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現代ラテンアメリカ社会を知るための47章 石田 智恵(編著) - 明石書店
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現代ラテンアメリカ社会を知るための47章 (ゲンダイラテンアメリカシャカイヲシルタメノヨンジュウナナショウ)

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発行:明石書店
四六判
392ページ
並製
価格 2,400 円+税   2,640 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6055-3   COPY
ISBN 13
9784750360553   COPY
ISBN 10h
4-7503-6055-4   COPY
ISBN 10
4750360554   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年2月20日
書店発売日
登録日
2026年1月8日
最終更新日
2026年2月10日
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1

紹介

現代のラテンアメリカで起こっている社会問題や事件は一国一地域に留まらない広域の問題である。水質汚染、採掘主義、国家暴力、グローバリズム、マイノリティ差別といった現在進行中の社会問題からボーダーレスな経済圏や文化の中でローカルに連帯し、つながる人々の生き方をミクロな視点から捉えつつ、これまでの国家や枠組みの在り方を問い直す過激な必読書!

目次

 はじめに

Ⅰ 先住民と現代世界

第1章 コミュニティ・フェミニズムがつきつける地平――先住民社会から問う、先住民社会をも問う闘い
第2章 先住民言語と文学――先住民に文学はできるか
第3章 博物館と遺骨――ラプラタ博物館を例として
第4章 仏領ギアナとモン難民――絡まり合いの歴史
第5章 地球の現在と先住民――「人」新世の問い
 【コラム1】「ラテン」と「アメリカ」の出会い、その現在
第6章 先住民との連帯――世紀のマイナー人類学史
第7章 グローバル資本主義に抗して――新たなもうひとつの世界を目指す民衆の苦闘

Ⅱ 資源をめぐる生と資本主義の現在

第8章 エクストラクティヴィズムと抵抗――破壊的な近代文明から異なる世界への移行
 【コラム2】気候暴力――環境活動家の殺害
第9章 流体に近づく大地、いくつもの抵抗――エクストラクティヴィズムの諸問題
第10章 水力発電ダム/水資源――本当に“クリーン”? 限りある資源をめぐる闘い
 【コラム3】収奪と闘うラテンアメリカの環境映画
第11章 編み直されるアマゾニアの森――断片化に抗して
第12章 パタゴニアと医療資源――薬草・マプーチェ医療・医療政策
第13章 「聖なる葉」コカ――伝統と近代と政治経済のグローバル化の狭間で
 【コラム4】コカ占いが泥棒を特定して解決策を指南

Ⅲ 暴力の記憶と想起の実践

第14章 国家暴力の被害者たち――正義、真実と記憶の継承を求めて
第15章 「ヌンカ・マス」――繰り返される決意の呼び声
第16章 人権侵害の裁判と米州人権保障システム――加害者の処罰をめぐる攻防
第17章 不処罰に抗する――法治社会を目指す人々の闘い
第18章 司法人類学の挑戦――「暴力の真実」の発掘
第19章 「記憶の博物館」と公的歴史――先住民アーティストたちの記憶をめぐる闘争

Ⅳ 性をめぐる異論/抗弁の射程

第20章 身体と再生産の脱植民地化――搾取に抗する女性の身体
第21章 不調和のパフォーマティヴィティ――ラス・テシスの告発
第22章 フェミサイドに抗する――女性の遺体が喚起したもの
第23章 打ち寄せる緑の波――中絶合法化をめぐって
第24章 平等婚の法制化――カトリック圏における同性カップルの権利保障
第25章 ヘイトクライムとの闘い――LGBTQ嫌悪による殺人事件の深刻さ
第26章 革命過程に介入する同性愛者運動――ネストル・ペルロンゲルと同性愛者解放戦線

