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メキシコのナポレオン サンタ・アナの時代 牛島 万(著) - 明石書店
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メキシコのナポレオン サンタ・アナの時代 (メキシコノナポレオンサンタアナノジダイ) 米墨戦争を戦い抜いた首領 (ベイボクセンソウヲタタカイヌイタカウディージョ)

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発行:明石書店
A5判
288ページ
上製
価格 4,200 円+税   4,620 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6091-1   COPY
ISBN 13
9784750360911   COPY
ISBN 10h
4-7503-6091-0   COPY
ISBN 10
4750360910   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年3月31日
書店発売日
登録日
2026年2月27日
最終更新日
2026年4月1日
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紹介

19世紀、スペインからの独立を経て米墨戦争に至るメキシコの激動の中で、軍人として戦い、大統領を11回も務めた「メキシコのナポレオン」と呼ばれるサンタ・アナの毀誉褒貶に満ちた人物像を徹底的に精査し、歴史的な文脈において再評価する労作。

目次

 まえがき

第1章 アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナの誕生
 Ⅰ ベラクルスのサンタ・アナ
 Ⅱ マンガ・デ・クラボ

第2章 スペインのメキシコ再征服戦争とゲレロの死
 Ⅰ ベラクルスからメキシコ市へ進出するサンタ・アナ
 Ⅱ トルネルの生い立ち
 Ⅲ フリーメイソンとトルネル
 Ⅳ ゲレロ政権の転覆

第3章 調整者サンタ・アナの手腕
 Ⅰ サンタ・アナの躍進
 Ⅱ ゴメス・ペドラサの復帰

第4章 サンタ・アナとゴメス・ファリアスの連携と相克
 Ⅰ ゴメス・ファリアスによる一八三三年の改革
 Ⅱ トルネルの帰還

第5章 連邦派の反政府運動とテキサスの分離独立
 Ⅰ サカテカス・コアウイラの暴動
 Ⅱ アラモ砦事件

第6章 菓子戦争(対フランス戦争)
 Ⅰ 菓子戦争での「勝利」
 Ⅱ ブスタマンテの失脚
 Ⅲ サンタ・アナの独裁とその盛衰

第7章 米墨戦争への道
 Ⅰ エレラによる外交的解決の失敗
 Ⅱ パレデスのクーデターと主戦派の台頭
 Ⅲ 戦争前夜のトルネルとパレデス

第8章 サンタ・アナの帰国とゴメス・ファリアス
 Ⅰ サンタ・アナとゴメス・ファリアスの和解
 Ⅱ サンタ・アナの帰国と米国政府の関与
 Ⅲ 純粋派と穏健派の対立
 Ⅳ サンタ・アナとゴメス・ファリアスの決裂

第9章 米墨戦争の過程
 Ⅰ 米墨戦争を回避できなかった理由
 Ⅱ 米国の膨張主義政策(Ⅰ)――テキサスと北部メキシコの征服
 Ⅲ 米国の膨張主義政策(Ⅱ)――カリフォルニア・ニューメキシコの征服

