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ジェイムズ・ボールドウィンのアメリカ
「もう一度始める」ための手引き
発行:白水社
46
310ページ
定価
4,200円+税
- 書店発売日
- 2023年9月13日
- 登録日
- 2023年7月31日
- 最終更新日
- 2023年12月27日
書評掲載情報
2023-12-23 |
毎日新聞
朝刊 評者: 若島正(京都大学名誉教授・米文学) |
2023-11-25 |
毎日新聞
朝刊 評者: 若島正(京都大学名誉教授・米文学) |
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紹介
1960年代末から70年代にかけてボールドウィンは、アメリカという国が、マルコムXや非暴力を唱えていたキング牧師さえも殺害し、黒人解放運動を袖にする様子を目の当たりにした。公民権運動が盛り上がりを見せ、一時は希望と期待に胸膨らませたが、結局これまでと変わらぬ白人優位の体制を選んだことを思い知らされ、深い幻滅と絶望を味わったのだ。
アフリカン・アメリカン研究の分野をリードする著者は、ボールドウィンの足跡と数ある作品の中から、当時の暗澹たる状況に彼がどう向き合ったかを探り出した。初の黒人大統領が誕生し、今度こそアメリカは変わると思われたすぐ後でトランプ政権に代わり、白人至上主義が再燃するような今の危機的状況にこそ、ボールドウィンの作品と当時の発言を振り返り、もう一度始めるためのヒントを探る意義があると考えたからだ。
都合よく解釈され語り継がれてきた「アメリカ」という物語を噓と断じたうえで、ボールドウィンの意図することとその背景にあるものを深く掘り下げ、当時と今を行き来しながら、われわれが直面する人種問題、ひいてはアメリカという国のありようについて論じた魂の書である。
目次
はじめに──ジミーと考える
第一章 アメリカの噓
第二章 証言
第三章 危険な道
第四章 仕切り直し
第五章 異郷
第六章 残骸
第七章 もう一度始める
結論 新しいアメリカ
著者による注釈/謝辞/訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。