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女曲馬師の死
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 1997年6月
- 書店発売日
- 1997年6月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
「サーカスはもっとも美しい遊戯である」。サーカス史のなかの色々な出来事やエピソードを極彩色に描いた曲馬と曲芸極彩色物語集。
目次
1 雇い主の逮捕
2 詩人と猛獣使い
3 賭けごと
4 あほうな仕立職人
5 女曲馬師の死
6 ナイアガラ滝の女工
7 カンカンの競演
8 エルヴィラ・マディガン―或いは幸運の果て
9 陪審員の判決
10 女ともだち
11 道化たちの決闘
12 腕をなくしたヴアイオリン弾きの夢
13 カフェで朝食をとる獅子
14 シユウクス酋長さいごの日
15 ヴィネタの沈没―リングの海の中で
16 自由の女神にハンカチーフ
17 深夜のミステリー
18 鉄の手を持つ男
19 火事だ!
20 “民衆は何か噂をはじめるにちがいない”?
21 踊る皿
22 曲馬と将官
23 にせもののオイディプス
24 ブラヴオ、シスターよ!
25 まだ郵便はこないのか?
26 もしもフェーン(南風)がきたら
27 妙技とは幸運のことである
28 ブンテの後継者
29 勇敢な“歩兵”
30 十月のある日曜日
31 “ズブロフカ”のレッテルが生きていたように
――或いはある“気のふれた”男の生涯にまつわる四 つのエピソード
32 サーカスのオスカー賞
33 イルカのお話
解説にかえて――「サーカス物語」、その後 大場仁子
前書きなど
日本経済新聞 1997.3.16
欧州サーカス史を短編で俯瞰
ヨーロッパのサーカスの歴史をつづった本が、どれだけ紹介されているものか、くわしいことはまるで知らないのだが、訳者が「あとがき」で言っているように、「こんな方法で書いたのは珍しい」し、おそらく今後もないだろう。おさめられている33話のそれぞれが、上質のコントか洒落た短編小説の趣きなのである。しかもそのいずれもが、歴史にあらわれたほんのディティールにすぎないエピソードを扱いながら、時代が見え、世態風俗が匂い、ひとのこころが写されて、33話を通読することによって、いつの間にかサーカスという世にもまれなるスペクタクルな総合芸術の全体像を俯瞰(ふかん)していることに気づかされるのだ。
本書の著者はボヘミア生まれのジャーナリストで、空中ブランコやパントマイム、サイレント・クラウン、司会などで舞台に立った経験をもっている。大道芸の寄せあつめと見られていたサーカスを総合芸術に仕あげたサラザニの研究者としても知られているそうだが、ひとびとを魅了してやまないサーカスが内包している知的な部分に、鋭い嗅覚をはたらかせてみせる。
訳者は、あのベルリンの壁が崩壊する寸前の東ベルリンの書店でこの本に出合い、「たのしみながらこつこつ訳していた。訳しておけば、いつか陽の目をみるときがあるだろうと思っていた」という。いい本が世に出る理想のかたちのひとつがここにあるように思われる。
上記内容は本書刊行時のものです。
