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言葉の味
人生を豊かにする秘密のゲーム
原書: Le Goût des mots
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2025年4月25日
- 書店発売日
- 2025年5月8日
- 登録日
- 2025年4月8日
- 最終更新日
- 2025年4月23日
紹介
フランスを代表する知性が愛着した言葉の宝庫を公開する。直観的に、あるいは自由な連想によって見つけた独自の言葉の定義集と、経験や感動を抽象化せずに直接伝える慣用句の数々。言葉と戯れつつ隠された豊かな世界を発見する喜びに満ちたゲームへと誘う。
目次
ゲームの開始
第一のルジストル
第二のルジストル
ゲームは終わらない
訳者あとがき
前書きなど
訳者あとがき
本書の著者フランソワーズ・エリチエ Françoise Héritier(1933-2017)は、フランスを代表する人類学者の一人である。特に、ブルキナファソのサモ族の親族体系の分析を専門とし、また、人類学の研究に身体の問題を導入して、身体の象徴人類学という新しい境地を開いた。社会科学高等研究院EHESSの教授を務め、クロード・レヴィ=ストロースの後継者としてコレージュ・ド・フランスの教授にも就任した。
彼女はまた、「男女の示差的原初価」という概念をキーとするフェミニズム理論によっても知られ、フランスの男女平等政策に少なからぬ影響を与えている。この分野の主著、『男性的なもの/女性的なもの I.「差異の思考」、II.「序列を解体する」』(Masculin-Féminin I. La Pensée de la différence, II. Dissoudre la hiérarchie, Odile Jacob, 1996, 2002)は、本書と同じ明石書店から翻訳出版されている(井上たか子・石田久仁子共訳、II. 2016年、I. 2017年)。
他方、彼女にはエッセイストとしての側面もあり、幅広い豊かな教養と瑞々しい感性に満ちた文章は、研究著作とはまた別のエリチエの魅力を示している。その第一作 Le Sel de la vie, Odile Jacob, 2012(『人生の塩 豊かに味わい深く生きるために』(井上たか子・石田久仁子共訳、明石書店、2013年)は、フランスで30万部のベストセラーになり、日本語訳も売り切れになっている。
今回訳出したのは、その第二作 Le Goût des mots, Odile Jacob, 2013 で、絶筆となった第三作 Au gré des jours, Odile Jacob, 2017(『日々の流れのままに』未邦訳、2017年フェミナ賞審査員特別賞受賞)との、いわば、三部作の真ん中に位置する作品である。
本書は「ゲームの開始」、「第一のルジストル」、「第二のルジストル」、「ゲームは終わらない」の四つの部分からなっていて、序章であると同時に中心部でもある「ゲームの開始」では、書き言葉と話し言葉、言語と思考、言語の感覚的・身体的な起源などのテーマをめぐって、エリチエが子ども時代からこれまでに経験した言葉との関係が語られている。もちろんそれは言語学者としてではない。彼女はそれをファンタジーと表現しているが、どんなふうに言葉と戯れてきたかが語られている。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。