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ドイツに生きたユダヤ人の歴史 アモス・エロン(著) - 明石書店
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ドイツに生きたユダヤ人の歴史 (ドイツニイキタユダヤジンノレキシ) フリードリヒ大王の時代からナチズム勃興まで (フリードリヒダイオウノジダイカラナチズムボッコウマデ)
原書: The Pity of It All: A Portrait of the German-Jewish Epoch, 1743-1933

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発行:明石書店
四六判
576ページ
上製
定価 6,800 円+税   7,480 円(税込)
ISBN
978-4-7503-3942-9   COPY
ISBN 13
9784750339429   COPY
ISBN 10h
4-7503-3942-3   COPY
ISBN 10
4750339423   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0322  
0:一般 3:全集・双書 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年12月
書店発売日
登録日
2013年12月17日
最終更新日
2013年12月17日
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紹介

ドイツ人口の0.5%にすぎないユダヤ人だったが、フリードリヒ大王の時代からヒトラー出現までの200年間に、メンデルスゾーン、ハイネ、アインシュタイン等傑出した人物を多数輩出した。彼らが偏見と差別に向きあって自己を主張し苦闘した経緯を描く。

目次



第一章 古代栄光の民――無宿者とゲットー社会の悲哀

第二章 メンデルスゾーンの時代――ユダヤ人の啓蒙運動とキリスト教徒社会

第三章 ミニチュアのユートピア――ナポレオンがもたらした束の間の解放

第四章 ハイネとベルネ――三重の悲しみを紡ぐ人々

第五章 諸国民の春――一八四八年の革命と挫折

第六章 期待と不安――ビスマルクとドイツ帝国の誕生

第七章 進歩の時代――ユダヤ人中産階級の形成

第八章 同化と不満――ドイツ帝国の発展―黄金の二五年

第九章 戦争熱――国家総力戦とユダヤ人

第一〇章 終焉――ワイマール時代からヒトラーの時代へ

 謝辞
 訳者あとがき
 引用文献

前書きなど

 訳者あとがき

 本書は、アモス・エロン著 The Pity of It All A Portrait of the German-Jewish Epoch 1743-1933 の全訳、一八世紀中期に始まるハスカラ(ユダヤ人の啓蒙運動)からヒトラーの登場まで、偏見と差別にさらされたドイツ・ユダヤ人社会の葛藤の歴史である。
 中心に位置するキリスト教徒社会と、その周辺部の小さいユダヤ人社会は、さまざまな点で互いに異質であった。生活を律する共同体の核心部分である宗教は、同じ系統とはいえ対立している。特にユダヤ教では戒律が日常生活に組みこまれ、その暦(陰暦)も宗教と歴史に由来する行事が沢山あって、生活のリズムが違う。使用言語も違っていた。
 キリスト教徒社会より少し遅れて始まった啓蒙運動(ハスカラ)は、時代の進歩に遅れないために必要であったが、円滑にいったわけではない。日常生活は戒律が支配し、学習も聖書とタルムードの勉強を中心とする。そこへ世俗の教育を取り入れ、生活のリズムを外部に合わせようとすると、共同体の中で聖と俗の葛藤が生じる。
 共同体の外側は、ユダヤ人を偏見の色眼鏡で判断し差別する世界である。世俗の教育を受けても職業や学問から排除され、仲間に入れて貰えない。個人レベルで見ると、キリスト教徒社会の生活と文化に適応する所謂同化だけでは、公職や教職につけず、改宗が必要であった。改宗は、これまでの存在基盤であった共同体からの離脱を意味し、個人と共同体に強い葛藤を生じた。
 本書は、フリードリヒ大王の時代から第一次世界大戦後の時期までの二〇〇年を対象とし、メンデルスゾーン、ハイネ、革命家・銀行家バンベルガー、実業家・外相ラーテナウ或いはアインシュタイン等が、偏見と差別に向き合って自己を主張し、苦闘した経緯を描く。
 行商、質屋、クズ屋或いは乞食を生業とし、人口の〇・五%を占めるにすぎなかった被差別民は、この二〇〇年の間に世界に知られる人物を多数輩出し、実業界でもドイツ有数の企業を作りだすまでに成長したが、葛藤の歴史がそこで終わったわけでない。
 著者エロンは、政治哲学者ハンナ・アーレントがベルリンを脱出するところで、筆を置いた。この後戦争が始まり、同時並行的に進行するホロコーストで、ヨーロッパのユダヤ人社会が潰滅し、六〇〇万のユダヤ人が抹殺されたのは周知の通りである。

 (…後略…)

著者プロフィール

アモス・エロン  (エロン,アモス)  (

ユダヤ/イスラエル近現代史研究者、主流紙「ハ・アレツ」論説委員(欧米問題担当)。ウィーンに生まれ、1933年英国委任統治領パレスチナへ移住。ヘブライ大学、ケンブリッジ大学で歴史及び政治学を専攻。イスラエルを代表する知識人の一人であったが、歯に衣を着せぬ筆致で、イスラエルの政策も容赦なく批判。晩年はイタリアのトスカナに居を移した。主要著書『憑かれた大地を行く・二つのドイツ』(Journey through a haunted land: The two Germanies 1966)、『イスラエルびと・建国者と息子達』(The Israelis: Founders and sons 1970)、『敵意の狭間で』(Between enemies: A compassionate dialogue between an Israeli and an Arab 1974)、『ヘルツェル伝記』(Herzl: A biography 1975)、『エジプトへの飛行』(Flight into Egypt 1980)、『エルサレム・鏡のまち』(Jerusalem: city of mirrow 1989)、『初代ロスチャイルドの肖像とその時代』(Founder: A portrait of the first Rothchild and his time 1996)、『血みどろの中東便り』(Blood dimmed tide: Dispatches from the Middle East 1997)など多数。

滝川 義人  (タキガワ ヨシト)  (

ユダヤ、中東研究者。長崎県諫早市出身、早稲田大学第一文学部卒業、元イスラエル大使館チーフインフォメーションオフィサー、現中東報道研究機関(MEMRI)日本代表。主要著書に『ユダヤ解読のキーワード』(新潮社)、主要訳書にギルバート『ホロコースト歴史地図』(東洋書林)、ザハル『ユダヤ人の歴史』(明石書店)、ラーナン編『イスラエル現代史』(同)、リトナー編『ホロコーストの記憶』(サイマル出版会)、ヴィストリヒ編『ナチス時代ドイツ人名事典』(東洋書林)、コメイ『ユダヤ人名事典』(東京堂出版)、リップシュタット『ホロコーストの真実』(恒友出版)、クーンズ『ナチと民族原理主義』(青灯社)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。