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出版者情報
ラザルス
世界最強の北朝鮮ハッカー・グループ
- 初版年月日
- 2023年3月6日
- 書店発売日
- 2023年3月1日
- 登録日
- 2023年2月9日
- 最終更新日
- 2023年2月20日
書評掲載情報
2023-05-20 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 山口昇(国際大学教授) |
2023-05-14 |
読売新聞
朝刊 評者: 井上正也(慶應義塾大学教授・政治学者) |
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紹介
2022年10月、警察庁・金融庁等が連名で北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」を名指しで非難、
その危険性の注意喚起をした。経済は破綻し飢餓に覆われる北朝鮮が、
なぜ高額なミサイルを撃ちつづけられるのか?その資金はどこから?
調査報道のベテランジャーナリストが緻密な取材でこのハッカー・グループの正体を追う。
米国ハリウッドへの攻撃にはじまり、世界各地での銀行ハッキング、
病院へのランサムウエア攻撃による身代金奪取、そして「暗号資産」の大規模奪取。
彼らの容赦ない攻撃は現在進行形のままである。
関係者への取材を通じて個々のハッキング事件の実相、「サイバー兵士」を育て上げる
北朝鮮の驚くべき実態などが明かされる。戦慄すべき一冊。
目次
プロローグ ラザルスグループ
第1章 ジャックポット
キャッシュカードの束を持つ男たち
「隠者の国」の隠された一面
標的はATMのシステム・プログラム
無効にされた暗証番号
FBIが銀行に発した極秘の警告
逮捕されたのはただの「運び屋」
銀行襲撃の背後にいる者たち
第2章 破産国家
終わっていない戦争
粉飾されていた「北の楽園」
過激な孤立主義が破滅へと導く
「出身成分」という階級制度
金日成が犯した二つの誤算
性に執着した国家主席
二代目国家主席のジレンマ
強制収容所のおぞましい日々
どこから資金を調達しているのか?
第3章 スーパーノート
偽一〇〇ドル札の精度
本物よりシャープな印刷
捕まった赤軍派・田中義三
本物の印刷機・用紙・インク
イングランドの運び屋
モスクワの北朝鮮大使館
覚醒剤の製造拠点
アメリカ東海岸での一斉摘発
偽札作りをやめた真意
第4章 〈ダークソウル〉
韓国で開かれた新たな戦端
グーグル会長が見た北朝鮮の内側
コンピューター化の真の狙い
切り札は核兵器開発
支配階級に許された無制限のアクセス
ハッカー育成の選抜システム
急速に向上する攻撃能力
非対称性サイバー戦争
第5章 ハリウッドをハックする
襲われたソニー・ピクチャーズ
「これは始まりにすぎない」
金正恩が殺されるコメディ映画
システム侵入の波状攻撃
未公開映画作品を流出させる
さらされる何万通もの個人メール
「本当に北朝鮮か」という人たち
第6章 フォールアウト
ウィキリークスで暴露された個人情報
一生払い続ける情報流出の代償
その名は〈ラザルスグループ〉
北朝鮮を甘く見たバラク・オバマ
金正日にとっての「映画」
処刑される高官たち
第7章 事前準備
反応しないプリンター
一〇億ドルの送金指示
極秘扱いされたハッキング
暴かれていく襲撃の手口
裏の裏をかく戦術
書き換えられたアクセスコード
ソニー襲撃とバングラデシュ銀行を結ぶもの
第8章 サイバースレイブ
中国に派遣された男
謎をつないだメールアドレス
実行犯の顔写真つき履歴書
北朝鮮企業のビジネスモデル
なぜ北朝鮮のために働くのか
選り抜きのサイバー兵士たち
人質として拘束される家族
第9章 逃走迷路
五つの銀行口座
紛糾するフィリピンの公聴会
深まっていく支店長への疑惑
途切れてしまった資金の行方
マネーロンダリングの三段階
第 10 章 バカラ三昧
カジノに持ち込まれた現金
マネーロンダリングの第二段階
決して負けない賭け方
溶けていく金
フィリピンから中国へ
第 11 章 陰謀の解明
寄付を申し出る日本人支援者
「JICA」を騙る文書
日本と北朝鮮を結ぶ点と線
《ササキタダシ》へのインタビュー
すべてはマカオに
第 12 章 東洋のラスベガス
二人の中国人
金賢姫と金正男
なぜクアラルンプールで殺されたのか?
それぞれの結末
第 13 章 ランサムウェア
ロンドンの病院襲撃
無限に感染拡大するランサムウェア
ウイルスの緊急停止スイッチ
脆弱性利用型不正プログラム
ブロックチェーンの痕跡
第 14 章 暗号資産
見せかけの南北融和
暗号資産の恩恵
盗まれた二億三〇〇〇万ドルの暗号資産
北朝鮮とつながる海運会社
暗号資産の最先端知識
第 15 章 さらなる強奪
金正恩とドナルド・トランプ
「最重要指名手配」
共犯者たちのネットワーク
ビジネスメール詐欺
ドバイのインフルエンサー
結び 軍事組織としてのハッカー集団
上記内容は本書刊行時のものです。