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ウクライナとロシアは情報戦をどう戦っているか 樋口 敬祐(著/文) - 並木書房
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ウクライナとロシアは情報戦をどう戦っているか (ウクライナトロシアハジョウホウセンヲドウタタカッテイルカ)

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発行:並木書房
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ17mm
重さ 299g
316ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-89063-445-3   COPY
ISBN 13
9784890634453   COPY
ISBN 10h
4-89063-445-2   COPY
ISBN 10
4890634452   COPY
出版者記号
89063   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年2月
書店発売日
登録日
2024年1月22日
最終更新日
2024年2月9日
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書評掲載情報

2024-04-20 日本経済新聞  朝刊
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紹介

ロシア・ウクライナ戦争開戦から2年
軍隊以外に、民間軍事会社、戦争PR会社、フェイクニュース製造工場、ハッカーなどが戦場の内外で多様で熾烈な戦いを行なっている。防衛省情報本部主任分析官を長く務めた情報分析のプロが、目に見えない情報をめぐる戦いに迫る。「大砲のウーバーシステム」「カラシニコフの代わりにスマホで戦う市民」「ロシアのオリガルヒの不審死の増加」「パルチザンによる戦い」等々…知られざる情報戦争の実相!

目次

はじめに 1


第1章 米ロ情報機関の戦い 17

なぜ米国は機密情報を公表したか?  17

情報機関と戦争研究所の見解の違い/大統領直轄の専門家集団「タイガーチーム」の役割/9・11テロで失敗した情報戦の教訓/インテリジェンス・インフォメーションとは?/ヒューミントのもたらす重要性/スパイ獲得に活用されるSNS/情報開示の効果/機密情報をあえて公表する意味/見解の違いはなぜ起こるのか?

プーチンの粛清を恐れたロシア情報機関 29

ウクライナ保安庁(SBU)とCIAの協調/ロシア連邦保安庁(FSB)とSBUの争い/ロシア「FSB」内部分裂の兆候


第2章 誰もが情報戦争の戦闘員 35

「いいね戦争」と「ナラティブの戦い」35

さらに進化するSNS上の「いいね戦争」/世論を味方につける「ナラティブの戦い」

ウクライナとロシアのSNS運用の違い 38

ウクライナのSNS活用/SNS投稿を全面禁止したロシア軍/悪意のないフェイク動画の拡散


第3章 サイバー戦における攻防 44

ロシアのサイバー戦能力は低下したのか? 44

破壊的で容赦ないロシアのサイバー攻撃/ロシアのサイバー組織はピラミッド構造

ロシア・ウクライナ戦争にみるサイバー攻撃 47

ロシアのサイバー攻撃の手口/DDoS攻撃が世界的に急増/ロシアはウクライナを支援する東欧諸国に狙いを変えた/「キルネット」による日本へのサイバー攻撃/ロシアのサイバーインフルエンス工作

ウクライナ政府によるサイバー防衛 55

米軍流サイバー防衛「アクティブディフェンス」/侵攻前に運び出された「重要データ」/アクティブディフェンスの重要性


第4章 ロシアによる積極工作 60

ロシアによる偽情報の特徴 60

フェイクニュースの3つの区分/嘘も百回言えば本当になる/偽情報を信じてしまう「スリーパー効果」/危険なロシアの国営放送/見破られたゼレンスキー大統領の偽動画
 
ロシアによるウクライナの弾圧と迫害の歴史 68

大戦中、最大の犠牲者を出した民族/残虐性はロシア軍の伝統か

ロシア情報機関による工作の疑い 72

相次ぐオリガルヒの不審死/ロシアにおける世界最大級の石油会社会長の死/モルドバに対する政権転覆工作/ドニエプル川のダムの破壊


第5章 ウクライナも得意とする積極工作 86

ウクライナで最も成功したプロパガンダ 86

ソ連の流れを組むウクライナの情報機関とその改革/大手メディアも追随した「キーウの幽霊」/日本でも「キーウの幽霊」が漫画になり拡散/「柴犬(シバイヌ)」でロシアの偽情報と戦うNAFO
 
ウクライナが関与したとされる暗殺 95

ロシア国営テレビ編集長の暗殺計画/プーチン側近の娘を爆殺/ロシアによる暗殺の自作自演の疑い/大統領の暗殺阻止、スパイ網の摘発…ウクライナのカウンターインテリジェンス/クリミア橋の破壊─ウクライナの工作活動


第6章 ウクライナのパルチザン活動 109

カラシニコフの代わりにスマホで戦う 109

パルチザンとゲリラとレジスタンス/ウクライナのパルチザンは数百人/パルチザン活動と教科書/SNSを活用してロシア潜水艦元艦長を殺害
 
ウクライナのサボタージュ活動 118

モスクワ近郊の軍事施設で火災・爆発事故/「破壊工作の背後にはキーウがいる」/ロシアのパルチザン狩り


第7章 ロシアとウクライナのガス紛争 123

ノルドストリーム爆破の経緯 123

パイプラインの損傷は計3か所/男女6人による計画的犯行?
 