Ⅴ 自らを導く者たち

第27章 ラテンアメリカにおける連帯経済――多様な実践と目指す世界
第28章 ラテンアメリカに広がる障害者の自立生活運動――アフターコロナのラテンアメリカの「ケア」をめぐる「運動」
第29章 サパティスタ運動――ローカルなテーマでグローバルに展開する運動の先駆け
第30章 共振する身体――五月広場の母たちとフェミニズムの結びつき
第31章 解放の神学/パウロ・フレイレの教育学――時代背景と現代的意義
 【コラム5】エンリケ・ドゥッセルと解放の哲学
 【コラム6】教皇フランシスコと現代における解放の神学の意義
第32章 変わりゆくカトリック教会――教え導く教会から仕える教会へ
第33章 人々の暮らしに息づく信仰――聖母・聖人崇敬とシンクレティズム
第34章 ガリフナ・ディアスポラ――ジェノサイドの記憶と移動民のアイデンティティ

Ⅵ 抵抗する表象・創造する運動

第35章 公共空間を占拠せよ――ストリートアート、グラフィティ
第36章 暴力の記憶と現代アート――喪失感と向き合うための表現
第37章 揺さぶられるボーダー――バッド・バニーとべべシート
第38章 ヒップホップ――ラティノアメリカの都市文化
第39章 1960年代から世紀末にかけてのウカマウ集団――国内で、亡命先で、かれらは何を描いたか
第40章 時間に抗う記憶――パトリシオ・グスマンの映画運動

Ⅶ 叛‐地政学と政治の詩学

第41章 空間錯誤〈アナトピズム〉の夢――Formosaの島々へ/から
第42章 島・群島の思想――〈関係〉としてのラテンアメリカ
第43章 環大西洋政治詩学――ブラック・ディアスポラの知的伝統
第44章 アフリカの「徴しるし」――彷徨う表象としてのブラック・ディアスポラ
第45章 環カリブの文学の地平――歴史、移動、言語を越えた対話
第46章 ブラック・ディアスポラ――アフリカ連帯と帰郷の夢
第47章 精神分析のラテンアメリカ――精神分析の叛-地政学のために
 【コラム7】マルクス主義×精神分析マリー・ランガー

 おわりに
 ブックリスト

前書きなど

はじめに

 「現代ラテンアメリカ社会を知る」ための本書は、エリア・スタディーズの入門書としてはいささか特異な構成になっているかもしれない。国別や地域別に章立てされていないだけでなく、「政治」「経済」「文化」など領域別の部構成にもなっていない。民族構成や産業構造、政治制度、貧困率を表やグラフに示して、ラテンアメリカ全体をわかりやすく図式化してみせるマクロな視点はここにはない。その代わりここにあるのは、もっとミクロな視点から捉えられた生のあり方、生きられ方である。

 (…中略…)

 だから本書を編むに際してわたしたち編者が各章の執筆者に送った依頼文は、通常とは趣の異なるものにならざるをえなかった。専門分野も違えば対象領域も異なり、執筆スタイルも個性豊かな32人の専門家のもとに、わたしたちは次のような執筆依頼文を送り届けた。執筆者各人には専門的なフィールドを出発点に、そこから見えてくる視点を大切にしてもらいたい。しかしその上で、「トランスナショナル/トランスローカルな動きや、グローバルサウスからの/ならではの視点を提示していただければ幸甚です」との但し書きを添えて。

 現在わたしたちは明石書店から『現代ラテンアメリカを知るための47章』という書籍の出版を企画しています。専門的な論集ではなく入門書に位置づけられるという点では既存のシリーズと同じですが、これまでの国別枠を越えた新たな切り口の本にしたいと考えています。本書の特徴は以下の6点に集約されます。
①一国史・一国文化に閉じないトランスナショナルな視点を重視する。
②上からのグローバリズムではなく、下からのトランスローカルな変容を基本的な視座とする。
③グローバルサウスの視点から、人々の思想・生活・活動のシームレスな連動を提示する。
④「政治」「経済」「地理」「文化」といった従来型の区分を超えた横断性を旨とする。
⑤言語圏(スペイン語圏、ポルトガル語圏、フランス語圏、英語、クレオール語圏等)を自明とせず、大陸視点だけでなく海域視点(環大西洋)も重視する。
⑥21世紀的現在を特権視せず(「今だけ」に光を当てる現状分析ではなく)、時間的な奥行きと歴史的な厚みを重視する。

