書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
100人中99人にマイナスが分配される時代の 脱・常識『資産運用』
資産を守り、殖やす。目指せ1億円!
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2012年5月
- 書店発売日
- 2012年6月1日
- 登録日
- 2012年4月11日
- 最終更新日
- 2019年2月26日
紹介
経済収縮によって生じるマイナスがあらゆる分野に及んで、それが広くあまねく日本人全員に分配され時代の、資産運用の「考え方」から「スタンス」、「具体的な方法論」を考える書
経済の収縮によって生じる“マイナス”があらゆる分野におよんで、それが日本国に暮らす人々に広くあまねく分配されるようになって、すでに20年が過ぎようとしています。
株式市場の暴落から始まった長期収縮トレンドは、あまたの企業倒産をもたらし、地価の下落を呼び、雇用不安、賃金の減少、増税、社会保障費の負担増など、様々なマイナスの形を取って分配されてきました。
長期収縮トレンドは、これまで経験したことがない未知の環境です。全体が保有する価値が収縮していく環境で、個人が保有する資産を守り、殖やすには一体どうしたらいいのでしょうか─。長年にわたり個人投資家の資産形成に向けた助言活動を行ってきた著者が、そんな時代の資産運用の「考え方」から「スタンス」、「具体的な方法論」まで、直言します。
目次
まえがきにかえて
第1章 100人中99人にマイナスが分配される時代
100人中99人が「利益配分」を受けた時代があった/はるか4半世紀前のトレンド大転換/マイナス分配の大きさと形/“1億総中流”はこうして崩れ去った/長期収縮トレンドは誰も経験のない異次元の世界/あなたの資産運用、即席診断を承ります/99人の仲間と仲良くマイナス配分を受けますか?/目の前のお皿にマイナスがそっと切り分けられる前に/東電株で9000億円を失った個人投資家の現実/大局下降トレンドで長期運用はご法度
第2章 長期収縮トレンドでいかに資産を運用するか
成長トレンドと収縮トレンド、いったいどこがどう違うのか?/“自分年金”づくりに「投資信託」は適しているか?/「長期安定運用」なんて無い物ねだり/マーケットに連動する金融商品では資産は殖やせない/投資信託は大局下降トレンドではリスキーだ/投資対象が海外なら安全か?/繰り返し襲う“ショック”から資産を守れるか/収縮期に粗製乱造される“新商品”危うさ/収縮トレンド期の資産運用10のポイント/新資産三分法のススメ/海外での資産運用の基本的な考え方
第3章 大口資金の運用で強みを発揮するFXのシステムトレード
FXのシステムトレードを取り上げる理由/見過ごされるFX取引の長所/FXに誤解を生んだ“小額資金”と“高レバレッジ”/ブームに乗った挙句に撤退!/FX取引の本当の姿/大儲けをしたいが安全も欲しい!/レバレッジの本来の意味を知ろう/ポジション残高のコントロールが大切だ/システムトレードの時代/機械はファンダメンタルズの変化に対応しない/機能不全をもたらすトレンド転換/トレンド転換に対応するには人間の力が欠かせない/初期投資資金6000万円の運用実績/「自動売買」&「人的監視」
第4章 収縮トレンド対応の「タイミング投資」で日本株のポートフォリオを組む
今、なぜ国内株か?/大局下降トレンドで安定収益を可能にする方法/2億円の消失で学んだ相場の本質/天井と底を見極める技術/下降トレンドでは「逆張り」が常道である/大局下降トレンド攻略の難易度が高い理由/「タイミング投資」の長所/年に1、2回やってくる大きな利益機会/トレンドの循環とお金の循環/資金ポジションを高めて安い場面をひたすら待つ/資金の流れに関して厳格なルールを/個人版「日本株ポートフォリオ」のススメ/これからの日本株が面白い!/日本株の環境が変わった!/日本株ポートフォリオの組み方/2012年後半の株式市場はこう動く/【個人版】日本株ポートフォリオ推奨銘柄
第5章 ミニマム・リスクを実現する日経225先物のアービトラージ(裁定取引)
マイノリティをあえて選択せよ/ヘッジファンド思考のススメ/絶対利益を追求するスタンス/ヘッジファンドが掲げる3つの戦略/リスクヘッジの思想/ヘッジファンドの運用手法を手に入れるために/良質な小集団が実現する高収益取引/アービトラージの仕組み/ミニマム・リスクを手に入れる!/アービトラージが個人投資家に無縁だった理由/プロ並みの投資環境が手に入る時代
あとがき
前書きなど
もうずいぶん前のことになりますが、筆者が書いた本を読んでくださったある年配の読者から、お叱りの言葉をいただいたことがあります。
それは本の中で使った“相場音痴”という言葉が原因でした。株式相場のトレンドに応じて最適な手法を使い分けなければならない場面で、個人投資家の多くがトレンドに合わないちぐはぐな投資行動を取ることを指して“相場音痴”と表現したのです。
これに対して「言葉が過ぎる!」という指摘でした。せっかく本を読んで勉強しようと思ったのに、そんな蔑むような言い方をされると、読む気がしなくなるというご意見でした。
『売りの技術は儲けの技術』というタイトルの本の一節で、言葉足らずで伝え切れなかった部分を補足してお話して事なきを得たのですが、内心、反省しきりでした。
