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シーア派
起源と行動原理
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年6月
- 書店発売日
- 2024年6月5日
- 登録日
- 2024年2月8日
- 最終更新日
- 2024年7月6日
書評掲載情報
2024-09-20 |
週刊読書人
2024年9月20日号 評者: 阿部哲(あべ・さとし=鳥取大学地域学部准教授・イスラーム文化研究) |
2024-08-12 | 公明新聞 |
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紹介
反米、反イスラエル、フーシ派、ヒズボラ……
中東情勢の震源、国際社会の重要アクター、その〈内在的論理〉
イラン革命以降、ムスリム世界のたった一割にもかかわらず多数派スンナ派以上の組織力と完成された教義を実装。「革命の輸出」は、着実に成果を出している。
イラン一国の枠に収まらないそのグローバルな実態。特に信仰と世界観を深掘り、「何を考え」、「いかに形成され」、「他派・他宗教とどう向き合ってきたか」という問いに答える。唯一の本格的入門書。
イランは、1979年のイラン・イスラーム革命によって成立した宗教国家である。その政治体制は、シーア派のイマーム(指導者)論を前提とした「法学者の統治」を採用している。そのため、シーア派という宗派の思想や信仰を、きちんと知っておくことが、イスラーム・中東諸国に多大な影響を与えている、この大国の動向を知る際、絶対に不可欠なのである。本書は、イスラ―ム、中東を知るための必読かつ唯一のシーア派の本格的入門書である。
目次
はじめに
本書の位置付けと特徴/本書の構成
第一部 シーア派思想史
第一章 預言者とイマームたちの歴史
一二人のイマームたち
預言者ムハンマドとアリー
ムハンマドとアリーの宗教/ムハンマドの預言者性/マディーナへの聖遷まで/ヒジュラ後のムハンマドとアリー/アリーの超人的側面/後継者指名――公的かつ私的指名/預言者の死とカリフ位/アリーのカリフ時代――アリーの党派の出現/第一次内乱/アリーの殉教
ハサン
アリー殉教後のハサン
フサイン
クーファからカルバラーまで/カルバラーの悲劇/フサイン廟参詣の起源/宗教宗派としてのシーア派の誕生
アリー・ザイヌルアービディーン
ムハンマド・バーキル
ジャアファル・サーディク
分派の形成
ムーサー・カーズィム
アリー・リダー
マシュハドとコムの繁栄
ムハンマド・ジャワード
アリー・ハーディー
ハサン・アスカリー
アスカリー死後の分派
一二代目イマーム
①ウスマーン・イブン・サイード・アムリー/②アブー・ジャアファル・ムハンマド・イブン・ウスマーン・アムリー/③アブー・カースィム・フサイン・イブン・ルーフ・ナウバフティー/④アリー・イブン・ムハンマド・サンマリー/大ガイバ中の一二代目イマーム/一二代目イマームの再臨
第一章のまとめ
第二章 ガイバ以降のシーア派
イスラーム世界における学問の始まり/イマームたちの時代の学問/伝承主義の時代/一一世紀以降の合理主義の時代/トゥースィー以降の学問的衰退――セルジューク朝の襲来/モンゴルによる蹂躙/シーア派とスーフィズムの混交/サファヴィー教団による建国/アフバール学派の台頭/ウスール学派の台頭/パフラヴィー朝の成立とイラン革命前夜/イラン・イスラーム革命――法学者の統治とイマームの権限/ポスト・ホメイニーの時代――ハーメネイーのマルジャア性/革命の輸出と現在――ヒズブッラー/イラン以外のマルジャア
第二章のまとめ
コラム① イランの支援の例――インドネシア
第二部 シーア派の教義――五信一〇行
第三章 五信
1.タウヒード
アッラーの本体について/本体属性と行為属性/クルアーンは永遠か?/クルアーン改竄説/クルアーンにおける伝承的属性/伝承的属性で形容されるイマーム/イマームをアッラーの美名や身体部位になぞらえる伝承の解釈/見神
2.神の正義
正義とは?/善と悪/義務付与/ルトフと最善/予定説と自由意志説/バダー
3.預言者性
預言者を派遣することの不可欠性/奇跡/預言者たちの奇跡とクルアーン/無謬性/預言者ムハンマドは文盲か?
4.イマーム性
イマームとは?/イマームの不可欠性/無謬性/イマームの知識/一二人のイマームたちのイマーム性の知性的論証/過去の預言者たちの「イマーム」/ガイバ/カーイム・マフディーとしての再臨と人々のラジュア
5.復活
バルザフ/復活の日/悔悟と執り成し
第四章 一〇行
1.礼拝
2.斎戒
3.喜捨
4.フムス
5.巡礼
6.ジハード
7.善の命令
8.悪の阻止
9.イマームたちへの忠誠
10.彼らの敵との絶縁
コラム② タキーヤ(信仰隠し)
第三部――シーア派の他者観
第五章 イスラーム諸派の形成とシーア派におけるその分類
イスラームの諸派の形成史/イスラームとイーマーン/シーア派における他者の分類/「反対者」と彼らの救済の有無/救済される他派としての「ムスタドアフ」
第五章のまとめ
第六章 シーア派の他宗派に対する認識
スンナ派/スンナ派が背教者と見なす人々/アリーのカリフ位の簒奪者たち/イマームと交戦した「敵対者」/ハワーリジュ派/イスマーイール派/ザイド派(フースィー派を含む)/アラウィー派/他宗教(キリスト教、ユダヤ教ほか)について/西洋に対して/多様性に富むシーア派信徒
第三部のまとめ
コラム③ 日本のシーア派
付録 アーシューラーの参詣祈願
おわりに
註
参考文献
シーア派思想史年表
シーア派・イスラーム関連用語
主要人名・地名索引
上記内容は本書刊行時のものです。