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〈私〉をめぐる対決
独在性を哲学する
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年12月25日
- 書店発売日
- 2021年12月28日
- 登録日
- 2021年11月24日
- 最終更新日
- 2021年12月28日
書評掲載情報
2022-01-29 |
毎日新聞
朝刊 評者: 橋爪大三郎(社会学者) |
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紹介
現代日本で全く独自に独在性の哲学を築きあげてきた永井均。永井哲学のキーワード、〈私〉について永井と森岡正博が徹底的に掘り下げる。私の特別さはどうすれば正しく言い表せたことになるのか? 現代日本哲学に新たなページを開く本格哲学入門シリーズ、第2巻。
目次
全巻のためのまえがき
第2巻のまえがき
第Ⅰ部 この本で何が語られるのか
第1章 〈私〉とは何だろうか?[森岡正博]
1 何が問われるのか
2 〈私〉とは何か
3 〈私〉とは誰のことか
語句解説(公共言語、私的言語/独在性/独我論/可能世界と現実世界/現実性/否定神学/〈私〉と《私》)
第Ⅱ部 実況中継「現代哲学ラボ 第2回」
第2章 現代哲学ラボ 〈私〉を哲学する[永井均×森岡正博]
永井均氏との出会い
普遍化できないはずの〈私〉の問題
驚きから始まる子どもの哲学
他人によって主張された独我論
独我論と独今論の違い
「対話とは何か」を問いなおす
独在性と口
「翔太が〈私〉である」は理解可能か
〇フロアからの質問
〈私〉や〈今〉を生じさせるもの
〈私〉と口のつながり
ロジックをロジックで考える
〈私〉は時間で変わらないのか
〈私〉の日本語以外での表現
第Ⅲ部 言い足りなかったこと、さらなる展開
第3章 〈私〉の哲学を深掘りする[森岡正博]
1 〈私〉の哲学はどのようにして始まったか
2 〈私〉の哲学の展開
3 森岡の「独在的存在者」の概念
4 現実性と独在性
5 読み換えと独在性
第4章 森岡論文への応答[永井均]
1 「第1章 〈私〉とは何だろうか?」について
2 「第3章 1 〈私〉の哲学はどのように始まったか」について
3 「第3章 2 〈私〉の哲学の展開」について
4 「第3章 3 森岡の「独在的存在者」の概念」について
5 「第3章 4 現実性と独在性」について
6 「第3章 5 読み換えと独在性」について
第5章 貫通によって開かれる独在性――あとがきに代えて[森岡正博]
あとがき
読書案内
前書きなど
第2巻のまえがき[森岡正博]
『現代哲学ラボ』第2巻では、永井均と森岡正博が、〈私〉を徹底的に掘り下げる。これまで正面から語られることのなかった新しい哲学の世界が切り開かれていくのを味わってほしい。本書は、『現代哲学ラボ』第1巻(入不二基義・森岡正博著「運命論を哲学する」)を読んでいなくても内容を理解できるようになっている。
第1章では、森岡が、永井の〈私〉についての哲学の入門部分を、できるかぎり分かりやすく解説する。
第2章は、現代哲学ラボの当日の様子を再現したものである。
第3章では、森岡が、現代哲学ラボの対論を受けて、永井の独在性の哲学をじっくりと検討し、議論を展開する。
第4章は、永井が森岡の考察を受けて、本書のために新たに書き下ろしたものである。森岡が第3章で提起した問題点を徹底的に批判している。
第5章は、永井からの批判を受けて森岡が考えたことを記している。
本書では〈私〉の問題を集中的に扱うが、〈私〉の問題は、時間的な「今」の問題と密接に結びついている。「今」については、「現実性」との関連をも含めて、引き続き刊行予定の第3巻「現実性を哲学する」(仮題)にて本格的に扱うことにしたい。
読者は、いまここに現にひとりだけ特殊な形で存在するものについての、不思議で妖しい在り方に惹きこまれていくであろう。
あとがきは、田中さをりによって書かれた。
上記内容は本書刊行時のものです。