 ある意味では伝統的なエリア・スタディーズの約束事を反故にするこうした本書の基本姿勢が、すべての執筆者に好意的に受け入れられたのは文字通りの僥倖だった。とはいえ執筆作業は思いがけない困難を伴うものだったようで、ある筆者から締切間近の時期に送られてきたメールの末尾に、「苦しい、苦しい、苦しい……」という呻き声とも怨嗟の念ともつかぬ呟きが記されていたのには恐れ入ったのであったが。
 こうして本書の出発点は定まった。ローカルな環境・状況に置かれた現地の人たちの営為や活動から出発しよう。かれらが遭遇するさまざまな出来事や困難、思いがけない出会いや結びつきの痕跡を追っていこう。それらの痕跡はそれぞれに異なるルートをたどりながら、ところどころで交差したり離れたり、分岐したり合流したりしながら痕跡の束をつくり出すだろう。それが本書でいう現代ラテンアメリカの「社会」になるはずだ。
 日本から遠く離れてはいるが、わたしたちと同じ時間を生きる「アメリカス」(南北アメリカ大陸とカリブ海域諸島を含む複数性を宿した概念)の人たちは、それぞれに異なる「作品」を生み出すことで世界に作用を及ぼしてきた。ここでいう「作品」は文学や芸術作品に限らない。スペイン語の「作品」(obra)という語は、何らかの行為や要因によって生みだされたものや、個人や集団の仕事や活動を指し示す広がりを持った語で、たとえば「この治療は薬草によるものだ」は「この治療は薬草の作品だ」と言ったり、「生存権獲得はサパティスタ運動の成果だ」は「生存権獲得はサパティスタ運動の作品だ」と言ったりする。だからたとえば薬草による医療実践や農村で生まれた先住民族のたたかいは、どちらも現地で生みだされる「作品」の一部である。同様に、国際的な人権組織への働きかけや、権力の暴力装置に対する異議申し立て、霊的存在との交渉、立場を異にする者同士の連帯や結びつき、忘却されようとしている証言や記憶の継承、解放をめぐる形而上学的な思索、聖なるものへの崇敬、異言語間の乗り継ぎといったものは、いずれもミクロな場所で生みだされた「作品」であり、それぞれが結びついたり互いに反響しあったりしながら世界に作用を及ぼしてきた。これらの「作品」は相互にまったく無関係に見えるが、ときには遠く離れた場所で生みだされた別種の「作品」と共鳴し合い、思いがけない連関を発生させる。これらのさまざまな「作品」の作用の連関や積み上げのなかから、現代ラテンアメリカ社会全体の多様な姿が見えてくるだろう。本書を通じて読者にその多様な現れを目撃してもらえるなら、わたしたちにとって望外の悦びである。

 (…後略…)

著者プロフィール

石田 智恵  (イシダ チエ)  (編著

早稲田大学法学学術院准教授。文化人類学・ラテンアメリカ研究。著書に『同定の政治、転覆する声――アルゼンチンの「失踪者」と日系人』(春風社、2020年)、共編著に『異貌の同時代――人類・学・の外へ』(渡辺公三・冨田敬大との共編、以文社、2017年、収録論文「個人の登録・消去・回復――アルゼンチンと同一性の問題」)、翻訳にベロニカ・ガーゴ「身体‐領土――戦場としての身体」『思想』1162号(岩波書店、2021年)、論文に「拷問と裁判をめぐる民衆の闘争――現代アルゼンチンの植民地性」『思想』1210号(岩波書店、2025年)、「やわらかな人種主義――アルゼンチンにおける「ハポネス」の経験から」『文化人類学研究』18巻(2017年)など。

