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カリフォルニアのワイン王 薩摩藩士・長沢鼎 上坂 昇(著) - 明石書店
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カリフォルニアのワイン王 薩摩藩士・長沢鼎 (カリフォルニアノワインオウサツマハンシナガサワカナエ) 宗教コロニーに一流ワイナリーを築いた男 (シュウキョウコロニーニイチリュウワイナリーヲキズイタオトコ)

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発行:明石書店
四六判
260ページ
上製
価格 2,600円+税
ISBN
978-4-7503-4517-8   COPY
ISBN 13
9784750345178   COPY
ISBN 10h
4-7503-4517-2   COPY
ISBN 10
4750345172   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0023  
0:一般 0:単行本 23:伝記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年5月
書店発売日
登録日
2017年5月18日
最終更新日
2017年5月18日
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紹介

幕末に薩摩藩が英国に送り出した留学生の一人、長沢鼎。その後米国に渡った彼は当時最盛期を迎えていた宗教コロニーで生活し、のちにカリフォルニアで一大ワイナリーの所有者として成功を収めた。知られざる波瀾万丈の人生を米国研究者の視点から描き出す。

目次

 はじめに

第一章 欧米に目覚めた幕末期
 1 イギリス公使館襲撃事件
 2 生麦事件から薩英戦争へ
 3 イギリスへ留学生の派遣

第二章 ロンドンでの留学生
 1 グラバー家の支援と薩摩藩
 2 学び始めた留学生

第三章 日本人留学生を導いた二人の宗教家
 1 オリファントとハリス
 2 ハリスの宗教コロニー
 3 分裂する日本人留学生

第四章 トマス・レイク・ハリスとは何者か?
 1 新生国家日本のビジョン
 2 宗教コロニーの歴史的背景
 3 三つの異なるタイプのコロニー
 4 ハリス・コロニーの神学

第五章 長沢鼎のワイナリー経営
 1 カリフォルニアに新天地を求めて
 2 ワイン・キング長沢への歩み
 3 カリフォルニアの名士と移民排斥
 4 晩年の厳しい試練
 5 今日に生きる長沢鼎

 おわりに
 注
 参考文献
 長沢鼎関連年表
 索引

前書きなど

 はじめに


 これまで何冊かの本を書いてきたが、テーマはアメリカ研究に関するものだけだった。というより、そのテーマ以外には関心も向かなかったし、能力もなかった。ところが、今回はちょっとした出来事から、幕末のサムライがイギリス留学を経てアメリカに向かい、宗教コロニーでキリスト教を学ぶ若者の存在を知った。しかも、日本人移民としてではなく、アメリカ人の特殊な集団のなかで認められ、最終的にワイナリーの経営者として大成功するというのだから、他に類を見ないほど稀有の事例である。それなのに日米関係史において、ほとんど知られていないことから、大いなる関心をもつにいたった。
 六、七年も前のことだが、横浜で起こった生麦事件の現場近くに資料館(参考館、二〇一四年に閉館)のあることを偶然に知り訪ねてみた。横浜育ちなので、生麦事件のことは名前くらいは聞いていたが、詳しいことは知らなかった。生麦事件から薩英戦争に発展し、その終戦後に薩摩藩がイギリスに留学生を送った。これだけなら、本の執筆には決してつながらなかっただろうが、そのうちの何人かがアメリカに渡ったことを知り、自分の研究分野でも扱えるテーマだと何気なく思った。
 アメリカに六人の留学生が渡り、最年少の長沢鼎はカリフォルニアの宗教コロニーでブドウを植え、大きなワイナリーにまで育てあげるという成果をあげる。若い薩摩藩士がなぜ、異端のキリスト教を提唱する宗教活動家トマス・レイク・ハリスのコロニーで、その教えを実践しながらワイナリー経営者に育っていったのか。長沢に関する関心や疑問がどんどんふくらんでいった。資料があまりないことはすぐわかった。しかし、鹿児島県の図書館、全米日系人博物館、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、かつてワイナリーのあったカリフォルニアのサンタローザなどを訪ねたり、古い資料をインターネット検索にかけたりしているうちに、なんとか一冊の本にできそうな自信がわいてきた。

 (…後略…)

著者プロフィール

上坂 昇  (コウサカ ノボル)  (

 1942年、東京生まれ。東京外国語大学卒業後、時事通信社、小学館、在日アメリカ大使館を経て、桜美林大学教授(アメリカ研究)。2013年から同大学名誉教授。
 著書(単著)には、『現代アメリカの保守勢力――政治を動かす宗教右翼たち』(ヨルダン社、1984年)、『アメリカ黒人のジレンマ――「逆差別」という新しい人種関係』(明石書店、1987年、増補版1992年)、『アメリカの貧困と不平等』(明石書店、1993年)、『キング牧師とマルコムX』(講談社現代新書、1994年)、『神の国アメリカの論理――宗教右派によるイスラエル支援、中絶・同性結婚の否認』(明石書店、2008年)、『オバマの誤算――「チェンジ」は成功したか』(角川oneテーマ21新書、2010年)、『アメリカの黒人保守思想――反オバマの黒人共和党勢力』(明石書店、2014年)がある。
 訳書には、アンドリュー・ハッカー『アメリカの二つの国民』(明石書店、1994年)、シーモア・M・リプセット『アメリカ例外論――日欧とも異質な超大国の論理とは』(明石書店、1999年、金重紘との共訳)、ティム・ワイズ『オバマを拒絶するアメリカ――レイシズム2.0にひそむ白人の差別意識』(明石書店、2010年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。