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幼稚園だいすき 守隨 香(著) - ななみ書房
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幼稚園だいすき (ヨウチエンダイスキ)

教育
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発行:ななみ書房
A5判
138ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-910973-30-2   COPY
ISBN 13
9784910973302   COPY
ISBN 10h
4-910973-30-3   COPY
ISBN 10
4910973303   COPY
出版者記号
910973   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年8月1日
書店発売日
登録日
2023年7月12日
最終更新日
2023年8月1日
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紹介

研究者という立場で園生活に参加したいと願った筆者の動機から始まった保育観察は数年間にわたるものとなった。子どもや保育者と自然に生じるかかわりはしながら,自由な観察から書き起こした記録は膨大なものとなり,保育後はメモをもとに観察記録を書き,それに保育者の聴き取りを重ねていくことが繰り返されると,そこから「おや?」と思う研究テーマがいくつも生まれていった。
 本書は,繰り返された「事例観察」「保育者の語り」「著者の考察」という流れから見えてきたことの中から,4つのテーマについて取り上げている。
①この幼稚園がどのような子どもの成長を目指しているのか
②他者を生活世界に迎えた子どもたちが,少しずつ著者に心を差し向けるようになっていく関係の変化
③保育者の語った省察から,悩ましさ,忙しさとどう向き合い,そのことをどのようにとらえているのか
④子どもの育ちが,何気ない日常生活の中でいかに積み上がっていくのか

 保育は子どもの遊びと保育者の援助であることは言うまでもないことであるが,その内実がいかに複雑で濃密であるか,保育者の省察と日常のかかわりがいかに細やかなホスピタリティに満ちて織り合わさっているかが,密着したアキ先生の保育の様子から伝わってくる。

(主要目次)
Ⅰ 子どもの園生活
 [1] 朝のあそび出
 [2] 先生が頼り
 [3] 何かに,誰かになろうとするあそび
 [4] 夢中になってあそぶ
 [5] 一日の終わり
Ⅱ 園生活の日常と非日常
 [1] たまに来る研究者を迎える
 [2] 隣のクラスとの行き来
Ⅲ 保育者の省察
 [1] 悩ましさと向き合う
 [2] 忙しさと向き合う
Ⅳ 友だちに心を寄せる

