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源氏手帖
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年5月30日
- 書店発売日
- 2023年6月5日
- 登録日
- 2023年5月17日
- 最終更新日
- 2023年6月5日
書評掲載情報
2023-11-15 |
日本近代文学館
316号 評者: 下平尾直 |
2023-10-05 |
ふぇみん
3365号 評者: (葉) |
2023-08-12 |
図書新聞
3604号 評者: 尾形明子 |
2023-06-25 | 読売新聞 朝刊 |
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紹介
「戦時下の様々の統制がいくら厳しくなつても、画家の心は少しも貧困にはならないものだ。」
初期の奔放なイラストやエッセイを収録した『踊る女と八重桃の花』(小社刊)につづく作品集、第2弾。
戦時下アジアの女性たちの姿から、舌鋒鋭い戦後の戯画漫文。さらに畢生の連作「源氏手帖」まで、めくるめく長谷川春子の世界を、カラー図版や新発見の原稿・画稿も紹介しながら展開します。
第1部は、戦時下の満洲、中国、ベトナムなどアジア各地で生きる女性たちの姿。第2部は、映画評からSFまで、銃後で執筆された散文集。第3部は、ますます毒舌が冴えわたる戦後のエッセイ集。第4部は、グラフ誌に連載されたまま埋もれていた「源氏手帖」(計18回)をオールカラーで単行本初収録。ほかに16ページのカラー口絵と詳細な解説を附す。
定価=2700円+悪税
目次
豆自叙伝
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第Ⅰ部 戦線の女性たち
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匪賊縦断(吉林省)
敦化城(吉林省)
白音太来(内蒙古)
呼海国威揚ル(黒龍江省)
関東州急過
北支戦線女性点描
山東の暮雪
出陣別宴
広東乙女
ハノイ風俗
仏印の女たち
南粤二趣
安南びと
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第Ⅱ部 戦時梅雨窓辺
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わずらひ
春夢東海未来記
男性美断片
お登女さん――をさななじみ
各国娘のなりふり
香粧
銘仙の味と使ひみち
幽霊西へ行く
春興・夢ものがたり
戯画漫文 東海の初夢
興亜春の夢
梅雨雑記
勤労奉仕に参加して
若いものの手柄のたて時――警報下の生活設計
戦時梅雨窓辺
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第Ⅲ部 美術史にも面白いことあり
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「此人にして此病」の一言――私と政治
各家物品見立て
当世人物走馬燈(抄)
求むれど得難きは――才色野ざらし伝
女から男へ
パリ娘 おしやれのやりくり
どじようすくいを踊る仙人――追悼・林芙美子
真贋腕くらべ
ぢぢい愛すべし
人間のほかの幼な友だち
わたしの挿画創作
天下の美人を姉に持てば――長谷川時雨を語る
わたしの“毒舌”論
少女の日の思出
美術史にも面白いことあり
吹き寄せ温故知新
婆さまの新東京見物
芹影女史
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第Ⅳ部 源氏手帖
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源氏手帖
藤壺の女御
源氏物語絵及詞書
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解説にかえて 戦争があらうとなからうと――長谷川春子の戦中・戦後
前書きなど
「明治28年の早春、東京日本橋の鉄や繊維類の大問屋の多い町の横町の、しょうしゃなかまえの弁護士の家へ52と38の父母の末っ子に生れました。
25で長姉の作家〔長谷川〕時雨女史にすすめられて、はじめて画家として身を立てる気になり、鏑木清方先生の門下に許されて入るまでは、中流のやや家運が変動浮沈多くなりかけた家庭で、家事経済を背負わされて喜んで女中の先頭に立って働く合間には、読書や芸術をたのしむ親にやさしい娘でした。
25で画で身を立てることにしたのも、その時ようやく家運もやや安定し、若い子供たちもぼつぼつ社会に出るようになったからでした。画は晩学で急にスピードを出して清方先生と相談して洋画も梅原龍三郎先生のお弟子にしていただきました。
やがて、フランス語も片言で一人旅、パリに3カ年留学して、その間にザック画廊で毎年12月に個展をやりました。帰朝すると日本が大きくゆれる時で、新聞や雑誌の特派員などで満洲、中国は蒙古や仏印などへよくでかけました。戦争の時は敗けたらたいへんと及ぶかぎり一生懸命に働きましたが、敗れて後は国家も草もうの我も悲しく苦しいはめでした。
国画会の会員で洋画を描き、さし画や短い文章は好きでこれまでもよくえがき書き、子供のときから犬が大好きで、犬は飼いたいなあと犬無きときは思いますが、亭主がほしいなあと思ったことは一度も生涯にありません。」
――「豆自叙伝」より。
版元から一言
2022年に小社より刊行した『踊る女と八重桃の花』に続く、長谷川春子の画文集、第2弾。戦時下から晩年の作品まで、数多い作品群から精選。この2冊でめくるめく女性画家・長谷川春子の世界が見わたせます。総64ページ分をカラーで掲載したほか、本邦初公開のエッセイ、画稿も収録しました。
上記内容は本書刊行時のものです。