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令和の出版業界を導いてくれる…かもしれない断片みたいなもの

デルタプラスは本年2019年に産声をあげたばかりの出版社です。キャリア教育に焦点を当てて良質の本づくりをしたいと思い、新たに出版事業を立ち上げました。

そして、1月に一冊目の出版物となる『使えるフレーズがどんどん頭に入る! シミュレーション英会話』を刊行しました。

さて、いよいよ平成も終わり新時代の令和を迎えました。私自身は昭和生まれですが、出版業界が最も元気な平成前半期を多感な青年時代として過ごしました。そして、平成後半期の斜陽の時代も社会人として目の当たりにしてきました。そして迎えた令和の時代、出版界はどうしていくべきなのかというのがこの業界が直面している難題かと思います。とはいえ、まだ弊社のような超青二才の出版社ではその大きすぎる問いに対して明確な答えなんて出せるはずもないわけで。大きな障壁の手前の低めの壁にさえ苦闘している日々でございます(笑)。
ただ、初書籍を刊行してから4ヶ月間、今の弊社ででき得る限りのことを行い、さまざまなチャレンジをしてみた結果、その答えの「断片」らしきものが見えてきた気がするので、お話してみたいと思います。

【初めての書店イベントを企画するものの…】
3月29日にジュンク堂書店 難波店さんで書籍の刊行記念イベントをさせていただきました。著者さんを交えてのトークイベントです。初めての書店イベントということで絶対に成功させたいという思いで、著者さんのSNSで宣伝してもらい、弊社サイトでも告知ページを作って案内するものの、最初は思うように人が集まりませんでした。
著者さんにはファンもいるし、SNSのフォロワーも多い。しかも、Webマーケティングは当社の得意な分野なだけに、「なぜ?」という疑問に頭を悩まされます。「たまたま運が悪かっただけ…」で片づけることは簡単ですが、必ずそこには理由があるはずです。

【うまくいかない理由を分析した結果】
分析の結果導き出した1つ目の理由は、3月末の最終金曜日だったということです。つまり、年度末も年度末。「イベントに行きたいのですが、仕事が時間内に終わるかどうかわかりません」というメールをいくつかいただき、そこで初めて気がつきました。世間様は年度末で超絶に忙しいのだと……。これは完全にイベント日程の設定ミスですね(笑)。せめて土日にすべきでした。
2つ目の理由はイベントのお申し込み方法です。申し込み方法は書店に直接電話するというものでした。ですが、何人かからこの時代に電話をかけて申し込むというのは、ハードルが高すぎると指摘されました。確かに私自身もLINE通話やメッセンジャーばかりで、電話をかける機会はほとんどありません。しかも、私用で書店に電話する機会なんてそうそうないのです。そこで、書店に掛け合い、弊社のイベント告知ページ(https://deltaplus.jp/event/simueigo-talk/)にお申し込みフォームを設置し、そこからのお申し込みも受け付けてもらうようにしました。すると、それから一気に参加者数が増え、当日はほぼ満席になり、盛況のうちにイベントを終えることができたのです。

【お客様の方を向いているのか?】
今回のイベント集客は、状況を分析し、ちょっとした工夫をすることで解決しました。出版業界の当たり前がお客様にとっては当たり前ではないことがあるわけです。書店には書店の得意分野があり、取次には取次の得意分野があり、出版社には出版社の得意分野があります。ですが同時に苦手分野もあります。出版社は本づくりのプロです。しかし、これからの時代は本づくりに加えてプラスアルファの強みがあると、創意工夫で各々の弱みを補完することができるのではないでしょうか。

本が売れなくなったのは、業界全体がお客様の方を向いていないからという意見をよく耳にします。「お客様の方を向いていない」の意味がいまいちわからなかったのですが、今回のイベントを振り返ってみると、電話以外の受付方法を最初に提示できなかったのは、まさにお客様の方を向いていなかったと言えますね。業界全体が互いの強みを生かしてフォローし合うことでお客様と向き合うことが、これからの出版業界を導いてくれる答えの断片なのかもしれないなぁと思いました。

デルタプラスの本の一覧

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