書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
グレート・ゲームの未来
英領インドとユーラシアの戦略地政学
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2025年11月15日
- 書店発売日
- 2025年12月2日
- 登録日
- 2025年11月18日
- 最終更新日
- 2025年11月28日
紹介
本書は、第二次世界大戦末期に英国がインド独立を約束したことを契機に、英インド政庁が主導した安全保障戦略の検討過程を描いた地政学的研究である。オラフ・カロウ率いる研究グループが、インド独立後の「力の空白」に備えた戦略を構築する様子を資料に基づき再現する。
目次
日本の読者へのメッセージ
序文
凡例
インド政庁の官職の訳について
イギリスのインド統治 訳語一覧
主な登場人物
イントロダクション
第1章 総督の研究グループ
第2章 戦略的な中心――インド亜大陸
第3章 インドの外側のリング・フェンス――緩衝システム
第4章 インドの外側のリング・フェンス――ソ連と南西アジア
第5章 インドの外側のリング・フェンス――中国と東南アジア
第6章 インドの内側のリング・フェンス――バローチスターン、ネパール、ナガ丘陵
第7章 北西辺境州
第8章 イスラーム、パキスタン、そしてグレート・ゲームの未来
エピローグ
監訳者解説
原注
参考文献
索引
前書きなど
監訳者解説[髙橋博史]
(…前略…)
本書は地政学の本であるが、英領インド帝国の崩壊から分裂の時代の中で、インド政庁に勤務するスタッフ、特にオラフ・カロウ外務長官を中心とする人たちが、何を考え、どうしようとしていたのか。その方策と行動の軌跡を、当時の公文書を含む詳細な資料を基にまとめている。それだけではない。彼らの必死の知的格闘によって、インド亜大陸の未来に何が必要で、何をなすべきかについて、深い考察がなされている。まさに戦略とは何であるかを教えてくれる大変貴重な研究である。
そのため著者は、背景知識として必須となる英領インド帝国史や独立前夜のインドをめぐる状況についても触れたうえで、この書の主人公ともいえるインド政庁の外務長官カロウを「イデオロギーや歴史的瞬間を超越した『永続的な考え方』としての地政学の概念を体現している」人物であると紹介する。地政学が英領インド帝国を防衛するための必須な概念であったと述べている。
本書が地政学の書であることから、その研究領域は英領インド帝国だけにとどまらない。その近隣諸国についても知る必要がある。本書は英語圏の人々を対象としているためそうした説明は省かれている。そのため訳者は読者諸兄への便宜を図るため、原書にはない多くの情報を訳注として加筆することとした。その煩雑さに戸惑いを感じる方がおられるかもしれないが、ご容赦いただきたい。しかし、インドの周辺地域の地理と政治がどのように絡み合っているかを知るためには必要不可欠である。是非、訳注もご利用いただければ幸いである。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。
