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現代ミャンマーにおける社会支援の人類学 藏本 龍介(編著) - 明石書店
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現代ミャンマーにおける社会支援の人類学 (ゲンダイミャンマーニオケルシャカイシエンノジンルイガク) 「協会(アティンアポェ)」をつくる (キョウカイアティンアポェヲツクル)

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発行:明石書店
A5判
276ページ
上製
価格 3,500 円+税   3,850 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6092-8   COPY
ISBN 13
9784750360928   COPY
ISBN 10h
4-7503-6092-9   COPY
ISBN 10
4750360929   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年3月31日
書店発売日
登録日
2026年3月4日
最終更新日
2026年4月1日
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紹介

ミャンマーの草の根の自助的福祉事業、具体的には葬式や救急搬送、医療などといった福祉事業に従事するアティンアポェ(組織)を対象とし、その展開を検討する。これらの活動は、クーデター以降の少数民族地域や軍統治地域内に民主化勢力によりつくられる「解放区」とその統治の解明の手掛かりになることも期待できる。

目次

 用語集

第1部 協会の概要

第1章 序論[藏本龍介]
 1.はじめに
 2.布施経済制度
 3.ミャンマーの市民社会組織研究
 4.本書の意義
 5.本書の構成
  参照文献

第2章 ミャンマーにおける仏教協会の歴史[藏本龍介]
 1.はじめに
 2.仏教協会の登場
 3.仏教協会の広がり
 4.仏教協会から福祉協会へ
 5.おわりに
  参照文献

第3章 登録された「協会」の分布と特徴[土佐桂子]
 1.はじめに
 2.『地域関連事項』の特色と使用における留意点
 3.登録済み協会の概要
 4.組織種別語にみる全国的傾向
 5.おわりに
  行政資料/参照文献/インターネット資料

第4章 ミャンマーにおける「政府系NGO」[飯國有佳子]
 1.はじめに
 2.5つの「政府公認NGO」とその歴史
 3.「郡報告書」における5つの「政府公認NGO」
 4.先行研究における「政府系NGO」の捉え方
 5.おわりに
  行政資料/参照文献/インターネット資料

第2部 事例編

第5章 国家と市民社会のはざまからみえるもの――地域社会における政府公認NGOと協会のガバナンス[飯國有佳子]
 1.はじめに
 2.民主移行期におけるミャンマーのガバナンスと政府系NGO
 3.調査地と社会組織(ルーフムイェイ・アティンアポェ)
 4.ピィ市における補助消防団とその活動
 5.ピィ郡の協会(アティンアポェ)の活動
 6.おわりに
  行政資料/参照文献/インターネット資料

第6章 功徳と倫理のあいだ――ミャンマー葬式支援協会の展開[土佐桂子]
 1.はじめに
 2.葬式支援協会の設立――功徳以前の揺らぎ
 3.葬式支援協会の普及
 4.地方都市部の葬式支援協会
 5.ボランティアを通じて確立されていく倫理的実践
 6.おわりに
  行政資料/参照文献

第7章 「協会」としてのダバワ瞑想センター[藏本龍介]
 1.はじめに
 2.ダバワ瞑想センター概要
 3.センター内部の様子
 4.ダバワ瞑想センターにおける「布教」
 5.「善行」概念が形づくる人間関係
 6.ダバワ瞑想センターの組織運営
 7.おわりに
  参照文献

第8章 ムスリム社会支援組織――同胞のための活動と地域社会に開かれた貧困者支援[斎藤紋子]
 1.はじめに
 2.ムスリム組織の概要と特徴
 3.ムスリム運営の葬式支援協会
 4.貧困者支援のための組織活動――ムスリム支援を越えて
 5.おわりに
  参照文献

第9章 シャン文芸文化協会考[髙谷紀夫]
 1.本章の射程――なぜシャン文芸文化協会に注目するのか?
 2.SLCA組織基本規約から――全国・ムセー・ヤンゴン・マンダレー
 3.タイ・リエン(シャン・ニー)SLCAの特異性
 4.社会福祉活動の支援基盤としてのSLCAの事例
 5.シャン系の人々がめざす自助支援組織とはどのようなものか?
  行政資料/法令資料/参照文献

第10章 少数民族地域の貧困者支援の再編――タアン社会における「支援」と「協会」[生駒美樹]
 1.はじめに
 2.生業を基盤とする互酬的支援
 3.協会による支援
 4.越境的な支援
 5.おわりに
  行政資料/参照文献

 あとがき[土佐桂子]

