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レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和 黒田祐我(著) - 中央公論新社
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レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和 (レコンキスター「スペイン」ヲウンダチュウセイ800ネンノセンソウトヘイワ)

新書
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新書判
336ページ
定価 1,100 円+税   1,210 円(税込)
ISBN
978-4-12-102820-4   COPY
ISBN 13
9784121028204   COPY
ISBN 10h
4-12-102820-1   COPY
ISBN 10
4121028201   COPY
出版者記号
12   COPY
Cコード
C1222  
1:教養 2:新書 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年7月30日
最終更新日
2024年9月20日
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書評掲載情報

2024-10-26 朝日新聞  朝刊
評者: 佐藤雄基(立教大学教授)
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紹介

8世紀の初めにジブラルタル海峡を渡ってイベリア半島さらにフランスにまで勢力を伸ばしたイスラーム。その後はキリスト教徒側が少しずつ押し戻し、1492年のグラナダ陥落でイスラーム勢力を駆逐した。
この800年に及ぶ「聖戦」は「レコンキスタ」と呼ばれる。だがキリスト教徒勢力もイスラーム勢力も一枚岩ではなく、戦争と平和、寛容と不寛容、融和と軋轢に彩られていた。
レコンキスタの全貌について語る初めての通史。

目次

目次

はじめに

第一章 レコンキスタ前史
1 地理環境とたどった歴史との深い関係
東西南北の結節点   分断され多様性を育んだ場
2 古代ヒスパニアの歴史
諸民族のるつぼ   属州ヒスパニア   西ゴート王国の盛衰

第二章 アンダルスの成立と後ウマイヤ朝の栄華
1 イベリア半島の征服
「フリアン伝承」――西ゴート王国社会の分断を示すエピソード   イベリア半島への上陸と征服
2 アンダルスの成立
征服か併合か?――アンダルス成立をめぐる議論①   アラブ化・イスラーム化の是非――アンダルス成立をめぐる議論②   アンダルスの社会構造
3 後ウマイヤ朝治下のアンダルス
後ウマイヤ朝の成立   アンダルス社会の変容(8 世紀~9世紀)   コルドバの殉教運動――9世紀後半の社会的危機①   反乱の激化――9世紀後半の社会的危機②   辺境領域の動向
4 カリフ制の成立
アンダルス社会の成熟   寛容の理想郷?   最盛期の明暗

第三章 レコンキスタのはじまり
1 アストゥリアス王国の成立
レコンキスタとは?   コバドンガの戦い   脱神話化
2 レコンキスタの開始?
もうひとつの神話:「ノーマンズ・ランド」?   アストゥリアス王国の拡大聖ヤコブ崇敬とレコンキスタ・イデオロギー
3 様々な「レコンキスタ」のあり方
イベリア半島北東部の特徴   ナバーラ王国のはじまり   カタルーニャ諸伯領のはじまり   キリスト教諸国の確立と分岐

第四章 力関係の逆転
1 マクロ視点から見た11世紀 西欧世界と地中海
社会的な「革命」   経済的な「革命」   宗教的な「革命」
2 第一次ターイファ時代
後ウマイヤ朝の滅亡   ターイファ諸国の「栄華」   歪な蜜月関係――パーリア制
3 キリスト教諸国の優位
カスティーリャ・レオン王の覇権   皇帝を名乗ったアルフォンソ六世   合従連衡――半島北東部情勢
4 劇的な状況変化
それぞれの思惑――ターイファ諸国とアルフォンソ六世   直接支配の開始   ムラービト朝の介入

第五章 一進一退の攻防
1 キリスト教諸国の混乱と成長
カスティーリャ・レオンの危機   カスティーリャ・レオンの再編   エブロ川流域の征服活動   アラゴン連合王国の成立
2 風雲急を告げるマグリブ・アンダルス
ムラービト朝の滅亡   第二次ターイファ時代と征服活動の進展   ムワッヒド朝の登壇とアルフォンソ七世の夢
3 「私利私欲」で動く国々
ムワッヒド朝によるアンダルス支配   相争うキリスト教諸王国   ラス・ナバス会戦
4 「大レコンキスタ」
第三次ターイファ時代   キリスト教諸国の動静   カスティーリャによる大征服   レコンキスタの完了?

第六章 征服活動の実態
1 「宗教戦争」をめぐる本音と建て前
非妥協的な宗教対立の時代?   戦争の実態   征服が成功した時期の短さ
2 征服活動
強襲――征服活動の類型①   強制退去――征服活動の類型②   残留許可――征服活動の類型③   征服がもたらした結果――トレードの事例より
3 共存の実態
モサラベ   ムデハル   ユダヤ人   「寛容」なのか? 「不寛容」なのか?――二者択一では把握できない実態

第七章 中世後期の危機
1 「フロンティアの閉鎖」
ナスル朝グラナダ――最後のアンダルス王朝   アルフォンソ一〇 世時代の明暗   中世後期の危機とその影響
2 「海峡戦争」
ジブラルタル海峡に目を向ける諸勢力   目まぐるしく展開する合従連衡  アルフォンソ一一世の征服活動   「海峡戦争」の終結
3 危機の本格的到来
トラスタマラ内戦   カスティーリャ王国の立て直し   アラゴン連合王国の地中海進出と停滞   ナスル朝の最盛期――奇妙なねじれ現象

第八章 アンダルスの黄昏
1 攻勢に出るカスティーリャ王国
第一次グラナダ戦役――摂政フェルナンドの時代   第二次グラナダ戦役 フアン二世の時代   第三次グラナダ戦役――エンリケ四世の時代
2 近隣諸国と辺境の動向
ナスル朝の衰退とカスティーリャの介入   アラゴン連合王国とその他の諸国カスティーリャ辺境領域
3 「グラナダ戦争」(1482~1492年)
歴史の偶然か必然か?――カトリック両王の登壇   対異教徒認識の変化?   ナスル朝の滅亡

終章 レコンキスタの終わり?
中世と近世のはざまにあった戦争   同化か移住か   「近世化」――ナスル朝滅亡後の急激な変化   モリスコ問題を経て、いま

あとがき

本書に関連する時代の略年表
参考文献
事項索引
人名索引

著者プロフィール

黒田祐我  (クロダユウガ)  (

黒田祐我
1980年,富山県小矢部市生まれ。早稲田大学第一文学部西洋史学専修を卒業.早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学(西洋史)専攻に進学して博士(文学)学位を取得.この間,サラマンカ大学(2005~2006年),セビーリャ大学(2007~2010年)に留学.早稲田大学文学学術院助手,日本学術振興会特別研究員(PD),信州大学学術研究院人文科学系准教授,神奈川大学外国語学部准教授を経て,現在,同大学外国語学部教授.専門は中世スペイン・地中海交流史.
著書『レコンキスタの実像――中世後期カスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和』(刀水書房,2016年),『スペインの歴史を知るための50章』(立石博高・内村俊太編.分担執筆,明石書店,2016年),『〈図説〉スペインの歴史』(共著,河出書房新社,2022年)など.

上記内容は本書刊行時のものです。