林 みどり  (ハヤシ ミドリ)  (編著

立教大学文学部教授。ラテンアメリカ思想文化論。著書に『接触と領有――ラテンアメリカにおける言説の政治』(未來社、2001年)、分担執筆に「グローバル思想史という可能性――思想史を脱植民地化する」(内海博文編『グローバル化と時空(Ⅱ)』東信堂、2026年)、「越境する知と〈心的なもの〉の誘惑」(久保田浩・鶴岡賀雄他編、『越境する宗教史』リトン、2020年)、論文に「身体‐領土の潜勢力――五月広場の母たちからNi Una Menos へ」(『福音と世界』8月号、2021年)、「精神分析の未来――アルゼンチンで精神分析はどう生きられているのか」(『立教大学ラテンアメリカ研究所報』53、2025年)など。

追記

【執筆者一覧】

井垣昌(いがき・あきら)
早稲田大学他非常勤講師。ラテンアメリカ社会科学大学院大学(FLACSO Argentina)博士課程修了。博士(社会科学)。アルゼンチン・ボリビア社会文化など。論文に、"Desde Ambrosetti hasta Rabey, sobre la coca y el coqueo en Argentina" (Andes, Vol. 21, No. 1, 2010)、「人新世のためのアマゾンからの想像――脱人間中心的なエスノポエティックの創造にむけて」(『マテシス・ウニウェルサリス』第19巻第2号、2018年)など。

伊香祝子(いか・しゅくこ)
スペイン語講師。ラテンアメリカ地域研究。訳書にアダモフスキ『まんが反資本主義入門』(2007年、明石書店)。論文「軍政下アルゼンチン民衆文化への検閲:メルセデス・ソーサ“自分の土地のためのセレナーデ”(1979)を一例として」(『慶應義塾大学日吉紀要 言語・文化・コミュニケーション』49、2017年)他。

石田智恵(いしだ・ちえ) ※編著者紹介を参照。

一ノ瀬霞(いちのせ・かすみ)
東京大学大学院人文社会系研究科倫理学専門分野博士課程。専門はラテンアメリカ哲学・思想史。主な論文に“The concept of trust in Enrique Dussel’s philosophical method ‘analéctica’”(Revista Ciencias y Humanidades 18(1), 2024年4月)ほか。

井上武史(いのうえ・たけし)
RELAVINラテンアメリカ自立生活ネットワーク代表。ラテンアメリカにおける障害者運動のアクティビスト。立命館大学生存学研究所客員研究員。兵庫県西宮市の自立生活センター「メインストリーム協会」に在職中2012年よりJICA草の根技術協力事業通称「プロジェクトモルフォ」のプロジェクトマネージャーとしてコスタリカで働く。2025年より現職。

今福龍太(いまふく・りゅうた)
東京外国語大学名誉教授。文化人類学者・批評家。カリブ海・メキシコ・ブラジルでクレオール文化を研究。奄美・沖縄・台湾を結ぶ野外学舎〈奄美自由大学〉主宰。著書に『群島‐世界論』(岩波書店、2008年)、『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(みすず書房、2016年/讀売文学賞)、『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(新潮選書、2019年/宮沢賢治賞・角川財団学芸賞)、『仮面考』(2025年、亜紀書房)ほか多数。

岩村健二郎(いわむら・けんじろう)
早稲田大学法学部教授。キューバ歴史学。論文に「『犯罪人類学者』イスラエル・カステジャーノスの初期研究――20世紀初頭のキューバにおけるその人種主義」(『ラテンアメリカ研究年報』No.42、2022)、「奴隷の『病』としてのノスタルジー――バレーラ『考察』(1798年キューバ)を読む」(『ラテンアメリカ研究年報』No.44、2024)など。

上村淳志(うえむら・あつし)
高崎経済大学経済学部ほか非常勤講師。文化人類学、ラテンアメリカ地域研究、セクシュアリティ研究。著書に、畑惠子(編)『ラテンアメリカのLGBT――権利保障に関する6か国の比較研究』(共著、2024年、明石書店)など。訳書に、マイケル・タウシグ『美女と野獣』(共訳、2021年、水声社)など。

