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陽だまりの昭和 川本 三郎(著/文) - 白水社
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陽だまりの昭和 (ヒダマリノショウワ)

文芸
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発行:白水社
四六判
224ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-560-09150-0   COPY
ISBN 13
9784560091500   COPY
ISBN 10h
4-560-09150-1   COPY
ISBN 10
4560091501   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年12月3日
最終更新日
2025年1月28日
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紹介

「昭和100年」記念出版!
昭和の暮しの温もりを綴る

時代の変遷とともに人々の生活習慣や価値観も移り変わり、昭和の風物詩が消え去りつつある今、「昭和」といえば、戦争や不況、思想弾圧など昭和史の暗い面に焦点をあてて語られがちである。だが、そんな時代にも市井の人々の暮しには穏やかな時間が流れていた。本書では、「失われた昭和」の温もりを、映画や文学、流行歌や絵画などに「描かれた昭和」から多面的に浮かび上がらせる、著者ならではのエッセイ集。

紙芝居、熱海への新婚旅行、アルマイトの弁当箱、夕暮れ時に傘を持って駅にお迎えに集まる人々の姿など、昭和の失われた風景がある一方で、「外食」や「アルバイト」はいつから始まったのか? 「ハイボール」の起源は? 「名曲喫茶ブーム」の背景は? ラジオの普及を促したのはスポーツ中継だった……など、令和にも息づく流行や事柄も多く、意外な発見がある。また、昭和30~40年代の高度経済成長期には、女性のバス車掌が最も多く、美容師は「キャリアウーマン」の先駆けだったことなど、戦後自立して生活していく女性の姿とその背景を細やかに追う著者のまなざしもあたたかい。人々の生が輝いていた、懐かしい昭和が詰まった一冊。

目次

[目次]

Ⅰ 昭和の暮し 
郊外住宅地 小市民のささやかなユートピア 
犬を飼う暮し 犬の名前の定番は「ポチ」
こたつを囲んで 家で一番暖かい場所 
傘を持ってお迎え 夕暮れ時の駅前風景 
井戸の水のおいしさ 井戸端会議を楽しむ主婦たち 

Ⅱ 女性たち 
美容師 モダンな自立した女性たち 
バスの車掌さん 高度経済成長期に咲いた花 
見合い 良家のお嬢さんの結婚へのプロセス 
ミシンで自立する女性たち 町に洋服店があった頃
ダンスホール 社交ダンスブームに乗って
マネキン・ガールの登場 昭和初期の華やかな職業 
小刀で削る鉛筆 子供のために鉛筆を削る母 

Ⅲ 青春 
駅の別れ プラットホームでのドラマ 
熱海へのお出かけ お忍び旅行の行き先
小さな町にも映画館 昭和30年代が映画の黄金時代
名曲喫茶 電蓄で聴くクラシック 
新婚旅行が始まった 新橋発熱海行きの「蜜月列車」 
映画の中のキスシーン 刺激的だった昭和の接吻
「アルバイト」は戦後から 昭和二十年代の流行語に
スキー・ブーム ゲレンデに遊ぶ若者たち
恋人たちの喫茶店 「シネマ見ましょか お茶のみましょか」 
歌声喫茶の時代 理想と自由を胸に明日へ

Ⅳ おしゃれ 
ステッキ 大人の男のたしなみ 
鼻緒のすげかえ 町を下駄で歩いた頃 
紳士服はオーダーメイド 社会に出る大切な儀式 
風呂敷 昭和の日常生活に溶け込む 

Ⅴ 楽しみごと 
銭湯 庶民の小さな楽しみ 
ラジオは友だち 実況中継で高まった野球人気 
原っぱの野球 子供たちの絶好の遊び場 
夜店、縁日 家族で夜店を銀ぶら
デパートにお出かけ 屋上遊園地は松屋から
アドバルーン 都心の空を彩る 
夜行列車 一人で乗り込む女たち 

Ⅵ 子供の遊びと学校 
紙芝居が町にやって来た 『黄金バット』で大人気に 
修学旅行 時節に左右された行き先 
オルガン 小学校の各教室に 
川で泳いだ夏の日 懐かしい川辺の夏スケッチ 
合唱の楽しさ 仲間が集うと、歌が始まる 
ガリ版が学校にあった頃 先生と生徒の絆 

Ⅶ 食の風景 
アルマイトの弁当箱 蓋の絵が子供に大人気 
お出かけと外食 ラーメンもライスカレーも関東大震災後から 
かき氷 夏限定の最高のご馳走 
ハイボールとバー モダンボーイが主役 

あとがき 
作品名索引
人名索引

著者プロフィール

川本 三郎  (カワモト サブロウ)  (著/文

1944年(昭和19年)東京生まれ。評論家。
著書『大正幻影』(サントリー学芸賞)、『荷風と東京『断腸亭日乗』私註』(読売文学賞)、『林芙美子の昭和』(毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞)、『白秋望景』(伊藤整文学賞)、『マイ・バック・ページ』、『いまも、君を想う』、『向田邦子と昭和の東京』、『老いの荷風』、『遠い声/浜辺のパラソル』など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。