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電子書籍時代の紙の本の価値
30か月間の読書の実体験からわかったこと
- 初版年月日
- 2026年4月30日
- 書店発売日
- 2026年4月21日
- 登録日
- 2026年3月2日
- 最終更新日
- 2026年3月2日
紹介
本書は、私自身を実験台にした「デジタル読書」の実験をまとめたものである。
「サンプル数1の実験など意味がない」と考える人もいるかもしれない。ここでの報告は、あくまで私の個人的な体験談が中心だ。されど、私自身、目から鱗が何枚も落ちた体験談だったことを強調したい。
これまで私は、紙での読みとデジタル環境での読みとで、読みのパフォーマンス (読みのスピード、理解度、校正読みでのエラー検出率などの客観指標) がどのように異なるのかを比較する認知心理学的な実験を行ってきた。客観性を追求するために、実験室内で条件を統制した環境下での実験を繰り返してきた。しかし、本来、読書は日常に根差したものだ。紙とデジタルの比較を生業とする研究者として、自らの実体験にもとづく切実なメッセージを読者に届けたいと思った。
本書をまとめるにあたって、デジタル読書の体験から得た知見もまた実りあるものだった。読書環境として、紙とデジタル機器の良し悪しを知るだけでなく、デジタル読書にさまざまな利便性を感じた。特に、文字を拡大できること、夜でも書籍を購入してすぐに読み始められること、大量の本を持ち運んで複数の本を平行して読み進められることなどは、将来的にデジタル読書がより普及する可能性を感じさせるのに十分だった。しかし、デジタル端末で快適に読書するには、現在の端末のデザインに大幅な改善が必要だと感じたのも事実だ。
また、今回の実験から、本を読むという行為がいかなるものであるのかを私自身が再確認する機会となった。人はこれまでできていた当たり前のことができなくなって初めて、そのありがたみを感じるものなのだろう。
本書でのまとめは、あくまでも私自身の体験をまとめたものだが、電子書籍時代と言われるようになって久しい現代において、電子書籍の良さはもちろん、改めて紙の本の良さにも大いに気づきを与えてくれる内容となっていえる。
目次
はじめに
第1章 背景と目的
第2章 電子書籍とは
第3章 実験方法
第4章 結果の概要
第5章 デジタル読書の利点
第6章 デジタル読書の問題点
第7章 紙の本を再び手にして思ったこと
第8章 デジタル読書の利点と問題点のまとめ
第9章 考察
第10章 むすび
上記内容は本書刊行時のものです。
