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戦国城郭に秘められた呪いと祈り 小和田 哲男(著) - 山川出版社
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戦国城郭に秘められた呪いと祈り (センゴクジョウカクニヒメラレタマジナイトイノリ)

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発行:山川出版社
四六判
208ページ
定価 1,800 円+税   1,980 円(税込)
ISBN
978-4-634-15199-4   COPY
ISBN 13
9784634151994   COPY
ISBN 10h
4-634-15199-5   COPY
ISBN 10
4634151995   COPY
出版者記号
634   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年6月10日
最終更新日
2024年1月24日
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書評掲載情報

2022-09-03 毎日新聞  朝刊
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紹介

これまでは「軍事施設」中心で語られてきた城郭研究において、近年、研究の進展により、そもそも「城とは何か」という点が注目を集めています。
そこでキーワードとなるのが「祈りの場」「権威の源」としての城の姿です。本書は、充実の一途をたどる城郭研究の新たな潮流に注目し、城郭史を「陰陽道」「鎮守」「呪い」「祈り(宗教施設)」という観点から捉えなおすことを目的としています。
具体的には、石垣に使われる転用石について、従来は石材不足を補うといった実用面、または戦国武将が不信心であることの証左として語られることが多かったのに対し、本書では、転用石を逆さに積むことで「けがれの逆転」を意図しているのではないかとの仮説を立てています。
このように、築城に当たっての場所選びから普請・作事にいたるまで、中世の呪術的な意識と儀礼がどのように作用していたのかを読み解きたいと考えます。

目次

序 章 戦国時代における呪いと祈り
 戦国時代における呪術と武将の関係とは
 戦国時代まで城はどのように発達したか
 軍事面だけではなかった戦国の城

第一章 聖地としての城――地選・地取における呪術の役割
 信仰の山に城を築く
 織田信長の築いた城も信仰の山だった
 聖地から城へ変化するチャシとグスク
 「四神相応」は意識されていたか

第二章 神様の名が残る城――縄張からみた信仰の足跡
 鬼門除けを意識した縄張
 城内に鎮守を勧請して曲輪の名称に

第三章 転用石・鏡石・猪目石の役割を見直す
 転用石は石不足を補うだけではなかった
 鏡石のねらいは何だったのか
  猪目石も魔除け効果があったのか
  呪術的な石垣の刻印もあった

第四章 天守・櫓に込められた祈りと呪い
 天守は祭祀空間だった
 祈祷櫓と祈念櫓
  鯱と三つ巴軒丸瓦および桃瓦

第五章 「人柱」はあったのか――地鎮の作法
 軍配者が主導した地鎮祭
 「人柱伝説」のある城
 「人柱」の痕跡はみられるのか
  出土する人形は「人柱」の代わりか

第六章 城における鎮守と結界のかたち
 城館跡から出土する呪符と護符
 城に稲荷神が祀られることが多いのはなぜか
 城に八幡神社を祀ることも多い
 城下の艮の方角に鬼門除けの神社や寺を置く

終 章 近世の城と城下町への継承
 近世に入っても城地選定を占いで決めていた!?
 城内および城下に東照宮が祀られる

あとがき
参考文献
城名・城館名索引 

著者プロフィール

小和田 哲男  (オワダ テツオ)  (

静岡大学名誉教授、日本城郭協会理事長

上記内容は本書刊行時のものです。