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「測定」と「分類」の障害児教育史 吉井 涼(著) - 明石書店
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「測定」と「分類」の障害児教育史 (ソクテイトブンルイノショウガイジキョウイクシ) 20世紀前半米国公立学校における学業問題と臨床的対応 (ニジュッセイキゼンハンベイコクコウリツガッコウニオケルガクギョウモンダイトリンショウテキタイオウ)

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発行:明石書店
A5判
280ページ
上製
価格 5,400 円+税   5,940 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6056-0   COPY
ISBN 13
9784750360560   COPY
ISBN 10h
4-7503-6056-2   COPY
ISBN 10
4750360562   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年2月6日
書店発売日
登録日
2025年12月17日
最終更新日
2026年2月3日
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紹介

本書は、19世紀末から20世紀前半の米国公立学校における障害児教育の「測定」と「分類」を再検討し、選別や隔離に還元できない教育的意義を明かす。学業不振や非行等に対応した多様な実践と特殊教育の歴史を踏まえ現代のインクルーシブ教育に新たな視座を提示する。

目次

序章 障害児教育における測定と分類
 第1節 問題の所在
  1.フル・インクルージョンへと向かう世界の教育
  2.障害の測定・分類・分離に対する批判
 第2節 本書の目的と先行研究――歴史的アプローチ
  1.本書の目的――インクルーシブ教育への歴史的アプローチ
  2.アメリカにおける障害児の測定と分類に関する研究動向
 第3節 研究対象と研究方法
  1.対象の限定と先行研究の検討
  2.研究方法と本書の構成

第1章 現代インクルーシブ教育論争における測定・分類・分離
 第1節 特殊教育擁護者からのフル・インクルージョン批判
  1.現代アメリカにおけるインクルーシブ教育論争
  2.障害者権利条約と障害者権利委員会に対する各国の見解と対応
  3.フル・インクルージョニストによる特殊教育批判とその批判
 第2節 指導を第一に考えるインクルーシブ教育
  1.教育の場ではなく指導を第一に考える
  2.ユートピアとしてのフル・インクルージョン
 第3節 障害児の教育における分離の教育的意義
  1.アイデンティティの形成と社会参加の拠点としての分離環境
  2.専門性のある分離環境
 第4節 小括

第2章 M. P. E. グロスマンによる非定型児に対する測定・分類実践と寄宿制学校――19世紀末から20世紀初頭
 第1節 公立学校における学業問題の顕在化と多義性
  1.公立学校における就学者の急増と遅滞児の実態調査
  2.学業問題の具体像
  3.学業問題の分類困難と特殊学級の変容
 第2節 グロスマンによる寄宿制学校の創設と非定型児の分類
  1.グロスマン校創設の動機と経緯
  2.グロスマン校の対象――非定型児への着目
 第3節 寄宿制学校における測定と指導
  1.子どもの複雑な性質を測定する方法
  2.測定と指導の場の統合
 第4節 小括

第3章 L. ウィトマーによる心理クリニックでの試行的実践と学業不振児への着目――19世紀末から20世紀初頭
 第1節 ウィトマーによる教育分野への心理学の応用
  1.ウィトマーの経歴と児童心理学への関心の芽生え
  2.公立学校教員からの指導困難事例の相談
  3.実験心理学の限界
 第2節 非精神薄弱としての学業不振児への着目と試行的実践
  1.心理クリニックの目的と対象
  2.理論的基盤の欠如と精神薄弱児への調査対象拡大
  3.ケースレコードから見る心理クリニックの測定・指導実践
 第3節 心理クリニックの基盤形成と対象の明確化
  1.『心理クリニック』の創刊と心理クリニックの担い手の育成
  2.臨床心理学の対象としての学業不振児への焦点化
 第4節 小括

第4章 L. ウィトマーによる心理クリニックでの臨床的対応の本格化とその限界――1910年代
 第1節 測定・分類に対する慎重な姿勢
  1.心理クリニックの発展
  2.来談児の実態
  3.精神薄弱に対する慎重な測定・分類
 第2節 指導のための測定・分類実践とその限界
  1.検査内容と心理クリニック職員の専門性
  2.ビネ尺度への懐疑、知能の定義、診断的教育
  3.継続指導の対象とその方法
  4.学業問題の細分化と専門用語の問題
 第3節 心理クリニックの限界と補完としての分離環境
  1.夏期特殊学級の実態と学生指導
  2.継続的指導環境としての病院学校
  3.心理クリニックの限界としての精神薄弱と学業不振の分類困難
 第4節 小括

