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出版者情報
念力恋愛
発行:幻冬舎
四六変型判
144ページ
定価
1,300円+税
- 書店発売日
- 2020年10月8日
- 登録日
- 2020年9月4日
- 最終更新日
- 2020年9月15日
書評掲載情報
2021-01-30 |
朝日新聞
朝刊 評者: 千葉聡(歌人) |
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紹介
「あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか」
「ラブレターは死語か否かで華やいだ吉祥寺デニーズ跡地ながめる」
「修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ」
ひっそり恋しく思い輝く108の星団 怪しくも艶やかに微笑む40の恒星
短歌界の異才・笹公人×アート界の鬼才・水野しずによる、短歌と創作(妄想ラブレター)とイラストの、「念力恋愛」ワールド。
憧れの山田先輩念写して微笑む春の妹無垢なり
うっとりと「別れの曲」を弾いている 男子生徒の背を椅子にして
古本の少女漫画にはさまれし郵送未遂のレター哀しき
ケイタイがつながらぬ夜はいつのまにプラス思考の本読んでいる
あの夏の石段の上僕の背を押した少女よ どうしてますか
指切りの指のほどけるつかのまに約束蜂の針がきらめく
ふられ男(お)の激しき無念吸い取ってますます冴えるきみの美貌は
星占いのページに見入る少女たち 思われニキビにクリームのせて
色褪せたプリクラ纏い思い出の蛹のような「写ルンです」は
マドンナの脇毛さやかになびきたる二十年(はたとせ)前の夏期講座あわれ
上記内容は本書刊行時のものです。