目次

はじめに
Ⅰ 子どもの園生活
 [1] 朝のあそび出
   事例1‒1‒1 朝の子ども(3歳児5月)
    保育者の語り:入園後まもないクラスの様子
    考察:はじまりの空気とあそび出し
   事例1‒1‒2 涙が出る朝(3歳児7月)
    保育者の語り:すぐにはいかれなかった
    考察:偶然から出会い直す
    考察:敢えて境界線を設ける
 [2] 先生が頼り
   事例1‒2‒1 トトロを探しに(3歳児6月)
    保育者の語り:トトロの世界をどう体験してほしいか(保育から1年後の語り)
    考察:「楽しかった今日」を創り出す
   事例1‒2‒2 せんせいとお庭に行きたい(4歳児4月)
    保育者の語り:「せんせい」に応える
    保育者の語り:「せんせい」「せんせい」のこと
    考察:「せんせい」に応えることの意味
   事例1‒2‒3 「せんせい」とあそびたい(4歳児6月)
    保育者の語り:「せんせい」と「せんせい」の間
    保育者の語り:受け止めるということ
    考察:子ども理解の道のり
   事例1‒2‒4 輪っかに乗りたい子とつねられた子(4歳児6月)
    保育者の語り:その子にとっての解決
    考察:誰にとっての問題か
 [3] 何かに,誰かになろうとするあそび
   事例1‒3‒1 赤ずきんちゃん(3歳児10月)
    保育者の語り:赤ずきんちゃんのあそび
    考察:真似から生まれる劇ごっこ
   事例1‒3‒2 あめやさん(4歳児4月)
    保育者の語り:やろうとしたことが実現できるように
    保育者の語り:あそびに必要な技術的な指導
    考察:4歳児の幼稚園生活の始まり
   事例1‒3‒3 人魚になりたい(4歳児5月)
    保育者の語り:保育場面から離れて思うこと
    考察:「なりたい」を「なろう」に
 [4] 夢中になってあそぶ
   事例1‒4‒1 本当の船になった(3歳児7月)
    保育者の語り:口をついて出る歌
    考察:環境が生み出すあそび,あそびが創り出す環境
   事例1‒4‒2 人の姿絵(4歳児6月)
    保育者の語り:魅力ある4歳児のあそび
    考察:あそびへの思い入れから始まる育ち
 [5] 一日の終わり
   事例1‒5‒1 そろそろおしまい(3歳児5月)
    保育者の語り:あそびが続いていくことと片づけ
    考察: あそびも片づけも長期の保育課題
   事例1‒5‒2 おかえりの時間(3歳児5月)
    保育者の語り:大事なことがたくさんある(保育から1年後の語り)
    考察:私とみんな
Ⅱ 園生活の日常と非日常
 [1] たまに来る研究者を迎える
   事例2‒1‒1 あなたにも(3歳児7月)
    保育者の語り:絵の具への親しみ
    考察:ミーまたはスニフ
   事例2‒1‒2  海賊なんだぞ(3歳児10月)
    保育者の語り:夏を越して変わってきた
    考察:創り出した自分の世界で他者と出会い直すこと
   事例2‒1‒3 アキ先生がいないから(3歳児11月)
    保育者の語り:シンデレラのイメージだけはある
    保育者の語り:モト美について
    考察:イメージを実現しようとすること
    考察:見られたくない一面と通したい思い
 [2] 隣のクラスとの行き来
   事例2‒2‒1 あんなことしたい(3歳児5月)
    保育者の語り:お兄さんお姉さんがやってくれた映画館
    考察:保育観察と保育者への聴き取り
    考察:内緒話―保育者も知らないこと―
   事例2‒2‒2 やりたいことはあるけれど(3歳児7月)
    保育者の語り:いつもと違う状況
    考察:偶然から意味ある経験に
Ⅲ 保育者の省察
 [1] 悩ましさと向き合う
   事例3‒1‒1 つかみ合い(3歳児5月)
    保育者の語り:オウ太があそび込めていない
    考察:目立つところだけ見ていると大事なことを見落とす
   事例3‒1‒2 池で水あそびしなかった(3歳児7月)
    保育者の語り:「どうしてだろう?」と「やっぱり」
    考察:手が届くところに自分を用意して好機を待つ
 [2] 忙しさと向き合う
   事例3‒2‒1 チキチキルームの踊り(3歳児10月)
    保育者の語り:サク子が変わってきた
    考察:子どもを理解すること
   事例3‒2‒2 お面の顔(4歳児5月)
    保育者の語り:自分で考えるようになってほしい
    考察:大きな願いと今日のかかわり
   事例3‒2‒3 七夕のあそび(4歳児7月)
    保育者の語り:損してる感じがある
    保育者の語り:あれでよかったのか
    考察:「子どもの気持ちに寄り添う」なんて簡単なことじゃない
   事例3‒2‒4 他者(ひと)が思いどおりにならない(4歳児7月)
    保育者の語り:気を取り直すこと,もう一度一緒にあそび直すこと
    考察:他者も自分も先生も人であること
Ⅳ 友だちに心を寄せる
   事例4‒1 せんせいも入れてあげよ?(3歳児10月)
    保育者の語り:「せんせい」ってどんな人?(保育から1年後の語り)
    考察:育つということ
   事例4‒2 帰りのひとこま(3歳児11月)
    保育者の語り:自分のことのようにとらえて動けてる(保育から1年後の語り)
    考察:他者に起きていることに心を動かす

  ある日のひとこま①
  ある日のひとこま②
  ある日のひとこま③
  ある日のひとこま④

 むすびに

著者プロフィール

守隨 香  (シュズイ カオリ)  (

お茶の水女子大学大学院 人間文化研究科人間発達学専攻(博士課程)単位取得退学
 千葉経済大学短期大学部初等教育学科(2004よりこども学科)准教授
 共立女子大学家政学部児童学科准教授を経て2017年より教授
 保育と保育者の省察を研究テーマとしている。保育者の一瞬の保育行為がどのような必然があって実現したのか読み解くことを追究している。

上記内容は本書刊行時のものです。