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フード・ジオグラフィーズ
社会的、政治的、生態的につながる食
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年6月30日
- 書店発売日
- 2026年7月9日
- 登録日
- 2026年6月24日
- 最終更新日
- 2026年6月26日
紹介
政治・経済地理学、環境地理学、社会・文化地理学の視座から、食に関する社会、政治、生態的つながりを検証する。食料不安、環境問題、労働搾取、社会的不平等、健康リスクなど、現代の食が抱える課題を深く理解し、行動に導く重要概念と技法を余さず提供する「食の地理学」決定版テキスト。
目次
日本語版序文
序文
第1章 食の地理
1.1 地理的事実としての食
1.2 フードスタディーズ――学際的分野
1.3 食の地理学
1.4 本書の目標と構成
第Ⅰ部 食の政治・経済地理学
第2章 農業と農耕
2.1 農業の誕生
2.2 アグロエコシステム
2.3 農耕の主な類型
2.4 おわりに
第3章 グローバルフードレジーム
3.1 グローバリゼーションとフードレジーム
3.2 グローバリゼーション黎明期――香辛料貿易
3.3 新世界の植民地化と植民地主義のフードレジーム
3.4 ポスト植民地主義の開発主義レジーム
3.5 現代のフードレジーム
3.6 均質化と差異化
3.7 おわりに
第4章 食料の労働地理学
4.1 労働地理学
4.2 フードシステムにおける労働
4.3 賃金労働の台頭
4.4 食農労働における移民と人種
4.5 食の仕事における女性
4.6 おわりに
第5章 食のつながりと商品連鎖
5.1 コモディティフェティシズムとグローバルチェーン
5.2 消費を実現するもの――ネットワークと回路
5.3 倫理的消費主義とフェアトレード
5.4 ローカリズムとオルタナティブフードネットワーク
5.5 おわりに
第6章 グローバルな食料危機――飢え/飢餓と栄養失調
6.1 定義と傾向
6.2 飢餓とフードセキュリティとは
6.3 飢えだけではない――栄養失調
6.4 飢餓の撲滅とフードセキュリティの強化
6.5 おわりに
第Ⅱ部 食の環境地理学
第7章 食料の生態学的な支柱――土壌、水、生物多様性
7.1 アグロエコシステムと自然の投入要素
7.2 現代のフードシステムによる環境への影響
7.3 フードセキュリティと食の安全に対する環境上の脅威
7.4 持続可能な農業
7.5 おわりに
第8章 食料と気候変動
8.1 気候変動入門
8.2 食料のカーボンフットプリント――ライフサイクルの分析
8.3 食事とカーボンフットプリント
8.4 気候危機――フードインセキュリティ、非自発的移住、紛争
8.5 食料のカーボンフットプリントの削減
8.6 おわりに
第9章 シーフード
9.1 漁業と養殖業――食料と生業
9.2 乱獲――集合的行為の問題?
9.3 養殖業――解決策?
9.4 水圏生態系における汚染と気候変動
9.5 持続可能なシーフード
9.6 おわりに
第Ⅲ部 食の社会・文化地理学
第10章 食、アイデンティティ、差異
10.1 アイデンティティと差異
10.2 国民料理
10.3 食と階級
10.4 エスニックフード
10.5 おわりに
第11章 都市を食べる
11.1 フードスケープ
11.2 公共の場で食べること
11.3 ガストロデベロプメントとアーバンフードマシン
11.4 フードデザートとフードアパルトヘイト
11.5 都市農業とオルタナティブフードスケープ
11.6 食の正義
11.7 おわりに
第12章 食べ物、キッチン、ジェンダー
12.1 家庭料理――家庭生活と家父長制
12.2 社会的再生産の外部化
12.3 家庭生活をマーケティングする
12.4 おわりに
第13章 食べ物、身体、健康、栄養
13.1 身体
13.2 肥満の蔓延と太っていることの病態化
13.3 肥満とは
13.4 アンチ肥満の政治とその帰結
13.5 健康的に食べる
13.6 おわりに
第14章 新しい食の地理
14.1 フードシステムは壊れたのか?
14.2 食の未来
14.3 新しい食の地理
14.4 参加しよう
14.5 希望
文献一覧
索引
食の地理学の旅──訳者あとがき
前書きなど
日本語版序文
(…前略…)
約20年前、私が食の地理学を教え始めた頃、私は地味ではあるが興味深い認識に動機づけられた。それは、食は私たちをつなぐ、ということである。食は私たちの身体を地球につなぎ、日常の慣習を遠隔地の景観につなぎ、個人的な嗜好(テイスト)をグローバルな生産と権力の体系につなぐ。Food Geographiesはこれらのつながりを検討するために書かれた。本書の中核的な主張は、食は単なる生命を維持する栄養や文化ではなく地理的事実である、というものである。食はどこかで、誰かによって、種別的な社会的、政治的、経済的、生態的条件のもとで生産される。食を理解することは、人と場所と環境の関係を理解することなのである。
本書は主に四つの目的を探究する。第一に、本書は体系的でマルチスケールな視座を援用し、食がどのように身体から地球全体へつながるかをたどる。農場や漁場からキッチンや都市まで、多国籍企業から日常の調理や食事まで、食は複数のスケールで作動するネットワークに埋め込まれている。第二に、本書はフードシステムの環境的な基盤――土壌、水、生物多様性、および気候――を明らかにし、それらが現代資本主義的に、新自由主義的に、工業的に、そしてグローバルなフードレジームを含む政治的および経済的な営力によってどのように形づくられているかを強調する。第三に、本書は食がどのようにアイデンティティと差異に交差するか検証し、人種、階級、ジェンダー、国籍がどのように食の生産と消費を形づけるかについて明らかにする。第四に、本書は批判的な省察と関与を奨励する。フードシステムは決して不可避なものではなく、社会的に構築されており、それゆえに変革の道が開かれている。食の正義、食料主権、そして持続可能性をめぐる問いは本書に通底している。
(…中略…)
究極的には、本書は一つの招待状である。それはすなわち、〔読者が〕日常の実践をより詳細に見つめ、当たり前とみなされているシステムを問い、我々を支えている労働者やコミュニティや生態系に共感と理解を育むための招待状である。食は不平等と搾取の場となるかもしれないが、それは同時に喜び、つながり、創造性、そして抵抗の源にもなり得る。私は本書の日本語版が新たな会話や研究や協同の火付け役となり、それが教室内で、あるいは分野の垣根を越えて、さらには大学外で展開することを願っている。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。
