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こわい、こわい 黄 英治(著/文) - 三一書房
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こわい、こわい 短編小説集

発行:三一書房
四六判
縦188mm 横127mm 厚さ17mm
重さ 270g
270ページ
定価 1,800円+税
ISBN
9784380190025
Cコード
C0093
一般 単行本 日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年4月5日
書店発売日
登録日
2019年2月20日
最終更新日
2019年3月24日
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紹介

 本書に収めた短い小説たちに修正と加筆をしながらふと苦笑したのは、これらの作品のほとんどが在日朝鮮人の〈死〉を、さまざまに、飽きもせずテーマにしていることだった。そうなったのは、私が先に逝った在日一世や二世たちの追悼を引き受けなければならない年齢に達したからだろう。ある在日朝鮮人の死には、植民地主義の歴史と現在が深く刻印されている。残念ながら、どんなに平穏であろうとしても、在日朝鮮人は植民地主義の暴力から、いまだ解放されていない。

 「植民地主義は他者の系統だった否定であり、他者に対しての人類のいかなる属性も拒絶しようとする凶暴な決意である。故に、それは被支配民族を追いつめて、『本当のところおれは何者か』という問いをたえず自分に提起させることになる」(フランツ・ファノン『地に呪われたる者』みすず書房)

 本短編集に通底するもうひとつのテーマは、植民地主義――ヘイトスピーチ、ヘイトクライムに対する足搔きにも似た抵抗と対峙である。これも唇を噛みしめながら、ひたすら反復している。と同時に、反復は少しずつずれている。小説でしか表現できない虚構的現実が、読者にとって新たな経験となり、不可視の何かを実感的に捉える手掛かりになれば、と願う。

 私たちは、植民地主義の克服という世界中が同一の問題を抱えている世紀に生きているのは間違いない。そして、私たちは〈いま〉から逃走できない。〈いま〉が私たちの時代であり、〈いま〉を生きるしかない。だから私は、これからもこの〈いま〉ではない、別の〈いま〉を求めて細々と書きつづけていくだろう。(あとがきより)

目次


墓守り
墓殺し
ひまわり
煙のにおい
あばた
君が代アリラン


こわい、こわい
歌う仕事
鏡の国
あるところ……
新・狂人日記
小さな蓮池
フィウォナ――希願よ!

著者プロフィール

黄 英治  (ファン ヨンチ)  (著/文

1957年岐阜県生まれ。04年「記憶の火葬」で労働者文学賞2004、15年小説「あばた」で第41回 部落解放文学賞受賞。
著書に『記憶の火葬―在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で』(影書房、2007年)、『あの壁まで』(影書房、2013年)、『前夜』(コールサック社、2015年)、『在日二世の記憶』(共著、集英社新書、2016 年)、韓国語版『前夜』(韓程善訳、宝庫社、2017 年)、韓国語版『あの壁まで』(鄭美英訳、2019 年刊行予定)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。