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子どもの虐待防止・法的実務マニュアル【第8版】
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2025年5月15日
- 書店発売日
- 2025年5月29日
- 登録日
- 2025年4月23日
- 最終更新日
- 2025年5月9日
紹介
2022年の児童福祉法改正に完全対応。意見表明権をはじめとする子どもの権利擁護のさらなる推進や一時保護時の司法審査の導入など、最新の制度改正を踏まえて大幅に内容を刷新した待望の第8版。子どもの虐待防止・虐待対応に取り組むすべての実務家にとって必携の1冊。
目次
はじめに~第8版刊行にあたって~[日本弁護士連合会子どもの権利委員会委員長:相川裕]
第1章 児童虐待アウトライン
1 児童虐待とは何か
2 児童虐待の原因と影響
3 児童虐待と親権
4 児童相談所を中心とする虐待対応の流れ
5 児童相談所による保護以外の虐待対応の方法
6 児童虐待における関係機関との連携
7 児童虐待対応における弁護士の役割
8 相談時の留意点~関係機関からの相談~
9 相談時の留意点~子どもからの相談、聴き取り~
10 相談時の留意点~保護者からの相談と弁護士代理人の活動~
第2章 虐待防止と民事上の対応
1 親権制限制度について
2 親権停止
3 親権喪失
4 管理権喪失
5 親権喪失・親権停止・管理権喪失の審理手続
6 親権者・管理権者の辞任
7 未成年後見制度
8 親権者指定・変更
9 監護者の指定
10 子の引渡し
11 養子縁組
12 無戸籍問題
*コラム 2024年民法改正について
*コラム 渉外養子縁組
第3章 児童福祉行政機関による法的手続
1 発見・通告
2 調査
3 一時保護
4 児童福祉法第27条第1項第3号の措置
5 児童福祉法第28条の申立て
6 子どもと保護者との面会通信の制限
7 18歳に達した者の一時保護、施設入所措置等
8 親権制限制度
9 指導・支援
10 親子関係再構築支援
11 自立支援
12 意見聴取等措置・意見表明等支援事業
*コラム 外国籍の子どもを一時保護する際の留意点
第4章 ケースから学ぶ法的対応
1 身体的虐待
2 性的虐待
3 ネグレクト
4 心理的虐待
5 子どもが長期間登校していないケース
6 医療ネグレクト
7 乳児ケースの特殊性
8 高年齢児童のケース
9 非行がからむケース
10 DVが背景にあるケース
11 知的障害のある子どものケース
12 貧困家庭ケース
13 親の同意のない特別養子縁組のケース
14 指導勧告
15 警察・検察の捜査との関係が問題となったケース
16 子どもの手続代理人活用ケース
第5章 児童虐待と機関連携
1 虐待対応における機関連携の重要性
2 要保護児童対策地域協議会
3 情報共有・連携と個人情報に関する問題
第6章 児童虐待と刑事事件
1 児童虐待に関する刑事手続
2 虐待を受けた子どもへの法的支援
3 虐待を行った親の弁護活動
*コラム 司法面接
*コラム CDRに関する医療機関等との連携について
第7章 その他の諸問題
1 はじめに
2 児童相談所の処分に対する行政不服申立て
3 児童相談所や都道府県の決定等に対する行政訴訟
4 国家賠償請求
5 個人情報開示請求
6 公的機関等から児童相談所への照会等
7 保護者への対応
書式集
33条審判申立書
申立てに係る報告書
児童福祉法28条1項に基づく承認審判申立書
児童福祉法28条2項但書に基づく承認審判申立書
親権停止審判申立書
審判前の保全処分申立書
特別養子適格の確認の申立書
臨検・捜索許可状請求書
索引
前書きなど
はじめに~第8版刊行にあたって~
1998(平成10)年6月に、私たち日本弁護士連合会子どもの権利委員会が本書の初版を出してから27年になります。その間、2000(平成12)年の児童虐待の防止等に関する法律の成立を含め、児童福祉法や民法等の児童虐待対応に関する法律は何度かの大きな改正を経てきており、そのつど、本書も改訂を重ねてきました。本書第7版は、2020(令和2)年の特別養子縁組制度の大きな変更を踏まえ、また2022(令和4年)の民法改正による成年年齢の引き下げなどを見据えて、2021(令和3)年に出版されました。
今回は、4年ぶりの改訂となります。2022(令和4)年の児童福祉法改正により意見聴取等措置や意見表明等支援事業など子どもの意見表明権をはじめとする子どもの権利擁護に関する規定が盛り込まれたこと(2024(令和6)年4月施行)を反映したほか、同改正のうち2025(令和7)年6月に施行が予定されているいわゆる一時保護時の司法審査なども含めて、大幅に内容を見直しました。
少子化が叫ばれて久しい中でも、児童相談所における児童虐待対応件数は毎年過去最多を更新し続けており、2022(令和4)年度には21万4843件にも及びました。また、心中も含めた児童虐待による死亡事例件数も毎年年間約70件程度にものぼっております。2023(令和5)年にこども基本法が施行され、私たち大人は、生命や身体の安全は当然のことながらあらゆる子どもの権利が保障される社会を目指すことが求められています。
本書は、初版から一貫して、各地で実際に子どもの虐待防止・虐待対応活動に関わってきた弁護士の活動の蓄積を踏まえ、その法的ノウハウをすべてまとめ、法的実務のポイントを解説し、あわせて子どもの虐待防止・虐待対応活動に必要な医学、心理学、福祉に関する情報・知識を盛り込んでいます。今回も、子どもの権利委員会子どもの福祉小委員会のメンバーを中心に、試行錯誤の中で得た知見をすべて出して、議論をしてまとめたものです。私たちは、子どもの権利擁護に取り組む皆様と活動する中で、さらに研鑽を深め、子どもの虐待防止・虐待対応のために実効的な法制度に向けて、活動を強化していきたいと考えています。
本書が、児童相談所や市区町村、NPOなど様々な立場で子どもの虐待防止・虐待対応に取り組まれている皆様にお役に立つことができれば幸いです。
2025(令和7)年5月 日本弁護士連合会子どもの権利委員会 委員長 相川裕
上記内容は本書刊行時のものです。