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楕円的物語としての更生支援論
嵐の日々を共に佇む時
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2026年2月16日
- 書店発売日
- 2026年2月13日
- 登録日
- 2026年1月19日
- 最終更新日
- 2026年2月10日
紹介
非行からの「立ち直り」はいかにして可能か。元非行少年、無心で子どもに食事を提供する人、ジャーナリスト、被害者遺族、元法務教官らとの対話から見えてくる、日本社会の偏見との関係性の希薄化。少年らが生き直しを図るために、大人ができることとは?
目次
はじめに
第Ⅰ部 立ち直りの基盤を支える人たちのナラティブ
第1章 出会うこと――野田詠氏さんとの対話
1 満たされることの意義
2 誰と出会えているか
第2章 気づくこと――高坂朝人さんとの対話
1 一人ではないことの自覚
2 きっかけをつかむために
第3章 食べること――中本忠子さんとの対話
1 昨日も今日も明日も
2 空腹を満たすこと
第Ⅱ部 立ち直りへの日々を見守る人たちのナラティブ
第4章 居ること――秋山千佳さんとの対話
1 大切なことは何か
2 誰と居るのか
第5章 話すこと――伸子さんとの対話
1 他者とのつながりを求めて
2 問い続けることと聴くこと
第6章 聴くこと――中村佑さんとの対話
1 言葉の限界を超えて
2 共にいること
第Ⅲ部 人はなぜ生きづらさの中でも希望を語りえるか?
第7章 学んだこと・考えたこと
第8章 立ち直り・更生の構造と課題
おわりに
付記
参考文献
前書きなど
はじめに
再犯防止推進法の施行や少年法、刑法等の改正により、犯罪や非行にあった人の立ち直りや更生支援に関する研究や報道が一〇年前に比べて大幅に増えてきました。しかし、それらの多くは施設処遇の断片を切り取ったもの、当事者の語りの一部を用いたもの、そこで営まれている「生活」全般まで視野が及んでいない、と違和感を覚えるものが多いです。施設での生活、そして社会に戻っての生活は、二四時間、三六五日絶え間なく続きます。良いことも悪いことも、理不尽な想いも思いがけない喜びも、様々な事柄が混沌として、しかし、明日を生きるための営みが日々継続されています。
本書では、そのような更生へ向けた日々の営みを紡ぎ合わせてきた方々への対談・インタビューをベースに、更生支援の中で生じる様々な事象を言語化しようとしました。ここで語られるそれぞれのナラティブからはある種の本質を汲み取ることができると考えます。
なぜなら、単なる個人的な語りが提供するある種の経験則が、複数の者から語られれば、その経験則は一定の信頼性を有するものと考えられるからです。ましてや、立ち直りは現実の生活の場において展開されるものであり、その場に居合わせた当事者や支援者の語りは、まさに証言としての妥当性を有しているともいえます。
本書においては、二人の立ち直りの当事者で現在はその支援者として実際に立ち直り支援にあたっている方々と、立ち直り支援者やそうした方々への取材を通してその現実を把握しようとしているジャーナリスト、さらに犯罪被害家族の方と少年や受刑者の教育指導にあたっていた矯正施設長経験者の計六名の方へのインタビューとその内容を収録しています。さらにそれらを踏まえ、インタビューや対談から学んだこと、立ち直り・更生の構造と課題を明らかにする構成となっています。こうした構成により、異なる立場・視点を通して、立体的にその課題・構造を明らかにすることが可能となると考えるからです。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。