海老原弘子(えびはら・ひろこ)
アナキズム愛好家/イベリア書店事務員。スペインのアナキズムに関する執筆や翻訳が趣味。訳書ラモン・チャオ『チェのさすらい』(トランジスター・プレス、2011年)、ルドルフ・ロッカー『アナルコシンディカリスモ(抄訳)』(イベリア文庫、2024年)、共訳書ナバロほか『もうひとつの道はある』(柘植書房新社、2013年)。

大串和雄(おおぐし・かずお)
東京大学名誉教授。専門はラテンアメリカ政治、比較政治、平和研究。著書に『軍と革命――ペルー軍事政権の研究』(東京大学出版会、1993年、大平正芳記念賞受賞)、『ラテンアメリカの新しい風――社会運動と左翼思想』(同文舘、1995年)、編著に『21世紀の政治と暴力――グローバル化、民主主義、アイデンティティ』(晃洋書房、2015年)など。

太田昌国(おおた・まさくに)
評論家。民族問題研究。著書に『「ペルー人質事件」解読のための21 章』(現代企画室、1997年)、『チェ・ゲバラ プレイバック』(同、2009年)。『増補・決定版「拉致」異論』(現代書館、2018年)など。訳書に、ボニーヤ『神の下僕かインディオの主人か』(現代企画室、1997年)、チェ・ゲバラ『マルクス=エンゲルス素描』(同、2010年)など。

神崎隼人(かんざき・はやと)
大阪大学附属図書館/人間科学研究科助教。ペルー・アマゾニアの先住民運動、開発、科学技術社会論。論文に「もし河床を掘り起こしたら――ペルー領アマゾニアの運河開発をめぐる環境アセスメントの政治存在論」(『文化人類学』89巻4号、516-534頁)。監訳分担にアルトゥーロ・エスコバル『多元世界に向けたデザイン――ラディカルな相互依存性、自治と自律、そして複数の世界をつくること』(ビー・エヌ・エヌ、2024年)。

工藤由美(くどう・ゆみ)
慶應義塾大学ほか非常勤講師。専門は文化人類学。主な著作に「幸運なすれ違いがつくる場所――チリの先住民医療の現場から」(『寄食という生き方――埒外の政治‐経済の人類学』内藤直樹他編、昭和堂、2025年)、「マプーチェ医療は誰のものか――チリの公的医療で提供される先住民医療」(『多文化の共生社会を創る』石黒馨・福間真央・額田有美編、晃洋書房、2025年)など。

久野量一(くの・りょういち)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。ラテンアメリカ文学。著書に『島の「重さ」をめぐって――キューバの文学を読む』(松籟社、2018年)、『ラテンアメリカ文学を旅する58章』(共編著、明石書店、2024年)、訳書にマリオ・バルガス=リョサ『激動の時代』(作品社、2025)、フアン・ガブリエル・バスケス『歌、燃えあがる炎のために』(水声社、2024年)、カルラ・スアレス『ハバナ零年』(共和国、2019年)など。

狐崎知己(こざき・ともみ)
専修大学経済学部教授。国際関係論、ラテンアメリカ地域研究。著作に「市民社会」(村上雄介・出岡直也・山岡加奈子編『現代ラテンアメリカ政治』法律文化社、2025年)、「長期的発展経路と決定的な分岐」(山岡加奈子編『ハイチとドミニカ共和国』アジア経済研究所、2018年)、共編著に『グアテマラ内戦後・人間の安全保障の挑戦』(明石書店、2009年)など。

近藤宏(こんどう・ひろし)
津田塾大学学芸学部准教授。文化人類学、ラテンアメリカ研究。論文に「逃走が開く「翻訳」の可能性:コロンビア国内避難先住民の移動とその政治」(佐川徹ほか編『その空間を統治するのはだれか:フロンティア空間の人類学』ナカニシヤ出版、2025年)、「二面性という周縁――国内避難民の可視性について」(幡谷則子・千代勇一編『辺境からコロンビアを見る――可視性と周縁性の相克』上智大学出版、2024年)など。