 編著者・執筆者紹介
 索引

前書きなど

第1章 序論[藏本龍介]

 (…前略…)

5.本書の構成

 最後に本書の構成について整理しておこう。本書は2部構成となっている。
本章(序論)を含む「第1部 協会の概要」では、関連する先行研究、協会の歴史的経緯、統計資料を分析することによって、協会についての大まかな見取り図を提供することを目的としている。
 第2章「ミャンマーにおける仏教協会の歴史」(藏本龍介)は、ミャンマーにおいて「仏教協会(バーダーイェイ・アティン)」と呼ばれる組織がどのように形成され、宗教支援のあり方と社会秩序の再編に関与してきたのかを、植民地期から現代に至る長期的視野から検討する。(……)
 第3章「登録された『協会』の分布と特徴」(土佐桂子)は、ミャンマーにおける協会の分布とその特徴を明らかにするために、内務省総務局が作成しMIMUによって公開された各郡の『地域関連事項』2019年版を用いて、登録情報にもとづく量的整理を行う。(……)
 第4章「ミャンマーにおける『政府系NGO』」(飯國有佳子)は、従来一括して語られてきた「政府系NGO」について、総務局『地域関連事項』で全国共通に把握される5つの「政府公認NGO」(赤十字社、補助消防団、退役軍人協会、母子福祉協会、女性問題連盟)に絞って実証的に検討する。(……)
 以上の概要整理を踏まえて、「第2部 事例編」ではフィールドワークに基づく事例分析を行う。
 第5章「国家と市民社会のはざまからみえるもの――地域社会における政府公認NGOと協会のガバナンス」(飯國有佳子)は、民主移行期のミャンマーの地方都市ピィにおける、政府公認NGO(補助消防団)と市民的結社(協会)の活動を民族誌的に比較し、地域社会におけるガバナンスの実態を検討する。(……)
 第6章「功徳と倫理のあいだ――ミャンマー葬式支援協会の展開」(土佐桂子)は、ミャンマーにおいて葬式支援協会がいかに立ち上がり、受け入れられ、拡大していったのかを、功徳と倫理の交差に注目して検討する。(……)
 第7章「『協会』としてのダバワ瞑想センター」(藏本龍介)は、ミャンマーに広く見られる布施の集積と再配分の仕組みとしての「協会」が、2007年に設立されたダバワ瞑想センターにおいてどのように再編されているかを検討する。(……)
 第8章「ムスリム社会支援組織――同胞のための活動と地域社会に開かれた貧困者支援」(斎藤紋子)は、ヤンゴンとマンダレーにおけるムスリムが運営する社会支援協会の活動と、その地域社会との関係を検討する。(……)
 第9章「シャン文芸文化協会考」(髙谷紀夫)は、ミャンマー各地に展開するシャン文芸文化協会(SLCA)に注目し、シャン系住民がいかに文化的紐帯と相互扶助の仕組みを築いているかを検討する。(……)
 第10章「少数民族地域の貧困者支援の再編――タアン社会における『支援』と『協会』」(生駒美樹)は、シャン州パラウン自治区ナムサン郡のタアン(パラウン)社会を対象に、茶生産という生業に根ざした伝統的な互酬関係である「支援(トッ)」と、近年台頭した「協会」による実践を比較し、地域社会における貧困者支援がいかに再編されつつあるかを検討する。(……)

著者プロフィール

藏本 龍介  (クラモト リョウスケ)  (編著

東京大学東洋文化研究所・教授。単著に『世俗を生きる出家者たち:上座仏教徒社会ミャンマーにおける出家生活の民族誌』(法藏館、2014年)、Living with the Vinaya: An Ethnography of Monasticism in Myanmar(University of Hawai’i Press、2024年)、『仏教を「経営」する:実験寺院のフィールドワーク』(NHK出版、2025年)。共著に『地域が動く経営戦略:公益経営のすすめ』(ウェアハウス、2025年)。編著に『宗教組織の人類学:宗教はいかに世界を想像/創造しているか』(法藏館、2023年)。

土佐 桂子  (トサ ケイコ)  (編著

東京外国語大学・名誉教授。単著に『ビルマのウェイザー信仰』(勁草書房、2000年)、共編著に『転換期のミャンマーを生きる:「統制」と公共性の人類学』(風響社、2020年)、『東南アジア文化事典』(丸善出版、2019年)。論文に「布教としてのパゴダ建立と「仏教繁栄」事業:ミャンマーにおけるタータナー・ピュ実践」(東南アジア研究 53(1)、2015年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。