誰がノルドストリームを破壊したか? 128

ロシアによる工作活動説──破壊する動機がない/米国による工作活動説──情報源が匿名で疑わしい/可能性の高い「親ウクライナグループ」による工作活動説


第8章 テクノロジーが変える従来型の戦争 135

マッチングアプリによる戦い 135

ウクライナが開発した「大砲のウーバー」/米英情報機関がウクライナをサポート/マッチングアプリで素早く火力を集中
 
ウクライナの携帯電話傍受による攻撃 142

開戦以来、最多のロシア戦死者/ロシア国防省のテレグラムによるコメント/ウクライナ側の発表/被害の状況の評価、ロシア国内での批判/携帯電話の発信から場所を特定する方法/携帯電話の使用制限/なぜ前線で携帯電話の使用はなくならないのか?
 
ロシア軍の高級将校の高い戦死率 151

高級指揮官が前線に出る理由/ロシア軍の指揮統制システムの弱点を突いたウクライナ/スペースX社による通信インフラのサポート
 
ドローンの活用 155

ドローンによる攻撃/米ドローンMQ‐9リーパーの墜落/ドローンで敵兵を降伏させる


第9章 PMC「ワグネル」の実態 166

兵站から情報まで、民間軍事会社が果たす役割 166

ロシア政府がワグネルを利用する理由/ワグネルと情報戦

ワグネル傭兵部隊の戦い 171

エフゲニー・プリゴジンにより創設/ワグネルの由来は作曲家ワーグナー/海外で戦闘経験を積むワグネルの傭兵/ウクライナ戦におけるワグネルの人数と待遇/使い捨てにされるワグネルの傭兵/ワグネル内の「内部統制部隊」/悲惨なワグネルの囚人傭兵
 
エフゲニー・プリゴジンの暗躍と最期 182

プリゴジンの事業とアフリカの関係/プリゴジンのアフリカにおける情報工作/正規軍とプリゴジンの対立/ロシア正規軍を公然と批判/1日で収束した〝ワグネルの反乱〟/プリゴジンの自家用ジェット機墜落/自家用ジェット機墜落の原因


第10章 戦争PR会社と情報戦 204

進化する戦争PR会社の戦略 204

国家がPR会社を雇って世論を誘導/戦争プロパガンダの10の法則/湾岸戦争における少女「ナイラの証言」/ボスニア紛争で果たした戦争PR会社の役割
 
ウクライナ情報戦争と戦争PR会社 210

ウクライナのプロパガンダ組織と戦略/PR会社が主導したNS2反対キャンペーン/PR会社がウクライナを支持する理由/戦争広告に対する認識の違い/「世界の半分以上はウクライナを支持していない」


第11章 フェイクニュースを見破る 225

ニューメディア時代の情報戦 225

受け手側が圧倒的に不利/若者のインターネット利用の実態/ティックトック急増とその問題点/日本でもティックトック利用者が急増/情報源がオールドメディアからニューメディアへ移行/フィルターバブル現象とエコーチェンバー現象/仲間内だけで自分たちの主張を強化 

インテリジェンスサイクル 237

情報を格付けする/誤情報は正しい情報より早く伝わる/情報処理の第一段階──個々の情報をふるいにかける/情報処理の第二段階──本格的なチェック/クロノロジーを作成する


第12章 ロシア・ウクライナ情報戦を分析する 255

フェイクニュースに騙されない──「ロシアは日本攻撃を準備していた」の真贋 255

タイトルと内容をチェックする/記事をファクトチェックする/一次資料を確認する/斜め・横・縦読みで情報を精査する/記事情報を格付けする
 
シナリオ分析──「ワグネルの乱後の動向」を読み解く 263

シナリオを列挙する/クロノロジーからシナリオを検証する/シナリオ分析の主眼(不測事態に備える)
 
競合仮説分析──「ノルドストリーム爆破」を読み解く(1)269

複数の仮説を挙げてマトリックスを作成する/マトリックスの作成と評価/実行犯もその黒幕も不明
 
クロノロジー分析──「ノルドストリーム爆破」を読み解く(2)277

ロシアからのガス輸入に関する(西)ドイツの対応/ロシアとウクライナのガス紛争/ロシア天然ガスに依存する欧州に対する米国の懸念/ノルドストリーム建設における各国の意見の相違
 
競合仮説分析とクロノロジー分析による結論 287

蓋然性が高い米国、ウクライナ黒幕説/蓋然性は低いが、影響力の大きな仮説/今後のエネルギー政策が国際情勢に影響を及ぼす


【用語解説】294

【参考文献】307

 おわりに 310

著者プロフィール

樋口 敬祐  (ヒグチケイスケ)  (著/文

1956年長崎県生まれ。拓殖大学大学院非常勤講師。元防衛省情報本部分析部主任分析官。防衛大学校卒業後、1979年に陸上自衛隊入隊。95年統合幕僚会議事務局(第2幕僚室)勤務以降、情報関係職に従事。陸上自衛隊調査学校情報教官、防衛省情報本部分析部分析官などとして勤務。2011年に再任用となり主任分析官兼分析教官を務める。その間に拓殖大学博士前期課程修了。修士(安全保障)。拓殖大学大学院博士後期課程修了。博士(安全保障)。2020年定年退官(1等陸佐)。著書に『2020年生き残りの戦略』(共著・創成社)、『2021年パワーポリティクスの時代』(共著・創成社)、『インテリジェンス用語事典』(共著・並木書房)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。