第5章 J. E. W. ウォーリンによる包括的測定と特殊学級の整備――1910年代から1920年代のセントルイス市
 第1節 ウォーリンの経歴とビネ尺度の限定的受容
  1.ウォーリンの経歴
  2.子どもの分類方法としてのビネ尺度への懐疑
  3.ピッツバーグ大学心理クリニックでの精神薄弱・学業不振の分類問題への着手
 第2節 セントルイスにおける測定・分類実践と背景にある理念
  1.セントルイス市教育委員会への着任
  2.精神薄弱児と学業不振児の診断に対するウォーリンの見解
  3.ウォーリンにとっての測定と指導
 第3節 個のニーズに応じる測定・指導体制の実際とその限界
  1.心理教育クリニックにおける測定実践
  2.心理学専門家主導による検査体制の構築と混合学年学級の不足
  3.ミズーリ州全域にわたる特殊学級設置の困難
 第4節 小括

第6章 J. E. W. ウォーリンによる学業問題の細分化と通常学級・特殊学級での総合的対応――1930年代から1940年代のデラウェア州
 第1節 1930年代の公立学校における学業問題のさらなる多様性
  1.公立学校特殊学級の拡大
  2.学業問題の分類と特定の教科の学業不振の存在
  3.行動問題の実態と特別な教育環境の必要性
 第2節 学業問題の詳細な分類に基づく教育環境の整備
  1.デラウェア州における障害児
  2.ウォーリンによる学業問題に対する認識と教育配置
 第3節 学業問題に対する特殊学級制度と通常学級との関係
  1.学業問題のある子どもの測定と分類
  2.特殊学級における混在する子ども
  3.通常教育における学業問題への指導体制の課題
 第4節 小括

終章 本書のまとめと総合考察
 第1節 本書のまとめと結論
  1.各章のまとめ
  2.本書の結論
 第2節 本書から得られる示唆

 文献
 あとがき
 索引

前書きなど

序章 障害児教育における測定と分類

 (…前略…)

第3節 研究対象と研究方法
 2.研究方法と本書の構成

 (……)

(2)本書の構成
 本書の構成は次のとおりである。
 第1章では、主として障害者権利条約以後の各国におけるインクルーシブ教育の展開と、特殊教育の要である測定と分類、分離について、アメリカにおける特殊教育擁護者の議論から検討する。第2章では、19世紀末から20世紀初頭の公立学校における学業問題の実態を整理し、グロスマンが主たる関心対象とした非定型児の実態と彼の関心の背景、寄宿制学校における非定型児の測定と指導の実践を明らかにする。第3章と第4章では、ウィトマーに着目し、心理クリニックにおける測定と分類、指導の実践を、時期を2つに分けて(1896年から1907年頃までと、1910年代頃)検討する。第5章では、ミズーリ州セントルイス市教育委員会でのウォーリンによる公立学校に在籍する子どもたちへの測定と分類、特殊学級制度の構築過程とその限界について明らかにし、第6章では、1930年代以降のデラウェア州教育委員会におけるウォーリンによる学業問題に対する対応を検討する。終章では、全章を踏まえて本書の結論を示し、今後の示唆を論じる。

 (…後略…)

著者プロフィール

吉井 涼  (ヨシイ リョウ)  (

1986年、茨城県生まれ。福山市立大学教育学部准教授。博士(障害科学)。専門は、障害原理論、障害児教育史。
筑波大学第二学群人間学類卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科障害科学専攻修了。日本学術振興会特別研究員(DC1)、茨城キリスト教大学文学部講師を経て現職。
主要著書に、『日本障害児教育史【戦後編】』(明石書店、2019年、分担執筆)、『インクルーシブな教育と社会――はじめて学ぶ人のための15章』(ミネルヴァ書房、2024年、分担執筆)、『特別支援教育要論』(北大路書房、2024年、分担執筆)、主要論文に、「1960~70年代の肢体不自由養護学校における学級編成の模索――障害の重い子どもの特別学級をめぐる教師の実践」(『教育学研究』92巻2号、2025年、共著)など。

上記内容は本書刊行時のものです。