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オリンピックと平和
文化と政治と宗教
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年1月
- 書店発売日
- 2012年1月16日
- 登録日
- 2011年12月19日
- 最終更新日
- 2021年6月21日
紹介
世界的なスポーツ大会であり,〈平和の祭典〉と呼ばれることもあるオリンピック,その歴史は古代ギリシャまでさかのぼります。では,オリンピックは古代ギリシャでどのようにして生まれ,失われ,そして復活したのでしょうか。オリンピックの歴史をひも解くと,それがただのスポーツの祭典などではなく,学術文化交流と外交活動の場であったことがわかります。しかも,その裏に込められた人々の平和への願いが浮かび上がってくるのです。
目次
・はじめに
・オリンピックと平和
・あとがき~私の(ささやかな)研究物語
前書きなど
オリンピック―それは4年に一度開かれる世界的なスポーツの祭典です。
オリンピックが始まると,「誰が金メダルを取った」とか「どこの国がどれだけメダルを取った」といった話題が,新聞やテレビを賑わします。たとえメダルが取れなくても一生懸命努力する選手の姿に,感動を覚える人も多いことでしょう。もちろん,オリンピックに興味が無い人や,むしろオリンピックが嫌いという人もいることでしょう。オリンピックに対する思いは,人それぞれだと思います。
実は,私自身,最初からオリンピックのことに興味があって,この本を書こうと思ったわけではないのです。はじめは他のことを調べていて,たまたまオリンピックのことに行き当たっただけなのです。しかし,オリンピックのことを知れば知るほど,そこには,多くの人に知ってもらいたいことがあるように思えてきました。それほど,私が初めて知ったオリンピック(=古代オリンピック)は,驚くことの多いオリンピックだったのです。
私は,その驚きの内容を《オリンピックと平和》という授業プランにまとめ,実際に学校の先生方に授業で使ってもらいました(本書の原型です)。この授業を受けた神奈川の中学生は,授業後次のような感想を書いてくれました。
「オリンピックって,もしかしたら人間の歴史を変えた重要なイベントだったのかもしれない」
私はこの感想を聞いたとき,驚き,感動しました。私自身がそれまでうまく言葉にできなかったオリンピックに対する思いが,見事に表現されていたからです。
オリンピックは別名「平和の祭典」と呼ばれています。長いオリンピックの歴史を振り返ると,そこには,ただのスポーツ大会というにはあまりにも多くの,「人々の平和への願い」がこめられているのです。
世界中を巻き込むような戦争こそ起こっていませんが,まだまだ世界が平和だとは言えない状況が続いています。今まさに戦火にさらされている人もいるでしょうし,「またいつか戦争が起こるのではないか」と,不安を抱えている人もいることでしょう。だからこそ私は,オリンピック本来の趣旨を伝えていきたいのです。
世界中の様々な国の人びとが,国の違いを超え,文化や習慣の違いを超えて,「みんな同じ人間なんだ」ということを実感し,オリンピックを,そしてその歴史を,楽しむことができればと願っています。
オリンピックに託された人びとの「平和への思い」が,この授業書を通して,読まれた方に少しでも伝わるなら,作者としてこんなにうれしいことはありません。(2011年10月16日 吉田秀樹)
版元から一言
オリンピックの歴史に隠された意外な真実が,問題形式で楽しく学べる本。2012ロンドンオリンピックの前に読んでおきたい必読書です。
上記内容は本書刊行時のものです。