そもそも、日本の投資家を“音痴”状態にさせた原因は、正しい金融教育を行うことなく、間違った常識を正すことができない投資関連業界そのものにあります。少なくとも投資家本人のせいではありません。それをあたかも投資家個人に資質がないような表現は、投資アドバイスを行う立場にある筆者としては天に唾するようなものだと大いに反省したしだいです。
ところが、そんな反省もなかなか生かされず、気がつけば、こんな言葉を呟いている自分がいます。
「こんなことだから、大勢の“相場音痴”を生み出してしまうんだ!」
その都度冒頭の出来事を思い出しては、あわてて打ち消すのですが、どうにも憤りを収めることができない場面が多いのです。
2011年の暮れ、金融庁と日本証券業協会、投資信託協会が「通貨選択型投資信託」の販売規制を強化するという記事が新聞に掲載されました。それ自体はとてもいいことなのですが、タイミングのあまりの遅さに憤りを感じざるを得ませんでした。新規設定からわずか3年で9兆円あまりの個人資産が投じられた商品です。損失が拡大してクレームが増え、あわてて対応したのが見えみえです。
そもそも、投資信託はマーケットの成長がなければ利益を生まない金融商品なので、現在のような経済が収縮する環境では、本来高リスクです。まして、密接に結びついている世界経済が不安定で、繰り返し金融ショックが襲う時代です。どんな投資対象であっても長期運用を目指せば、かならずどこかで大きな評価損をこうむります。ところが、収縮トレンドに突入して20年も経つというのに、いまだに「投資信託はリスク少なく長期の資産形成に役立つ」という通説が堂々とまかり通っている現実に愕然とします。
日本の株式市場は1989年のバブル崩壊から一貫して下降トレンドをたどってきました。実体経済もほぼ20年にわたって収縮トレンドを描いてきました。これだけ長い時間がありながら、下降トレンドにおける資産運用のあり方について日本の金融業界はただの一度も投資家を指導してきませんでした。詳しくは本文に譲りますが、バブル崩壊以前の成長期と、それ以降の収縮期では、異次元といってもいいほど、投資環境は異なります。
成長期、つまり大局的に見て上昇トレンドが形成される時期は、とても利益を上げやすい市場です。誰がいつ、何を買っても大なり小なり利益を得ることができる時代です。100人中99人に利益配分される時代だったといっていいでしょう。
一方、現在、日本経済は収縮期、つまり大局下降トレンドをたどっています。じつに利益を上げづらい、厳しい環境です。下降トレンドの特性を正確に知ることもなく、それに見合った手法を採用することもできない日本の投資家は、もう20年にわたってマイナス配分を受け続けているのです。
2007年から2009年にかけて、いわゆる団塊世代が60歳になって第一次退職期を迎えました。退職金というまとまった資金を手にした人たちが筆者の周囲にも大勢いました。
彼らは当然地元の金融機関や証券会社にとって大切な “顧客”としてリストアップされているので、退職の1年以上も前から、かまびすしい訪問攻勢を受けることになります。
「とにかく煩いから打っちゃってある」、という人もいれば、「通貨選択型って、どう?」と具体的な質問を向けてくる友人もいました。それぞれがどんな運用先を選択をしたかはともかく、彼らが大きなマイナス配分を受けたか、それとも小さなマイナスで済んだかは単純な運、不運でしかありませんでした。
2007年の夏ごろから、メディアに米国の住宅バブルの崩壊とサブプライムローン問題が頻繁に登場するようになります。そして翌2008年9月にリーマン・ブラザーズが経営破たんして、そこから2009年にかけて世界中を巻き込むリーマンショックに発展します。
退職金を手にした彼らにとって、幸、不幸は定年を迎えた時期がいつだったかで色分けされたのです。リーマンショック前に退職時期を迎えた人たちは、活況だった株式市場や投資信託に資金を振り向けて直後の金融危機で大きなマイナスを受け取ることになりました。
一方、リーマンショック以降に退職した人たちのグループは、そのほとんどが急落したマーケットを間近に見ているので、退職金を銀行口座に置いたままにしたのが幸いして小さなマイナスで済んだのです。
この事実は、裏を返すと、怖い現実が見えます。リーマンショック前に全員が退職金を受け取っていたら、全員が大きなマイナス配分を余儀なくされたことを示します。
日本人は資産の運用について総じて弱いといわれています。個人がお金についてオープンな場で話をしたり、相談する機会はかぎりなくゼロに近いといっていいでしょう。
情報に接するのは新聞やテレビ、経済雑誌や投資専門誌などメディアに限られていて、根っこが異なる情報源から複数の情報を手にして、どこに正しさがあるかを自力で考える、いわゆる金融リテラシーを磨く場面がほとんどありません。
では、いったい私たちはどうしたらいいのでしょうか。収縮トレンドのもとで、今後、個人に分配されるマイナスは、ますます拡大します。少なくとも、これまで役に立たなかった銀行や証券会社を当てにしたところで仕方がありません。
ここは自力を頼むのが最良の道でしょう。100人中のたった1人を目指そうとする読者のために、わずかでも役に立てるとしたら、こんな幸いなことはありません。
著 者
上記内容は本書刊行時のものです。
