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フーコー『言葉と物』を読む
言語の回帰と人間の消滅
原書: Lire «Les mots et les choses» de Michel Foucault
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年6月4日
- 書店発売日
- 2025年6月6日
- 登録日
- 2025年5月19日
- 最終更新日
- 2025年6月19日
紹介
構造主義の嵐が吹き荒れる1966年にフランスで刊行されベストセラーとなったミシェル・フーコーの『言葉と物』。果たして、わたしたちはこの書物をどれほど理解してきただろうか。一切の予断を排し、この革命的テクストを内在的に読解し解読する。
目次
二〇〇六年~二〇二四年 『言葉と物』を読み、ふたたび読む――『フーコー『言葉と物』を読む』日本語版への序文
謝辞
序論
物の秩序
歴史
境界-同一なるものと他なるもの
類似、表象、言説――『言葉と物』第一部概説(第一章~第五章)
歴史、人間、言語――『言葉と物』第二部注解(第七章~第一〇章)
「われわれの近代性の境界」
1.ある断絶の考古学
一.分離
二.「カント主義」と人間学
2.近代の知の根本的諸形象
一.経済学の誕生
二.近代生物学の歴史的アプリオリ
三.文献学と言語の分散
3.知の人間学的襞
一.〈言説〉の終焉
二.人間学的四辺形
有限性の二つの側面
経験的なものと超越論的なものの混同
思考されざるもの
起源にあるものと時間の分散
三.人間学的襞の解体
4.「人間諸科学」への異議申し立て
一.人間諸科学の認識論的状況
二.「無意識的表象」
三.無意識、歴史――人間とその〈他なるもの〉
四.言語の永劫回帰
結論
『言葉と物』第二部分析的要約(第七章~一〇章)
用語集
文献案内
なぜわれわれは『言葉と物』を最後まで読み通せないのか――訳者解説にかえて
前書きなど
刊行から四〇年が経った今日に、いまだに混乱と困惑をもたらし続けるこの「仲間外れの」著作に戻る利点が理解される。今や流行の影響は去り、そしてまたフーコーの思想の残された部分が入念な研究の対象となったおかげで、その驚くべき可塑性が明らかになった。おそらく、『言葉と物』にも、その理路を明らかにする読解がなされる時が来ている。この読解の主要な目的とは、『言葉と物』の全体的構造とその目的、そしてもっとも意義ある理論的所産を明らかにすることである。このような作業を首尾よく行うために重要なのは、論争に身を投じることではない。そうではなく、フーコー自身がその「人間諸科学の考古学」を、当時の一般的諸問題(言語、人間、無意識、表象の問題)に関与する「戦いの本」として理解していたという視点を見失わないことである。〔「序論」より〕
上記内容は本書刊行時のものです。