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出版者情報
雪〈SNO〉
消えてゆく歴史
- 初版年月日
- 2026年11月16日
- 発売予定日
- 2026年11月18日
- 登録日
- 2026年10月8日
- 最終更新日
- 2026年10月27日
紹介
地球に最初に雪が降ったのは25億年前。この清くはかない物質は、温暖化によりさらに不安定になっている。雪は消えてしまうのか。そのとき人は何を失うのだろう。
雪という一語が示すのは、宙空で塵と共に凍った水がつくる、はてしない、まさに無数の形態。それは上空でいくつもの条件が揃ったときにだけ現れる。季節ごとに降っては消える一方、氷河になると何万年も永らえる。雪の結晶はできた瞬間から変成をくり返し、同じ状態に留まらない。そのひとつひとつが降りながら音を吸収する。静まり返った白銀の地上の美しさ。雪下は暖かく、小動物が快適に暮らす。
本書は雪について書かれた、おそらく初の歴史書だろう。物理学、化学、地理学、気象学、人類学に及ぶ雪の研究。雪氷学の誕生。絵筆やカメラが捉えた雪。世界有数の雪国日本の『雪華図説』『北越雪譜』、そして中谷宇吉郎の結晶研究。第三次世界大戦が北極圏で想定された時代の雪と戦略。ナチのプロパガンダとニベアクリーム。
縦横無尽の語りを結ぶのは雪への愛。科学や統計を踏まえた感性や感情こそが、人新世の環境への取り組みを推進する。著者は、地球を気遣う「よりよい」人類のイメージを「雪の天使」に見出し、ベンヤミンの「歴史の天使」に対置させている。
北欧の思想史・環境史家が贈る科学と人文学のクロスオーバー。静かな場所で、しんしんと読みたい。
目次
はじめに――雪の天使(スノー・エンジェル)
ダイヤモンドと鳥たちの羽
雪の不安
雪への愛(Amor nivis)
雪がくれるケア
光と沈黙
雪の悲嘆
冷たいアクティヴィズム
結晶の探索者(クリスタル・シーカーズ)
雪は狂気をいやす
白い魔法
天からの手紙
戦略的な雪
地に足のついたユートピア
ニベア
スピードと調和
雪中の死
変成
あとがき
謝辞
訳者あとがき
原注
上記内容は本書刊行時のものです。