崎山政毅(さきやま・まさき)
立命館大学教授。ラテンアメリカ思想史/グローバル資本主義分析。著書に『サバルタンと歴史』(青土社、2001年)、『資本』(2004年、岩波書店)、『二〇世紀〈アフリカ〉の個体形成――南北アメリカ・カリブ・アフリカからの問い』(共著、平凡社、2011年)、『マルクスと商品語』『(共著、社会評論社、2017年)など。

柴田修子(しばた・のぶこ)
同志社大学准教授。博士(グローバル社会)。社会学、ラテンアメリカ研究。主要業績として「メキシコにおける移民/難民の法整備と実態」(宇佐見耕一編著『ラテンアメリカと国際人権レジーム』晃洋書房、2024年)、「トゥマコの都市形成とクライエンテリズム」(幡谷則子・千代勇一編著『辺境からコロンビアを見る』上智大学出版、2024年)など。

冨田晃(とみた・あきら)
弘前大学教育学部准教授。ガリフナ研究。芸術教育。『ルソーと人食い』(共和国、2024年)、(映画)『ドゥグ:ガリフナの祖霊信仰』(エトノスシネマ、2022)、『楽器は語る』(千里文化財団、2015年)、『祝祭と暴力』(二宮書店、2005年)、(写真集)『ガリフナこころのうた』(現代企画室、1995年)、(CD)『カリブ海ガリフナ族の歌声:リタリラン』(VICG5337、1994年)。

内藤順子(ないとう・じゅんこ)
早稲田大学教授。文化人類学。著書に『取るに足らない者たちの民族誌――チリにおける開発支援をめぐる人類学』(春風社、2023年)、「拷問から生還した女性たち」(石田智恵編著『カタストロフの残響――ラテンアメリカの政治的暴力と日常』春風社、2026年)。編著に『「境界」の今を生きる――身体から世界空間へ・若手十五人の視点』(東信堂、2009年)など。

中川理(なかがわ・おさむ)
国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。文化人類学。共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社、2019年)、『移動する人々――多様性から考える』(晃洋書房、2019年)、『かかわりあいの人類学』(大阪大学出版会、2022年)など。共訳書にアルジュン・アパドゥライ『不確実性の人類学――デリバティブ金融時代の言語の失敗』(以文社、2020年)。

中村隆之(なかむら・たかゆき)
早稲田大学法学学術院教員。フランス語を中心とする環大西洋文化研究。著作に『ブラック・カルチャー』(岩波新書、2025年)、『環大西洋政治詩学』(人文書院、2022年)など。訳書にエドゥアール・グリッサン『カリブ海序説』(共訳、インスクリプト、2024年)、ルイ・サラ=モランス『黒人法典』(共訳、明石書店、2024年)など。

新谷和輝(にいや・かずき)
東京外国語大学大学院博士後期課程所属。チリやキューバを中心としたラテンアメリカ映画が専門。主な論文に「証言映画としての『チリの闘い』――闘争の記憶を継承するために」(『映像学』)や「不自然な観客のために――ラテンアメリカ映画の宛先」(『エクリヲ vol.15』)など。字幕翻訳や上映会企画、映画祭予備審査なども行う。

幡谷則子(はたや・のりこ)
上智大学外国語学部特別契約教授。University College London Ph.D.(人文地理)。ラテンアメリカ地域研究、社会運動論。単著に『ラテンアメリカの都市化と住民組織』(古今書院、1999年)、La ilusión de La participación comunitaria: Lucha y negociación en los barrios irregulares de Bogotá, 1992-2003(Bogotá: Universidad Externado de Colombia, 2010)。編著に『ラテンアメリカの連帯経済――コモン・グッドの再生をめざして』(上智大学出版、2019年)、共編著に『辺境からコロンビアを見る――可視性と周縁性の相克』(上智大学出版、2024年)など。

林みどり(はやし・みどり) ※編著者紹介を参照。

廣瀬純(ひろせ・じゅん)
龍谷大学経営学部教授。映画批評、社会思想。著書に¿Cómo imponer un límite absoluto al capitalismo? Filosofía política de Deleuze y Guattari (Tinta Limón, 2021) など。

