「継続は力なり」
「継続は力なり」
誰もが知る言葉であるが、その起源は知られていない。
というか、謎だとされていた。
しかしこの度、そんな謎をさらりと解決してくれる人物に出会ったのでご紹介したい。
九州は大分に向かって高速道路を走ったことがある方は、目にしたことがあるだろう。
高速道路の脇の山に、どんと構えた巨大な鬼の姿を。
鬼の足下には「童話の里くす」と大書されている。
なぜ玖珠(くす)が童話の里と言われているのか、長年謎であった。
気にはなっていても、特に玖珠で高速を降りる用事はないので、毎度素通り。謎は謎のままであった。
しかし、このたび玖珠町にある「久留島武彦記念館」とご縁をいただいたことで、その謎が明かされることとなった。
久留島武彦は、玖珠町出身の教育者。
まだ「児童文化」という概念すらなかった頃から、明治・大正・昭和にわたって口演活動をし続けた教育者であり、「日本のアンデルセン」と称されている。
86歳で亡くなる2ヶ月前まで、精力的に口演活動を行い、分かっているだけでも推定200万人以上を動員した、まさに口演童話のレジェンド。
「桃太郎」をはじめとした数々の童話を語り歩き、児童文化を普及浸透させた功績から、久留島武彦の出身地である玖珠町は「童話の里」と称するようになったという訳だ。
そんな久留島武彦の功績を伝える「久留島武彦記念館」を訪れると、入り口に据えられた「継続は力なり」の石碑が目に入る。
そう、この久留島武彦こそが「継続は力なり」という言葉を発した張本人なのである。
さらに興味深いのは、この「継続は力なり」という言葉、元々は少々違う言葉だったというのだ。
誰が言った言葉かは知られてなくても、誰もが知っているこの言葉。しかし、この言葉が生まれた背景を知ると、より一層、深みが増してくる。
では元々はどんな言葉だったのか?
気になった方は、小社刊『チャンスはハゲおやじ 久留島武彦の心を育てる名言集』をご一読いただきたい。
前置きの長い宣伝になってしまったが、久留島武彦のように、九州にはままだまだ知られざる偉人がたくさん眠っている。
そんな地方に眠る顕彰されるべき偉人を掘り起こして本にしていくのも、地方出版社の使命にして醍醐味である。
仕事であり、趣味であり、ライフワークである、地方出版社での出版活動。こんな発見に日々出会ったりするものだから、やめられない。