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ゆきどけ産声翻訳機 Best selection 100 現代川柳アンソロジー
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2026年1月30日
- 登録日
- 2026年1月9日
- 最終更新日
- 2026年5月18日
書評掲載情報
| 2026-05-30 |
毎日新聞
朝刊 評者: 東直子(歌人・作家) |
| 2026-02-08 | 産經新聞 朝刊 |
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紹介
Z世代の川柳人・暮田真名が、いま読むべき100の現代川柳を紹介するアンソロジー。
切れ味鋭い選句と鑑賞文で「現代川柳」のおもしろがり方がわかる、入門書となる一冊。
川柳の歴史や属性川柳と現代川柳の違いなどの基礎知識や、さらに川柳を知りたくなった人のための案内コラムも収録。
想像している川柳の姿と全く違うことに、はじめは驚くだろう。これからあなたは、雪の下に睡っていた川柳という文芸の豊かさを知ることになる。--暮田真名
我妻俊樹/天根夢草/飯島章友/石田柊馬/伊吹一/岩田多佳子/浮千草/大友逸星/大西泰世/小野寺里穂/小原由佳/川合大祐/木本朱夏/草地豊子/熊谷冬鼓/倉本朝世/黒澤多生/くんじろう/小池正博/公共プール/河野春三/榊陽子/佐藤みさ子/沢田百合子/滋野さち/清水かおり/城水めぐみ/新家完司/添田星人/高瀨霜石/瀧村小奈生/竹井紫乙/千春/時実新子/中西軒わ/なかはられいこ/中村冨二/浪越靖政/野沢省悟/芳賀博子/畑美樹/樋口由紀子/尾藤三柳/兵頭全郎/平岡直子/広瀬ちえみ/古谷恭一/前田一石/松木秀/松永千秋/丸山進/湊圭伍/むさし/八上桐子/柳本々々/吉田健治ほか、100名の川柳を鑑賞。
目次
【目次】
まえがき
Best 20
おもしろい
かっこいい
こわい
せつない
コラム
現代川柳基礎知識
「現代川柳」と「サラ川」の関係
もっと川柳に触れたくなったら?
掲載作家プロフィール
あとがき
前書きなど
暮田真名「まえがき」
「あなたは川柳を知っていますか?」
多くの人が、この問いに「はい、知っています。あの、五七五のやつですよね」と答えることができる。もちろん、この本を手にとったあなたもその一人だ。川柳の知名度は、決して低くない。
では、質問を変えよう。
「知っている川柳を、なんでもいいので一句、言ってみてください」
一つ目の質問に淀みなく答えられた人も、これには難しい顔をする。短歌には俵万智の「「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」が、俳句には松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」がある。川柳は? 「ここで一句ひねることならできるんだけどなあ」と笑ってお茶を濁す人もいるだろう。
「知っている川柳人の名前を教えてください」
この問いに至っては、いよいよ全滅ではないか。「川柳に本気で取り組んでいる人」がいるなんて、夢にも思わないかもしれない。こうして川柳の本を書いている私ですら、大学一年生のときに初めて川柳句集を手に取るまではそうだった。教科書にも載っていないのだから、当たり前といえば当たり前だ。
毎年発表される「サラ川」や「シルバー川柳」にクスッと笑うことはあっても、作者の名前を覚えているという人はほとんどいない。「川柳愛好家」自身が、「作品性」や「作家性」といったお高くとまったものとは無縁なのが川柳のいいところ、と言ってらない。その結果が、先ほどの三つの質問に対する反応である。
「無関心」というぶあつい雪に覆われて、みんなが笑顔でそれを踏み固めている。川柳の現状とは、そういうものだ。
しかし、土の中にはたくさんの命が蠢いている。厳しい冬に耐え、地上に這い出て新たな読者の目に触れることを、春を待ち望んでいる。
本書『ゆきどけ産声翻訳機』に収録されている句は、そのほんの一部である。
想像している川柳の姿と全く違うことに、はじめは驚くだろう。読んですぐに意味がわかる、「一読明快」の句はほとんど入っていない。表現の革新を試みる、比較的難解な川柳を、「現代川柳」と呼ぶことがある(ただし、「現代川柳」という言葉ができたのは戦後だが、本書にはそれ以前の句も入っている。詳しい定義については、コラム「現代川柳基礎知識」を参照してほしい)。
現代川柳にとって「読み」はもっとも重要だといっても過言ではない。同時に、現代川柳に出会う人にとってもっとも高いハードルになるのもまた、「読み」である。「現代川柳をどう読んでいいかわからない」という声を頻繁に聞く。そのため、すべての句に鑑賞文をつけた。適宜参考にしつつ、目の前の句とどうしたら握手できるかを自ら考えながら読み進めてほしい。
本書の構成は以下のようになっている。まず、現代川柳を語る上で欠かせない重要な句を「Best 20」にまとめた。歌人には雪を見れば思い出す歌があるし、俳人には滝を見れば思い出す句がある。同様に、川柳人には酢豚を見れば思い出す句がある。そのわけが、ページを捲ればわかるはずだ。
残りの八十句は、「おもしろい」「こわい」「かっこいい」「せつない」の四つのカテゴリーに分類した。このわけ方は暫定的なものだ。「『おもしろい』に分類されているけれど、私はこの句は『かっこいい』と感じる」ということがあっても全く問題ない。自分が受け取った印象を大事にするべきだ。
これからあなたは、雪の下に睡っていた川柳という文芸の豊かさを知ることになる。
川柳の冬の時代は、終わった。
上記内容は本書刊行時のものです。

