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パブリックコメント 略して パブコメの教科書
一人からはじめる市民参加
- 初版年月日
- 2026年11月10日
- 発売予定日
- 2026年11月17日
- 登録日
- 2026年9月9日
- 最終更新日
- 2026年10月1日
紹介
2025年3月、環境省が実施したパブリックコメント(以下、パブコメ)には20万件を超える意見が寄せられました。その一方で、同一文面の大量投稿やSNS上での情報拡散をめぐり、制度のあり方にも注目が集まっています。政治や社会問題について誰もが発信できる時代になった一方で、デマや誤情報の拡散、意見の分断も深刻化しています。パブコメという言葉は知っていても、実際に意見を送ったことがある人はまだ少ないかもしれません。「どうせ変わらない」「難しそう」「何を書けばいいかわからない」と感じる人も多いのではないでしょうか。
パブコメは市民が行政の政策に意見を届けることのできる、数少ない制度の一つです。暮らしに関わる具体的な計画について、そこに暮らす人は誰でも意見を伝えることができます。たとえば京都市では、高校生が提出した「動物の殺処分をなくしてほしい」という意見がきっかけとなり、動物愛護センター設立へとつながりました。すぐに結果が出なくても、市民の声が制度や政策を動かす可能性は確かに存在しています。
本書では、漫画家・細川貂々さんが、市民として「パブコメって何?」「意見を出して本当に届くの?」「そもそもどこでどんなふうにやっているの?」といった素朴な疑問を投げかけます。それに答えるのが、日本で唯一パブリックコメントを専門に研究し、長年その普及活動に取り組んできた吉岡久恵さん。
吉岡さんは京都市の若者会議でパブコメ支援に携わったことをきっかけに、市民参加のあり方に関心を持ち、自治体のパブコメ制度について研究を重ねてきました。博士論文では全国の自治体を対象に制度の定着と運用を分析し、その成果は自治体関係者からも注目されています。また、京都市で出前方式の「対話型パブコメ」を実践する中で、多くの人が本当は地域や社会について語りたい思いを持っていることに気づきました。意見がないのではなく、話す機会がないだけ。丁寧に耳を傾ければ、人々は自らの暮らしの実感を言葉にできる。行政にとっても、市民の率直な声は政策をより良いものにするための貴重な手がかりになります。
本書は、そんな吉岡さんの研究と実践を、細川貂々さんならではの生活感覚とユーモアを交えてコミック化した入門書です。パブコメの成り立ちや仕組み、実際に声が届いた事例、市民と行政それぞれの立場から見た課題や可能性、そして意見の書き方まで、パブコメのイロハを紹介します。政治や行政を遠い世界の話だと思っている人にも、「自分の意見なんて届かない」とモヤモヤを感じている人にも、そして行政職員にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。本書が、自分の暮らすまちや社会に関心を持ち、主権者として参加する第一歩となることを願っています。
〈※本書は、「京都地域創造基金言語と未来基金」の助成を受けて制作されました〉
目次
はじめに
◆第1章 パブコメって、なんですか?
どうすればいいの?
どうやってできたの?
民主主義って大きく二つあるの
パブコメの力が発揮される時
実際のイメージ
【コラム】教えて!吉岡先生
直接民主主義ってなに?① 市民の声を聞くしくみ
直接民主主義ってなに?② 国のパブコメ、自治体のパブコメ
パブコメの力が発揮されるのはどんな時?
◆第2章 パブコメとの出会い
吉岡先生はなぜパブコメにハマったか
パブコメをお祭りみたいに
子どものころから関心があった
【コラム】教えて!吉岡先生
行政の担当者はパブコメをどう思ってるの?
パブコメ普及協会ってどんな組織?
◆第3章 声が届くと、何が変わる?
高校生の声が届いた
行政側はどうしてるの?
どうしてパブコメを広めたいの?
形だけになってる?
可能性はあるの?
【コラム】教えて!吉岡先生
パブコメは政策にどんなふうに影響するの?
パブコメが政策を動かした例はありますか?
◆第4章 うまくいかないのはなぜ?
対話型パブコメで気をつけること
請願もあるけど
パブコメの活動
他の自治体のパブコメ事情
もっと届けてほしい
【コラム】教えて!吉岡先生
パブコメって政治参加なの?
どんな意見が届きやすい?
◆第5章 やってみよう、パブコメ
パブコメってこんな感じ
パブコメを書いてみよう
どんなふうに書けばいい?
誰でも書ける
おわりに
【コラム】教えて!吉岡先生
もっとパブコメを知りたい人のために
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。





