習者の価値観の変化や異文化理解の深化に与える影響を事例とともに示す。第3章では、正課として実践される国際共修授業の履修者の学びに着目した効果検証を中心に議論を展開する。学期開始時と終了時の学習者の知識・態度・スキルに焦点を当て、その変化を明らかにし、学びの効果を定量的および定性的に分析する。第4章では、学習者へのインタビューを通して得た学びのエピソードやその影響を掘り下げて分析する。これにより、定量的なデータでは捉えきれない学習の質的な側面を明らかにする。
第2部では国際共修ルーブリックの構成や活用方法を中心に論じる。第5章では、国際教育分野における学修評価の透明性と公平性を高めるためのツールとして広く活用されてきたルーブリックの歴史的背景とその発展を国際的な視点から探る。第6章では、国際共修実践で重視される形成的評価に着目し、学習者の自己評価や教育実践者による学習支援にルーブリックが果たす役割を議論する。第7章では、本研究チームが数年をかけて構築した国際共修ルーブリックの設計と開発のプロセスを紹介し、最後の第8章では完成したルーブリックを示し、教育現場での活用上の留意点を詳述する。また、日本におけるルーブリックの導入状況とその事例を取り上げ、文化的・社会的要因がルーブリックの設計と活用に与えた影響を考察する。
第3部では、国際共修ルーブリックを用いた実践方法について具体的事例をもとに議論を展開する。第9章では授業設計への応用方法を解説し、第10章では正課授業、第11章では正課外活動における活用方法を提示する。第12章では短期研修プログラムを取り上げ、学習評価やプログラム改善に資するルーブリックの役割を示す。第13章では社会連携型の国際共修授業に焦点を当て、市民協働者を対象とした学びをルーブリックで検証することにより、その応用範囲の多様性を明らかにする。こうした議論を通じて、大学のみならず中等教育、企業、自治体、地域社会での多文化共生実現に向けた国際共修活動を効果的に推進することをめざす。
本書の執筆にあたっては、理論と実践の架橋を重視した。従来、国際共修研究は実践事例の報告にとどまる傾向があったが、教育の質保証の視点から成果を検証し、学術的基盤に立脚させることが重要である。同時に、学術的知見にとどまらず、教育現場の課題解決に資する実践的示唆を提供することも目的である。そのため、本書では国際教育および異文化教育の世界的権威であるダーラ・ディアドロフ(Darla Deardorff)氏によるコラムを各部の総括として収録した。同氏はAAC&UのVALUE RUBRIC「異文化間能力」の監修者であり、現在はUNESCO異文化間能力部会の部会長を務めている。本書のルーブリック開発においても、専門的知見と助言を提供した重要な協力者であることを付記したい。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。