第10章 米墨戦争とサンタ・アナ
 Ⅰ サンタ・アナの戦場への復帰――テイラー軍との戦い
 Ⅱ スコット軍の侵攻――メキシコ市征服をめざして

第11章 戦い続けるサンタ・アナ
 Ⅰ 米墨戦争期の軍人サンタ・アナ
 Ⅱ メキシコ陥落
 Ⅲ グアダルーペ・イダルゴ条約締結までの米墨両国の対応

 あとがき

 初出一覧
 サンタ・アナの時代 関連年表
 グアダルーペ・イダルゴ条約及びケレタロ議定書の全文
 メキシコ国歌(対訳)
 註
 参考・引用文献
 索引

前書きなど

まえがき

 一九世紀メキシコにおける代表的なカウディージョ(地方首領)として、アントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナ(Antonio López de Santa Anna)の存在は特筆に値する。彼の政治的行動は一貫性を欠き、状況に応じて立場を変える日和見主義的傾向が顕著であると批判されてきた。このような姿勢は、為政者としての信頼性を損なうとともに、同時代のメキシコ政治における党派間の対立と混迷を一層深刻化させる要因となったと指摘されている。
 サンタ・アナは、確固たる政治理念や統治哲学を有していたとは言い難く、むしろ自己の権益の追求や私的欲望に基づく短絡的かつ突発的な行動が目立った。彼の性格は、教養や知性に乏しく、短気であった一方、機知や策略には長けていたとされる。こうした特性は、安定的かつ建設的な政策形成には不向きであったと評価されている。
 しかしながら、サンタ・アナの個人的魅力やカリスマ性は、軍人や一般大衆の支持を集める上で一定の効果を発揮した。彼の統率力は、勇敢かつ厳格な武将としての演出と、部下への思いやりや情けを示す姿勢の両面によって支えられていた。まさに大衆迎合主義(ポプリスモ)の原型がそこにあった。また、端正な容姿と豊富な経済力は、彼の威厳と指導者としての存在感を一層強化する要素となった。
 サンタ・アナが戦場において金銀製の食器を用いて食事をしていたという逸話は、半ば伝説化され、文学作品や映像作品において頻繁に描写されている。このような描写は、サンタ・アナを特異な歴史的存在として際立たせる象徴的な要素となっている。

 (…中略…)

 本書は、従来の定説となっているサンタ・アナに対する負のイメージである、日和見主義や売国奴という評価に修正を加えることを目的としている。そこで筆者の立場は以下のとおりである。日和見主義的な側面はカウディージョとしてのサンタ・アナ個人の資質にすべてを求めてはいけない。サンタ・アナの言動を考察するにあたっては、当時のメキシコが直面していた政治的・社会的状況を前提として捉える必要がある。言い換えれば、彼の行動や判断は、同時代の社会的環境によって大きく規定されていたと考えるべきである。そのため、一九世紀前半のメキシコの政治や社会がどのような状況にあったのか、またその時代の指導者として、社会がいかなる資質や特性を求めていたのかについて検討することは、歴史的文脈を理解する上で不可欠である。そのうえで、サンタ・アナの人物像の再検討が必要であると考える。(……)

著者プロフィール

牛島 万  (ウシジマ タカシ)  (

京都外国語大学教授。京都大学非常勤講師。専門はラテンアメリカ研究、米国ヒスパニック研究、米墨関係史、国際関係史。
[主要業績]
『米墨戦争とメキシコの開戦決定過程――アメリカ膨張主義とメキシコ軍閥間抗争』(単著、彩流社、2022年)、『米墨戦争前夜のアラモ砦事件とテキサス分離独立――アメリカ膨張主義の序幕とメキシコ』(単著、明石書店、2017年)、『ラテンアメリカをめぐるグローバル経済圏――「潮と風」と帆船によるポルトガル・スペインのネットワーク』(共編著、明石書店、2025年)、『南北アメリカ研究の課題と展望――米国の普遍的価値観とマイノリティをめぐる論点』(共編著、明石書店、2023年)、『混迷するベネズエラ――21世紀ラテンアメリカの政治・社会状況』(共編著、明石書店、2021年)、『侠の歴史 西洋編(下)』(共著、清水書院、2020年)、『現代スペインの諸相――多民族国家への射程と相克』(編著、明石書店、2016年)、『アメリカのヒスパニック=ラティーノ社会を知るための55章』(共編著、明石書店、2005年)、『現代スペインを知るための60章』(共著、明石書店、2013年)、『現代スペイン読本』(共著、丸善、2008年)、『国際経済事情』(共著、八千代出版、2005年)、『現代国際関係の基礎と課題』(共著、建帛社、1999年)、『アメリカス学の現在』(共著、行路社、2003年)、『アメリカス世界のメキシコ』(共著、天理大学出版部、2011年)、『アメリカスのまなざし――再魔術化される観光』(共著、天理大学出版部、2014年)『スペイン文化事典』(共著、丸善、2011年)、『世界地名大事典・中南アメリカ』(共著、朝倉書店、2014年)。
訳書に、『ラテンアメリカのスペイン語――言語・社会・歴史』(ジョン・リプスキー著、共訳、南雲堂フェニックス、2003年)、『労働に反抗する労働者――人民戦線期のパリとバルセロナにおける労働』(マイケル・サイドマン著、共訳、大阪経済法科大学出版部、1998年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。