弘田しずえ(ひろた・しずえ)
ベリス・メルセス宣教修道女会会員。国際パックス・クリスティ、カトリック非暴力イニシャティブ執行委員、女たちの戦争と平和人権基金理事。カトリック正義と平和協議会、タリタ・クム日本委員長、WCRP 人身売買タスク・フォース・メンバー。1989年から1993年まで、ニカラグア、エルビエホでキリスト教基礎共同体で奉仕、1993年から1997年までメキシコ市で奉仕。

細谷広美(ほそや・ひろみ)
成蹊大学文学部教授。文化人類学。著書に『アンデスの宗教的世界――ペルーにおける山の神信仰の現在性』(明石書店、1997年)『ペルーを知るための66 章』(編著、明石書店、2012年)、『グローバル化する〈正義〉の人類学――国際社会における法形成とローカリティ』(共編著、昭和堂、2019年)ほか。

水口良樹(みずぐち・よしき)
専門はペルー音楽と社会。大学非常勤講師。ラ米講★アビヤ・ヤラ主宰。井戸端人類学F2キッチンの世話人。編著に『日本から考えるラテンアメリカとフェミニズム』(中南米マガジン、2025年)、共著に『中南米の音楽:歌・踊り・祝宴を生きる人々』(東京堂出版、2010年)、分担執筆『ラテンアメリカ文化事典』(丸善出版、2021年)などがある。

柳原孝敦(やなぎはら・たかあつ)
東京大学教授。著書に『ラテンアメリカ主義のレトリック』(エディマン/新宿書房、2007年)、『テクストとしての都市 メキシコDF』(東京外国語大出版会、2019年)など。訳書に『カルペンティエール『春の祭典』(国書刊行会、2001年)、ボラーニョ『野生の探偵たち』(共訳、白水社、2010年)、アイラ『文学会議』(新潮社、2015年)、バスケス『物が落ちる音』(松籟社、2016年)、バルガス=リョサ『沈黙をあなたに』(集英社、2025年)など。

山越英嗣(やまこし・ひでつぐ)
都留文科大学教養学部准教授。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。専門は文化人類学、メキシコ地域研究。単著に『21世紀のメキシコ革命――オアハカのストリートアーティストがつむぐ物語歌』(2020年、春風社)、共著に「路上からインターネット空間へ――オアハカ先住民と「コモン」としてのストリートアート」『先住民とデジタル化する世界』(2025年、春風社)など。

横井川美貴(よこいがわ・みき)
イダルゴ州立自治大学芸術研究所教授。バレンシア工科大学美術学部博士課程修了。博士(視覚芸術とインターメディア)。視覚芸術・現代美術。共著にMéxico y Japón. Procesos de identidades artísticas y culturares(ENES Morelia UNAM、2025年)、Sublevaciones y sublimaciones(UAEMex、2022年)、Arte y género: problemáticas actuales desde una visión multidisciplinaria(UACB、2019年)、Perspectiva histórica del arte II(UAEH、2018年)ほか。

吉田栄人(よしだ・しげと)
翻訳家。元東北大学大学院国際文化研究科准教授。訳書に『穢れなき太陽』(水声社、2018年。2019年度日本翻訳家協会翻訳特別賞受賞)。国書刊行会刊「新しいマヤの文学」シリーズ(2020年)の『女であるだけで』『言葉の守り人』『夜の舞・解毒草』。編著に『メキシコを知るための60章』(明石書店、2005年)などがある。

渡部奈々(わたべ・なな)
獨協大学非常勤講師。宗教社会学、ジェンダー。著書に『ラテンアメリカのLGBT――権利保障に関する6か国の比較研究』(畑惠子編、明石書店、2024年)、『西洋における宗教と世俗の変容Ⅰカトリック的伝統の再構成』(伊達聖伸・渡辺優編、勁草書房、2024年)、『アルゼンチンカトリック教会の変容――国家宗教から公共宗教へ』(成文堂、2017年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。