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海をあげる 上間 陽子(著) - 筑摩書房
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海をあげる (ウミヲアゲル)

社会一般
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発行:筑摩書房
四六判
256ページ
定価 1,600 円+税   1,760 円(税込)
ISBN
978-4-480-81558-3   COPY
ISBN 13
9784480815583   COPY
ISBN 10h
4-480-81558-9   COPY
ISBN 10
4480815589   COPY
出版者記号
480   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年10月27日
書店発売日
登録日
2020年9月18日
最終更新日
2023年7月31日
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書評掲載情報

2021-10-30 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 東えりか(書評家)
2021-01-16 朝日新聞  朝刊
評者: 武田砂鉄(ライター)
2020-12-13 読売新聞  朝刊
評者: 橋本倫史(ノンフィクションライター)
2020-11-21 毎日新聞  朝刊
評者: 川本三郎(評論家)
2020-11-14 日本経済新聞  朝刊
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紹介

Yahoo!ニュース|本屋大賞2021 ノンフィクション本大賞受賞!
第7回沖縄書店大賞 沖縄部門大賞受賞!
第14回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞!

「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。
幼い娘のかたわらで、自らの声を聞き取るようにその日々を、強く、静かに描いた衝撃作。

―――
ねえ、風花。海のなかの王妃や姫君が、あの海にいる魚やカメを、どこか遠くに連れ出してくれたらいいのにね。赤くにごったあの海を、もう一度青の王国にしてくれたらいいのにね。

でもね、風花。大人たちはみんな知っている。護岸に囲まれたあの海で、魚やサンゴはゆっくり死に絶えていくしかないことを。卵を孕んだウミガメが、擁壁に阻まれて砂浜にたどりつけずに海のなかを漂うようになることを。私たちがなんど祈っても、どこからも王妃や姫君が現れてくれなかったことを。だから私たちはひととおり泣いたら、手にしているものはほんのわずかだと思い知らされるあの海に、何度もひとりで立たなくてはならないことを。そこには同じような思いのひとが今日もいて、もしかしたらそれはやっぱり、地上の王国であるのかもしれないことを。

だから、風花。風花もいつか、王国を探して遠くに行くよ。海の向こう、空の彼方、風花の王国がどこかにあるよ。光る海から来た輝くあなた、どこかでだれかが王妃の到着を待っているよ。(「アリエルの王国」より)
―――

最後に知るタイトルの意味――
その時、あなたは何を想うか。

ブックデザイン=鈴木成一デザイン室
装画・挿画=椎木彩子

【目次】
美味しいごはん
ふたりの花泥棒
きれいな水
ひとりで生きる
波の音やら海の音
優しいひと
三月の子ども
私の花
何も響かない
空を駆ける
アリエルの王国
海をあげる

調査記録
あとがき

目次

【目次】
美味しいごはん
ふたりの花泥棒
きれいな水
ひとりで生きる
波の音やら海の音
優しいひと
三月の子ども
私の花
何も響かない
空を駆ける
アリエルの王国
海をあげる

調査記録
あとがき

著者プロフィール

上間 陽子  (ウエマ ヨウコ)  (

1972年、沖縄県生まれ。琉球大学教育学研究科教授。普天間基地の近くに住む。 1990年代から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わる。2016年夏、うるま市の元海兵隊員・軍属による殺人事件をきっかけに沖縄の性暴力について書くことを決め、翌年『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版、2017)を刊行。ほかに「若者たちの離家と家族形成」『危機のなかの若者たち 教育とキャリアに関する5年間の追跡調査』(乾彰夫・本田由紀・中村高 康編、東京大学出版会、2017)、「貧困問題と女性」『女性の生きづらさ その痛みを語る』(信田さよ子編、日本評論社、2020)、「排除Ⅱ――ひとりで生きる」『地元を生きる 沖縄的共同性の社会学』(岸政彦、打越正行、上原健太郎、上間陽子、ナカニシヤ出版、 2020)など。現在は沖縄で、若年出産をした女性の調査を続けている。

上記内容は本書刊行時のものです。